第53回気象予報士試験 実技2 問1

第53回気象予報士試験 実技2 問1(1)

1006hPa』10ノット南東停滞前線』は天気図の文字や記号を読み取るだけですから、誰でも分かるでしょう。

風向はやや北からの成分もありますが、『おおむね』と形容詞を付けられたら『西』でしょうね。『西北西』も正解になっています。

はちょっと迷うところです。
『朝鮮半島は⑥K以上の高相当温位域になっている』
この文章で、朝鮮半島の中央部だけに乗っかっている345Kとすべきか、朝鮮半島ほぼ全域をカバーしている342Kとすべきか。

私は『342K』としたのですが、模範解答は『345K』でした。
もう一度問題文を見直してみたら『この前線付近の』との指定があるので、前線直下である『345K』のほうが適しているようですね。

は雲量の読み方ですが、8分割の場合の記号の読みは次のようになっていますから、『6』になります。

『巻雲』『高積雲』『積雲』は、それぞれ上層雲、中層雲、低層雲の記号ですから、見れば分かるはずです。
雲記号は、Wikipediaが詳しくて見やすいです。

『雷電』ですね。

の天気を雲記号にくっつけているのは理由があります。
雨とか雪とか降水があれば、雲記号の左側に表示されますが、なにも表示がないので降水はありません。
そうすると、晴れ(快晴)か曇りかになります。
晴れの基準は、雲量が2/8~6/8の範囲ですから、雲量が6/8の『晴れ』になります。

は赤外画像は写真ではなく、温度を示す『サーモグラフ』だということを理解していれば、簡単に分かりますね。
温度が低いところを白く表示する『サーモグラフ』なのです。
赤外画像で白いということは『温度が低い』のです。

は表現を迷いました。
積乱雲の状態を示すためにいろいろな表現が使われます。
『ゴツゴツしている』『団塊状である』『凹凸がある』『濃淡がある』『不均一』『影がある』など。
『⑭がみられる』に適合する表現はなんだろうか?
『凹凸』『濃淡』『不均一性』などどれでも良い気がしますが、正解は『凹凸』でした。

採点基準は分かりませんが『濃淡』で誤りされたら悔しいですね。

第53回気象予報士試験 実技2 問1(2)

1008hPaより気圧が低い部分をグリーンで、1012hPaより気圧が高い部分をブルーで色分けしました。

同じ色(グリーンとグリーン、ブルーとブルー)の間に別の等圧線は通りませんから、1010hPaの等圧線は、おおむね下図のオレンジ色のラインを通ります。

指定された1010hPa3点と、ヒントになる5つのポイントから近似点を探します。

上記の点をなめらかに結ぶと解答図になります。
解答は、破線で記入しなければなりませんので、注意が必要です。

第53回気象予報士試験 実技2問1(3)

当風速線の範囲を読み取って、強風軸が通る範囲を明確にします。
下図のように、80ノットと60ノットの範囲が見えてくるので、その稜線を結ぶ矢印をイメージします。

上でイメージした矢印をなめらかに結ぶと解答図になります。

第53回気象予報士試験 実技2問1(4)

①暗域P

暗域Pと強風軸の位置関係は次のようですが、この位置関係を30字でどう表現するか。
出題者は、何を求めているでしょうか。

一般的には、暗域と明域の境界(バウンダリ)のやや暗域側にジェット気流があるのですが、この場合は明域側に強風軸があるように見えます。

見えたとおりに書くしかありませんね。

北上大の答え
『強風軸は暗域Pのやや西側を北から南に走る位置にある。』(26字)

模範解答
『暗域Pは300hPa面の強風軸のすぐ東側を南北に伸びている。』(30字)

主語が違うけれども、主張している内容はほぼ同じですね。
ま、これでいいか。

②暗域Q

今度は、渦度場のどのようなところに位置しているかを40字で。

位置関係を図示すると次の通りです。
重要な課題は『渦度場のどのようなところ』ですね。

上図で見る通り、『正渦度域境界のすぐ北側に位置する負渦度領域』ですね。
40字にまとめると

北上大の答え
『暗域Qは500hPa面の正渦度域境界のすぐ北側を西北西から東南東に走行している。』(40字)
文字数がオーバーしたので、言わずもがなの『負渦度領域』は削除しました。

模範解答
『暗域Qは500hPa面の細長い正渦度域のすぐ北側を西北西から東南東にのびている。』
(40字)

細長い正渦度域』って、重要なキーワードかな?
でも、まぁ、こんなもんでしょう。

第53回気象予報士試験 実技2問1(5)

福島県の積乱雲は、暗域Pの東側にあります。
黄海の積乱雲は、暗域Qの南西側にあります。
共通点がみつかりません。

暗域の近くで積乱雲が発生する条件ってなにかあったかな?

300hPaの天気図に合わせてみました。

共通点と言えば、暗域の近くにあって、低気圧の張り出した部分かな。

これを20字で書くのはきついな。

北上大の答え
『暗域の近くで低気圧の張り出し部分にある。』(20字)

模範解答
『どちらの雲域も暗域に接している。』(16字)

う~ん、これはどう捉えれば良いんだろうか?
考えてみれば、積乱雲が発達するのは低気圧の張り出し部分にあるのは当たり前だしなぁ。
分からん。
巻末

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模範解答

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コメント

  1. 堀内健史 より:

    お世話になります。素朴な質問です。
    等圧線の作図など場合、回答用紙に、見やすくするための色えんぴつ等の線を残してしまった場合、減点などはされますか?
    もちろん、答えとなる部分はえんぴつで濃く書くことを前提です。
    例えば、1008hPaに青、1012hPaに赤をうすく色鉛筆でひく程度の形跡です。

    特にこの第53回 実技2 問1(2)のように、回答用紙には条件の数値が書かれていて(問題用紙はA,B,Cなどの地点の表記のみ)回答用紙で直接考えたほうが速く、時間が短縮できると考えた場合は、回答用紙に直接書き込みながら考えることができたらと思っております。
    みなさんはどうされているのでしょうか。
    もし、回答以外の線が描かれている場合は減点になる、ならないをご存知でしたらご教授いただけたら幸いです。

    • 北上大 より:

      堀内さん、こんにちは。

      等圧線の作図など場合、解答用紙に、見やすくするための色えんぴつ等の線を残してしまった場合、減点などはされますか?
      もちろん、答えとなる部分はえんぴつで濃く書くことを前提です。
      例えば、1008hPaに青、1012hPaに赤をうすく色鉛筆でひく程度の形跡です。

      この質問に対する公式解答はこれですね。
      『解答は黒の鉛筆またはチャープペンシルを用いて、解答用紙の該当箇所に楷書で記述してください。
      他の筆記用具による解答は認めません。』

      この文章をどう解釈するかです。
      文字通りに解釈すれば、ルール違反として採点対象外とするのが普通です。
      .

      もし、解答以外の線が描かれている場合は減点になる、ならないをご存知でしたらご教授いただけたら幸いです。

      ルールをゆるく解釈しておまけ採点が認められるか、と言う質問ですが、実際の運用は公開されていないので分かりません。
      仮に、減点されないとしても、実際に採点を担当した人がこの場で『その程度なら大丈夫ですよ』なんて書くはずがありません。
      書いたとしても、そんな口が軽い人の話が信用できるはずがありません。
      .

      みなさんはどうされているのでしょうか。

      絶対にやりません。
      また、やらないでください。

      合否の採点に関わる厳格な問題ですから、本当に確認が必要なら(財)気象業務支援センターに直接お問い合わせください。

  2. あんぱん より:

    問1(2)において、佐渡~関東にかけての等圧線の閉じた領域が1008hPa以下の領域となることが理解できません。
    中心気圧が1006hPaならば、佐渡付近の閉じた領域は1008hPa以下、その次は1012hPa以下となるのではないでしょうか?
    基礎的な質問で申し訳ございませんが、宜しくお願いします。

    • 北上大 より:

      あんぱんさん、こんにちは。

      >中心気圧が1006hPaならば、佐渡付近の閉じた領域は1008hPa以下、
      >その次は1012hPa以下となるのではないでしょうか?

      低気圧中心のXを囲む小さな丸を気にしているのですね。
      この小さな丸は破線なので、4hPaごとの正式な等圧線ではありません。
      1006hPaを示す補助線なのです。
      ですから、この補助線を無視して、佐渡~関東にかけて閉じた等圧線は低気圧中心の1006hPaから1本目の1008hPaになります。

      • あんぱん より:

        北上さん
        早速のご回答ありがとうございます。
        破線であることに気がつきませんでした。