第52回気象予報士試験 実技2 問3

第52回気象予報士試験 実技2 問3(1)

この雲の種類を問われたら選択肢が提示されなくても『積乱雲』と答えます。

その理由を20字で。
北上大の答え
『赤外画像で白く、団塊状の凹凸が観察できる。』(21字)

模範解答は
『明白色の塊状の雲域が連なっている。』(17字)

白い、明るい、白色、明白色、は、しばしば同じ意味の模範解答に使われているので、どれでも正解扱いになると思います。

文章は、その時の成り行きですね。

動画解説

実技2 問3(1)の動画解説

第52回気象予報士試験 実技2 問3(2)

地上風の分布の特徴を40字で。

文章にする前に、状況を整理します。
代表的な風向を矢印で示した通り、北西の冷たい風と南西の暖かい風がぶつかり、P-Q-Rの上にシアラインを形成しています。
こんなことを40字にまとめれば良いのです。

北上大の答え
『北西からの冷たい風と南西からの暖かい風がP-Q-R上でシアラインを形成している。』(40字)

模範解答
『帯状エコーの位置に南西風と北西風との明瞭なシアーラインが形成されている。』(36字)

風向だけを問われているのだから、冷たいとか温かいとかの温度情報は不要だったようですね。余計なことを書いたから減点されるかも…(;_;)

問われていない余計なことは書かないことです。

第52回気象予報士試験 実技2 問3(3)

850hPa面の前線位置を、等相当温位線集中帯の南縁付近と言うことで、345Kの相当温位線に赤いラインを引きました。

デバイダで比べてみると、前線~地点Qの長さは、北緯29°~北緯30°間の長さと同じでした。
つまり前線~地点Qの距離は、111kmです。

前線面の高度が1480mですから、1/A=1.48/111=1/75です。
A=75ですが、10の倍数との指定なので『80』が北上大の答です。

模範解答は『70』でした。

おやっと思って再度測定しましたが、やっぱり『75』ですね。
通常このような場合は、正解は『70(80)』と表記されるものですが、『70』しかないので、『80』は誤りにされるのかもしれません。

考え方と方法は間違っていないので、80が誤りとされたら仕方ないです。

第52回気象予報士試験 実技2 問3(4)

帯状エコーの南下速度を測定するために、エコーの最南端部分を目安に青色のラインを引きました。

東経129°に沿った帯状エコーの最南端部分の16時と18時の距離は80kmでした。
これは、北緯29°~北緯30°間の距離が111kmであることを基準にして、ものさしで測定した結果です。

80kmの距離を2時間で移動したのですから、平均速度は『40km/h』です。

ところが模範解答を見ると『45km/h』となっています。

模範解答に文句を言ってもはじまらないので、理由を探ってみると、おそらくこれが理由のようです。

7日18時の東経129°の帯状エコーの最南端を大きく拡大して見ると、129°線をしっかりまたいでいる部分と、西側から1ドットだけ接触している部分があります。
この距離が約10kmなので、速度計算結果が5km/h変化します。

つまり、しっかりまたいでいる部分を最南端とみなすと移動速度が40km/h
1ドットだけ接触している部分を最南端とみなすと45km/hになるわけです。

東京堂出版の解説書『模範解答と解説』でも40km/hとしているので、問題用紙から読み取ると専門家でも40km/hと答えてもおかしくないようです。

追記:
まるおさんから『16時の南端の位置が正しくないのでは』との質問を受けて、できるだけ正確に測定した結果をここに提示します。
公開されている問題(pdfファイル)の2枚の画像を重ねて、帯状エコーがドット単位で見えるところまで拡大して、画面上で4本の基準線を引きました。
青色=(北緯29°、北緯30°)
 赤色=(7日16時のエコー南端、18時のエコー南端)
これをA4用紙にプリントして長さを測定した結果が下図です。

北緯29°~30°の長さが261mmなので、ほぼA4用紙いっぱいであることが分かります。
2時間での移動距離をxとすると
x/197=111/261
x=83.8km
となりました。平均速度は、83.8/2=41.9km/hですから、
5km/h刻みにまるめれば、40km/hです。

これ以上精度での測定は無理です。

試験会場の問題用紙で、これほどの精度を求めるのは酷だし、仮に40km/hを誤りとされて、2点を失った人がいたとしたら気の毒ですね。

おそらく、40km/hでも正解にされていると思うわ。

第52回気象予報士試験 実技2 問3(5)

この問題は、実況チャートを読み取るだけなので簡単ですね。
チャートの抜粋を提示するだけで、解説は不要でしょう。

①前線到達前の風向

②最低気圧の時刻

③平均風速最小の時刻

④21時以降の風向

⑤30分間の気温低下量

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模範解答

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コメント

  1. まるお より:

    第52回気象予報士試験 実技2 問3(4)
    やっぱり納得できないので、質問させていただきます。
    東経129度線で移動距離を求めて、2時間移動したのだから2で割ればいいということだと思うのですが
    7日16時の最南端部分は北緯29.5度じゃないんですか?
    北上さんの7日16時の最南端部分は北緯30度に青いラインがありますよね?
    最南端部分が違いませんか?
    7日18時の西側から1ドットだけ接触している部分までっていうのを正とするということも考えても北緯30度に最南端部分の青いラインがあるのはおかしいような気がします

    そうすると答えは40km/hになるんで、答えが合わないってことなんですが…何か間違ってますかね?

    • 北上大 より:

      16時の始点位置は、ご指摘のとおり不正確ですね。
      念のために、問題用紙を目一杯拡大して、長さを測定してみました。
      移動距離
      すると、移動距離は83.8kmなので、時速は41.9km/hになりました。
      5km/h刻みにすると、40km/hになりますね。
      模範解答とは違います。

      参考にしている、東京堂出版の『模範解答と解説』でも40km/hにしているので、やはり模範解答とは違います。

      ギリギリの条件なのでおそらく40km/hも正解扱いになると思いますが、実際は分かりません。
      (本文に追記しました)

      • まるお より:

        返信ありがとうございます
        自分で計算してみても40km/hにしかならず、45km/hが出せる方法が知りたかったので、もしかしたらの気持ちで指摘させていただいたのですが、やっぱり40km/hですよね^^;
        どうやって45km/hが出せたのか謎ですね
        ありがとうございました

  2. 加村有司 より:

    いつもお世話になっております。

    雲域の南端ではなく、
    PとQの位置を示す赤い吹き出しの先端を直線で結んでエコーの中心線とみなすと
    東経129度のラインで北緯30.1度に来るので、
    2時間後の中心線はPとQの経度の線を下の図まで定規で引きのばして、
    2点間の降水域の真ん中を結ぶと、
    東経129度のラインで北緯29.3度に来るので、
    (30.1-29.3)/2*111=44.4 -> 45km/h
    なのではないかと思いましたが、如何でしょうか。

    • 北上大 より:

      加村さん、こんばんは。

      可能性として色々な解釈があっても良いとは思いますが、試験問題としてみたときには、画一的な回答が得られなければ、適性に欠けると思います。

      わたしの解釈はともかくとしても、書籍として出版している専門家の意見が分かれるようでは、正しい評価は出来ないのではないでしょうか。

  3. ブロッケン より:

    「問3(4)について」
    文脈からすれば、問3(3)にて、
    「…7日16時の帯状エコーP-Q-Rは,地上における前線位置に対応している。…」とのことなので、
    7日16時時点では「帯状エコーの南端」と言うより「地上前線」、その位置は図12からすると、加村有司 さんの北緯30.1度に近いと思いました。
    問3(3)の解説でも、薄緑の線からそのように解釈できると思います。
    従ってその解答は、加村有司 さんと同じで (30.1-29.3)/2*111=44.4 -> 45km/h に思えます。
    読み取り精度については議論があるかもしれません。

    東京堂出版の解説書『模範解答と解説』を確認できていないので、
    どのような解説がなされているか把握できていないのですが、
    「専門家の意見が分かれるようでは、正しい評価は出来ないのではないでしょうか。」とのサイト管理者様のご意見もごもっともかもしれません。

    ですが、
    7日16時の時点では「帯状エコーの南端」と言うより「地上前線」の位置で考えるべきと思いますが、如何なものでしょうか?

    • 北上大 より:

      ブロッケンさん、コメントありがとうございます。

      この問題についてはいろいろな解釈ができ、議論を重ねるのは大いに結構だと思います。

      わたしとしては、上記解説に記載したようにエコーの南端を基準にすべきだと思っています。
      その理由の一つは、16時は図12の情報が与えらていますが、18時の情報はエコー図しかありませんから、エコー図だけで判断すべきだろうと。
      しかし、正解にたどり着いていないので、もどかしいところです。

      東京堂出版の解説書『模範解答と解説』の詳細は記載できませんが、結論部分を引用します。
      『X-Y間の距離は83kmとなる。したがって、1時間あたりの南下速度は、83km/2km=41.5km/hとなり、5km/h刻みだと、40km/hとなる。気象業務支援センター解答例は45km/hである。』

  4. およよ より:

    いつも大変お世話になっております。
    私もこの問題には悩まされましたが、問題文をよくみると、『平均の南下の速さ』と書かれています。
    エコーは絶えずウヨウヨ形が変わりながら南下するわけですから、南端だけを捉えてしまうと、そのエコー全体の塊の速さとは異なるのでは?と思います。
    であれば、129°線上のエコーの北端と南端の中央が『平均の南下の速さ』をとるべき位置であると考えます。
    それで計算すると、45km/hとなりました。
    出題者の意図は分かりませんが、あまり深く考えずに問題文の言われたとおりに解いてみました。

    • 北上大 より:

      およよさん、コメントありがとうございます。

      反論するというわけではありませんが、自由に議論をすると言う立場でわたしの意見を述べます。

      『平均の南下の速さ』を、エコーの中心と捉えるのは無理があると思います。

      (1)文章から判断して『平均の』は『速さ』にかかる形容詞でありエコーにかかるのは不自然です。
      16時から17時までやや高速で南下して、17時から18時まで速度を落とした場合、南下速度はばらついていますが、全体の距離と時間から16時から18時の『平均の南下の速さ』が求められます。

      (2)エコーの強さは均一ではありませんから、エコーの北端と南端の中央が平均になるとは限りません。

      正解には結びつかないのですが、この文脈から『平均』を『エコーの中心』と解釈するのは、ちょっと無理があるように思います。

  5. およよ より:

    北大さま

    わざわざコメントありがとうございます。恐悦至極にございます。
    私は、解答をみてどうすれば45km/hになるのか逆算的に考えました。

    (1)について
    私は、129°線上のエコー全体が南下するときの16時から18時までに移動した『平均の速さ』と理解し、16時と18時ジャストの129°線上のエコーの位置さえ出せればいいと考えました。

    (2)について
    そして、その位置が北大さまはじめ皆さまの議論になっているところですが、確かに『エコーの中心』は無理があって、ホントは加重平均で位置だししたほうがいいのかな?とも思いましたが、この図だけでは判断できないので『エコーの中心』としました。

    いずれにせよ、北大さまのご指摘を拝見して、私の考えは相当的外れのような気がしてきました(だから全然受からない・・・)。
    今後もこのサイトではお世話になるかと思いますので、よろしくお願いいたします。

    • 北上大 より:

      およよさん

      ご丁寧な返信ありがとうございます。
      わたしの解説が正しいとは限りませんので、怪しいところは質してください。
      そのうえで、主張すべきは主張して、お互いにレベルアップすれば良いと思います。
      今後もよろしくお願いします。