第51回気象予報士試験 実技1 問1

第51回気象予報士試験 実技1 問1(1)

①十種雲形 『積雲』

図1の添付図『鹿児島の実況』を見れば、答えが書いてあります。

全天が下層雲(積雲)に覆われ、現在天気はしゅう雨です。

下層雲形を示す、鏡餅のような記号は、気象庁のサイトでは『雄大積雲』と書かれていますね。

しかし十種雲形は、次の10種です。

  • 上層雲(巻積雲、巻層雲、巻雲)
  • 中層雲(高積雲、高層雲、乱層雲)
  • 下層雲(積雲、層雲、層積雲、積乱雲)

十種雲形に『雄大積雲』はありませんから、正解は『積雲』になります。

 あ、これ知ってるって、
知ったかぶりをして『雄大積雲』と書くと間違いになるよ。
正しい知識で書こうね。

②前『6』時間内 『雷電』

上図の過去天気の記号から読み取ります。

過去天気対象時刻
(1)日本時間の 03、09、15、21時には観測時刻の前6時間に起こった現象
(2)日本時間の 06、12、18、24時には観測時刻の前3時間に起こった現象
出典:理科年表オフィシャルサイト

気象予報士試験では、9時、21時の天気図を使用するので、前6時間内と覚えておいて良いでしょう。

図1は、8月31日9時の天気図ですから②『前6時間内』です。

『雷電』は、『国際式の天気記号と記入方式』で確認してください。
Rの字をデザインしたような雷光の記号が特徴的なので、覚えやすいですよね。

④移動に関する語句 『ほとんど停滞』

赤枠で囲った高気圧の設備『ALMOST STNR』は『ALMOST STATIONARY』の略で、気象庁の解説では『ほとんど停滞(速度5ノット以下で進行方向が定まっていない)』と書かれています。

ですから正解は『ほとんど停滞』ですが、『ほぼ停滞』と書いて、点数がもらえるかどうか分かりません。

⑤枠内から選ぶ『中・上層』 『少な』

やや暗い部分とは、下の黄色い楕円で囲んだ辺りのことです。

水蒸気画像の『暗域』と呼ばれる部分ですね。

水蒸気画像は、水蒸気による吸収の特性から『中・上層』を対象にします。

水蒸気量が多いと白く表現されますから、この暗さは水蒸気量が『少ない』状況を表現しています。

⑦8方位 『北西』

午前9時の画像なので、南東方向から朝日が当たっています。

台湾の北と地上低気圧の東に、朝日による雲の影が、明瞭に見えます。

模範解答では『西(北西)』を正解にしていますが、わたしは『北西(西)』にすべきだと思います。

 うーむ、眺めているうちに、西が正しいように見えてきたぞ。
それもそのはず。
この時季の日の出は、ほぼ真東なので、影の方向としては『西』が正しいのですな。

まぁ、どちらにしても点数は同じなのですが。

⑧ 『高』

これだけ影が写るんだから、背が高い雲でしょう。

⑨十種雲形 『積乱雲』

背が高い雲と言えば、『積乱雲』ですよね。

⑩8方位 トラフの『南東』 ⑪8方位 太平洋高気圧の『西』

下の説明図を見れば、一目瞭然ですね。

第51回気象予報士試験 実技1 問1(2)

『逆転』 ②『寒気』

図に示したように、地上では北東風が、順次風向が反時計回りに回転して850hPaでは、西北西に変わっています。

『反時計回り』ですが、文章に合わせれば、①『逆転』と言うべきでしょう。

無理やり合わせて『反時計周りに回転』とすれば、文章は成り立ちますが、適切な語句とは言い難いので、点数はもらえないかもしれません。

②は、迷うことなく『寒気移流』が出てこなければなりません。

ここで疑問を持った人は、暖気移流と寒気移流を勉強してくださいね。

③選ぶ 『ほぼ同じ』 ④選ぶ 『中立』

下図の通りです。

⑤選ぶ 『下層雲と中層雲』

雲が発生する可能性があるのは、湿潤な空気層です。
エマグラムで湿潤な状態を表すのは、気温と露点温度が近接している部分です。

逆に、気温と露点温度が乖離(離れている)している部分は、乾燥領域なので雲は発生しません。

舘野の状態曲線で、湿潤な部分は、925hPa~850hPa(下層雲)と500hPa~420hPa(中層雲)です。

それ以外の空気層は、乾燥しているので雲の発生はありません。

500hPa~420hPaの雲を中層雲と判断した根拠はこちらです。

雲頂高度による雲の分類目安
  • 上層雲では 400hPa以上
  • 中層雲では400~600hPa
  • 下層雲では600hPa以下

出典:気象庁

第51回気象予報士試験 実技1 問1(3)

シュワルター安定指数(SSI)の作図手順をアニメgifにしてみました。

この図では、850hPaで飽和しているので、単純に湿潤断熱線に沿って上昇させるだけです。

下の作図では到達点の気温を-8.1℃としていますが、プリントした紙の上できちんと作図したら、-8.4℃になりました。

-7.2-(-8.4)=+1.2℃

まぁ、このへんは誤差範囲ですね。

模範解答は、『1℃(2℃)』なので、多少ずれても大丈夫です。

 ここで、作図に凝って精度を上げたって、配点は2点しかありませんよ。

正解の許容誤差範囲は十分に取っているので、誤差を気にせず、あまり時間をかけずに、サッサと進めましょう。

実際には、上昇させる赤い線を引く必要はありません。

850hPa線上で290Kと295Kの間隔の比率を求めて、500hPa線上でで同じ比率で計算をすれば良いのです。

詳しくは、SSI作図手順を御覧ください。

模範解答

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