第52回気象予報士試験 実技1 問2

第52回気象予報士試験 実技1 問2(1)

500hPaの気温

図6の-9℃の等温線をブルーに、-6℃の等温線をオレンジに着色しました。

台風の中心付近を見ると、オレンジの線はあまり大きな動きがありません。
ブルーの線は、台風の西側から大きく南に張り出していることが分かります。
台風が温帯低気圧化するときの特徴で、寒気が西側から入り込んでいる様子が伺えます。
これを35字で表現すればよいのです。

北上大の答え
『-6℃は大きな変化がないが-9℃以下の寒気が台風の西側に侵入している。』(35字)

模範解答は
『-6℃以上の領域はなくなり、-9℃以下の寒気が南側に回り込んでいる。』(34字)

そうか、台風の暖気核とも言える-6℃の小さな円が消えたことに触れるべきだったか。
それはそれとして、『-9℃以下の寒気が南側に回り込んでいる』とまで言うのかなぁ。
確かに、西側への侵入は12Hでも観察されているのだから、南側と言及すべきだった。

700hPaの湿数の変化

乾燥域に着目してと指定されています。
湿数の等温線は6℃刻みで表記されています。
乾燥域として、湿数が18℃と24℃の領域に着色しました。


Wのスタンプがある位置が台風中心なので、台風の南側に乾燥域が広がっていることが分かります。
台風の温帯低気圧化の現象として、西側からの寒気流入とともにその地域が乾燥域になることを表しています。
アニメGIFで比較すると、動きが把握しやすいです。


15字だから、大したことは書けません。

書いた答えは
『台風の南側に乾燥域が広がった。』(15字)

模範解答は
『乾燥域が南側に回り込んでいる。』(15字)

『広がった』と『回り込でいる』の違いは、採点上どう判断されるでしょうか。
採点者じゃないので分かりませんが、0点ということはないと思いますがねぇ。動画

解説動画


第52回気象予報士試験 実技1 問2(2)

図5、図6 関東地方の湿潤領域


丸囲みa、bが表現できないので(a)(b)とします。

(a)が指している湿潤領域とは、この図のグリーンのラインです。

(a)図の数値を読み取って『6℃』です。

(b)何度も繰り返してでてくる言葉ですね。
棒状ではないだろうしよく使われるのは『帯状』かな。

(c)これも2回でてきますね。
2回目は走向を示す言葉なので『南北』でしょう。

(d)渦度・湿数の東西方向の(d)は小さくなり、って『傾度』しか思いつかない。

図6、図7 関東地方の予想図

(a)700hPa鉛直p速度の問題であれば『上昇流域』しか思いつきいません。
本当は思考パターンが逆なのですが『上昇流域』ありきで検証してみます。

700hPaの鉛直p速度の等速ラインは20hPa/h単位で作図されています。
12時間後の天気図に関東付近の-20hPa/h以下の領域を着色すると上の図のようになりました。
問題文にあるように『南北に明瞭に』伸びています。

36時間後の天気図では、関東付近に-20hPa/h以下の領域はありません。

したがって、(a)『上昇流域』で間違いありません。

(b)は相当温位線の領域を色分けすれば簡単です。
当相当温位線は、ごちゃごちゃして見ずらいのですが、最初に太線を把握しましょう。
270、285、300、315、330、345のように、300Kから15K刻みで太線が描かれています。
その間に3K刻みで4本の線が入っています。

ここで基準になる太線は、330と345ですね。

細線を見ると関東地方を覆っているのは、339Kと342Kに挟まれた地域なので、(b)『339K』以上の領域ですね。
南部の方にちょっとかかっているのが(c)『342K』以上の領域です。

念の為に36時間後も確認すると関東地方は、概ね336Kと339Kに挟まれているので、矛盾しません。

(d)と(e)は矢羽を選んで強さを読み取ります。

12時間後の関東地方で、南南東の風で最も強いのは、赤丸の(d)『30ノット』です。

36時間後はちょっと悩みますね。
正解は赤丸の(e)『15ノット』ですが、青丸の『20ノット』も正解になっています。

矢羽の風速の観測地点は、矢羽の棒の先端です。
青丸の矢羽の先端は栃木県をを超えて福島県に達していますから、本当は関東地方ではありませんが、紛らわしい範囲なので正解扱いにしているようです。

予想降水量が多い理由

②で与えられた条件は『12時間後のほうが、』
・上昇流が強い
・相当温位が高い
・南南東の風が強い
・水蒸気の移流(指定用語)

これらを並べて書けばよいのだろうと日本語になるようにつなげて書いた。
60字ってかなり長いので、物語風に書いてみたのだが

『12時間後のほうが、南南東の強い風により相当温位が高い空気が流入するので水蒸気の移流が大きく、それが上昇流域で上昇するため。』(62字)

模範解答は
『12時間後のほうが、700hPaの上昇流が強く、850hPaの高い相当温位と強い風により、水蒸気の移流が大きいため。』(58字)

60字というと、この試験ではかなり長い文章です。
だから、すごく意味のある内容を書かせるのだと思っていたら『700hPaの』と『850hPaの』で14文字も無駄遣いをしています。

だって、上昇流の前提が700hPaであり、相当温位の前提が850hPaってことは、お約束の決まり事じゃないですか。だから、その部分は省略して、説明に回そうと思ったのですが、どうも思惑が外れました。

受験生の皆さん、こんな風にボヤいてはいけません。
模範解答は、絶対なのです。

でもね、言おうとしている主旨は同じなので、わたしの解答でも、5点配点(おそらく)のうち、3点以上はもらえると思いますよ。
(勝手な願望であり、保証はありませんが)

第52回気象予報士試験 実技1 問2(3)

①図10 全球モデルとメソモデル

これは読み取りさえ間違えなければ簡単な問題です。
ただし、一つ注意点があります。

通常の天気図では、等圧線は4hPa刻みで表示されていますが、このような拡大図の場合は、それぞれ違うのできちんと単位を確認する必要があります。
上図で示したように、太線上には赤丸で示したように1000hPaと1010hPa の表示がありますね。

ですから、細線は2hPa 刻みであることが分かります。

全球モデル


中心気圧:990hPa(1000hPaの内側の太線なので-10hPa )
北緯:34.3
東経:137.1

メソモデル


中心気圧:992hPa(1000hPaから4本低圧側なので、-8hPa)
北緯:35.0
東経:137.0

②図11


丸囲みa、bは、PCでは表現できないので(a)(b)とします。

文章をざっと読んで、読んだ文章の中で決まったのが(c)『メソモデル』でした。
(c)がメソモデルなら、必然的に(b)は『全球モデル』になります。

(a)は『台風』でしょうね。
でも、領域Yや領域Zも台風に伴う降水域と言えるので、もう少し絞り込んだほうが良いかもしれません。
それなら(a)『台風本体』かな。

(b)(c)は、前述したように(b)『全球』(c)『メソ』で矛盾がないか確認しておきましょう。
下図に示すとおり領域Xの30mm以上の範囲は『全球』が広いので矛盾しませんね。


領域Yの帯状の境域はメソモデルにはありますが、全球モデルにはありません。

(d)は、微妙な判断になるけど、北緯36°東経139°の交点付近を比較するとグリーンの範囲は(d)『広い』になるんでしょうね。
(e)は問題に出すまでもなく、(e)『地形』でしょう。

第52回気象予報士試験 実技1 問2(4)

①50mm以上の強雨域の形状の特徴と移動

50mm以上とは、上の図で黄色の部分です。
形状の特徴は、南北に細長い帯状
移動は、北上する

これを25字で表せばよいのです。
『強雨域の形状は南北に細長い帯状で、北上する。』(22字)

模範解答は
『南北にのびる帯状の強雨域がゆっくり北上している。』(24字)

「ゆっくり」が必須事項かなぁ。
この移動速度にはそぐわないような気がするが

②3つの災害

語呂合わせ呪文『積乱雲では落胆と』の出番です。

長時間に及ぶ降水なので『家庭崩れ』を使います、すなわち

・河川の増水
・低地の浸水
・土砂崩れ

模範解答は
・洪水害(河川の氾濫)
・土砂災害
・浸水害

表現が多少違うけれど、まぁ、これで良いでしょう。
巻末

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模範解答

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