第53回気象予報士試験 実技1 問2

第53回気象予報士試験 実技1 問2(1)

低気圧中心の北~北東側に広がる雲域の特徴って、バルジの特徴を35字で書けという意味ですね。

バルジの特徴といえば
・極側に凸な湾曲(高気圧性の曲率)を持つ
・白色で雲域北縁の境界が明確である
・雲頂高度が高い上層雲である
・低気圧中心の東側から上昇して北側にかけて発達する

北上大の答え(バルジと分かれば図を見るまでもなくって感じですが)
『白色で雲頂高度が高く、極側に凸な湾曲を有してその境界は明確である。』(33字)

模範解答は
『雲頂高度が高く、雲域の北縁が明瞭で高気圧性の曲率を持っている。』(31字)

全く同じ文章は書けないが、同じ主旨のことを書いているのは明白なので、この程度でも良いと思いますよ。

第53回気象予報士試験 実技1 問2(2)

①850hPa面の温暖前線に対応する等温線

低気圧の中心を通って、当温泉集中帯の南縁と言えば『12℃』しか選べません。

②850hPa 面の前線


普通に地上の温暖前線を描けと言われれば、こんな線を描きます。
しかし、ここでは850hPa面での温暖前線なので、地上の前線とは大分趣きが異なります。

この点を理解していないと、下図のような曲がった温暖前線は描けません。

上記①に留意してという指示なので、基本的には12℃の等温線に沿って描写します。


温暖前線は等温線で良いのですが、しかし、寒冷前線にはちょっとした落とし穴が仕込まれているんです。

問1の⑪で850hPa面でチェジュ島は寒気移流、⑫で潮岬では暖気移流と答えています。
つまり、チェジュ島は寒気側、潮岬は暖気側にあることを確認しました。
これは、地上での話。

850hpa面では、西南西の風向から判断すると福岡も暖気側です。
ということは、850hPa面の寒冷前線は、チェジュ島と福岡の間を通らなければなりません。

等温線につられてチェジュ島の北側に描くと減点されるでしょう。

というわけで、こんな解答図になります。

前線記号を忘れないでください。

③秋田上空の温暖前線面の気圧

秋田のエマグラムをみると、前線帯に対応する逆転層が2つあります。
850〜900hPaと600〜620hPaです。

温暖前線面の上層は湿潤であることが多いので、乾燥している850hPaは違うと判断できます。
そもそも、850hPa 面の前線面を判断するのですから、850〜900hPaでは高度が低すぎます。

そのような観点からも、600〜620hPaの逆転層が選ばれます。


さて、前線面は逆転層の上端か下端かの判断が必要です。

前線帯(転移層)と前線面の構造は下図のようになっています。
下の図は、寒冷前線のイメージですが、左右を逆に見れば温暖前線でも同じです。

前線面は、転移層の暖気側、つまり上端なのです。
したがって、解答は『600hPa』です。

④秋田上空の温暖前線面の高度

これは、与えられた条件からの算数計算ですから簡単ですね。
・500hPaの高度が5580m
・1hPa当たりの高度差が、13m/hPa
・では、600hPaの高度はいくつか?

単純に、
・5580m-13m/hPa✕100hPa=4280m

解答は『4280m』です。

⑤温暖前線面の傾き

何やらごちゃごちゃと書いてありますが、整理すれば簡単な計算です。


図示するとこんな関係になります。

まず、地点Aを定めて高度を求めます。
図2を見てみると、地点Aの位置が明確に特定できるのです。

850hPaの前線面は、12℃の等温線に対応しています。
地点Mは、12℃の等温線と1320mの等高度線の交点にありました。

高度差aメートルは、簡単に決まりますね。
4280m-1320m=2960m です。

距離bメートルは、北緯30°~北緯40°の距離が1110kmであることを利用して、比例計算をすると、私のプリントでは352kmになりました。

ここで、a/bを計算すると
a/b=2.96km/352km=1/119 となり

10刻みの整数にすると『1:120』が解答になります。

第53回気象予報士試験 実技1 問2(3)

これは簡単ですね。
『下端:900hPa』と『上端:850hPa』です。

上端については、鉛直部分があるので860hPaも正解にしていますが、鉛直部分も安定層の一部なので、本来は850hPaが正解だと思います。

気温と露点温度が大きく離れているので、乾燥しています。

これを25字で表現すると
北上大の答え
『乾燥しており、高度とともに気温が上昇している。』(23字)

模範解答は
『湿度が低く、上空に向かって気温が高くなっている。』(24字)

う~む、『湿度の状況』の質問に対して、『乾燥しており』ではダメなのかな?
ま、良いとは思うけど、受験生の皆さんは、質問文をリピートするような解答文を書いたほうが安全かもしれませんね。

第53回気象予報士試験 実技1 問2(4)

これは簡単ですね。

600hPa の前線性の逆転層から上が湿潤で雲があり、レーダーエコーが観測される。
しかし、その下では乾燥しているので、仮に上空で降水があったとしても、地上に至る前に途中で蒸発して消えてしまうから。

こんなことを30字で書けば良いのです。

北上大の答え
『前線性の逆転層から上層が湿潤だが、下層が乾燥しているため。』(29字)

模範解答
『降水粒子が、乾燥した層を落下する途中で蒸発するため。』(26字)

ありゃりゃ~、蒸発して消えることを書かないとダメかなぁ。
この問題の配点は4点だが、満点はムリかも(T_T)

みなさんも、表現のポイントには気をつけてくださいね。
分かっているのに、表現力でポイントを落とすのは、一番悔しい!!
巻末

解説動画のご案内(準備中)

完成したら、ここに案内を提示します。

模範解答

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