試験直前どろなわ講座(再掲)

いよいよ、試験日が明日に迫りました。
昨年の夏掲載した「試験直前どろなわ講座」を再掲します。

もしかしたら、これで5点くらい加点されるかも。

やるべきことを全部やって、時間が余るようなら、もう一度眺めて復習しておいてください。

体調管理ですよ (2015/08/28)

もう、じたばたしないで、体調管理に気をつけましょう。

いくら勉強したって、当日会場に行けなかったらオシマイです。

お腹の調子が悪くて、トイレにいきっぱなしだったら、集中できません。

風邪など引いて、熱を出してゴホンゴホンやっていたら、分かる問題だって解けません。

まずは、体調管理をしっかりして、健全な状態で試験会場に行けるように調整しましょう。

台風の左に立てば左巻き (2015/08/27)

試験直前の確認には、このくらい単純な語呂合わせの確認が良いでしょう。

台風あるいは低気圧が、その地点の

  • 右側(東側、南側)を通過するか
  • 左側(西側、北側)を通過するか

これによって、風向の変化が決まっています。

これが、専門知識と実技試験で、形や表現を変えて、結構な頻度で取り上げられているのです。
台風の図を描いて風向を確認すれば分かることですが、時間がもったいない。

「台風の左に立てば左巻き」 ←語呂合わせ呪文。
簡単ですから、もう一度確認しておきましょう。

4つのナウキャストと短時間予報プラスワン (2015/08/26)

出題頻度が多い割に、多くの皆さんがあまり正確に把握していないのが、ナウキャストです。

「4つのナウキャスト」と「降水短時間予報」+「解析雨量」のポイントを整理しておきましょう。

レーダー・ナウキャスト3兄弟

降水ナウキャスト、雷ナウキャスト、竜巻発生確度ナウキャストは、レーダー・ナウキャスト3兄弟です。

気象庁の表示でも、ひとつの画面をタブ・スイッチで切り替える仕様になっています。

20150826b

降水ナウキャストは、レーダー情報をアメダス雨量計で補正します。
雷ナウキャストは、雷放電の検知及びレーダー観測などを基にしています。
竜巻発生確度ナウキャストは、気象ドップラーレーダーや目撃情報などから判断します。

つまり、どれも、中心になる情報は気象レーダーなのです。

高解像度降水ナウキャストは、ナウキャスト界の異端児

降水ナウキャストと同等と見ているとは、とんでもない勘違いです。
初期値の決定から予測からあらゆる面で「高解像度」は、数段難しいことをやります。
詳しくは、この記事の一番下を見てください。
高解像度降水ナウキャストについて (2015/08/21)

降水短時間予報

ナウキャストよりも、長い6時間先までの予報をします。

前半は降水ナウキャストと同じように外挿法ですが、予報時間が6時間と長いので外挿法だけでは限界があり、後半には数値モデルも採用しています。

解析雨量

これは予報ではありません。

30分毎に、レーダーによる面データを、アメダスの雨量計で補正して、正確な雨量解析結果を整理したデータです。
降水短時間予報の初期データとして利用します。

要点を表にまとめました

名称 メッシュ 予測時間 更新頻度 表現方法
雷ナウキャスト 1km 1時間後まで 10分毎 活動度4段階
竜巻発生確度ナウキャスト 10km 1時間後まで 10分毎 発生確度2段階
降水ナウキャスト 1km 1時間後まで 5分毎 mm/h 8段階
高解像度降水ナウキャスト 0.25km~1km 1時間後まで 5分毎 mm/h 8段階
降水短時間予報 1km 6時間後まで 30分毎 mm/h 8段階
解析雨量 1km 予測なし 30分毎 mm/h 8段階

究極の選択10カ条プラスワン (2015/08/25)

試験直前、最後のワンポイント。

無茶苦茶だけど、分からないからと白紙で出すよりも、若干でも可能性を残す究極の選択。
だけど、この程度のことが分からないようでは、合格の可能性は限りなくゼロに近いね。

本気で考えても答えが分からないときの究極の選択10か条はこれだ。
0)雲の名前が分からなかったら、『積乱雲』と書く。
気象に与える影響力が大きいので、他の雲よりも出題回数が圧倒的に多い。

1)気象現象の名前が分からなかったら『フェーン現象』と書く。
なんたら現象と言うのは、フェーン現象以外にほとんど出てこない。
  たとえば、「エルニーニョ現象」とは言わない。

2)対流圏界面がどうのこうのということなら『低く垂れ下がる』と書く。
上層に暖気核があると圏界面が低く垂れ下がってくる。これ以外に圏界面の問題が出されるケースは極めて少ない。

3)航空機に対する影響が分からなかったら『晴天乱気流』と書く。
地表付近では「ダウンバースト」もあるが、上空で航空機に関する問題はこれしか出ない。

4)衛星画像で、細く長く伸びた雲の名前は『トランスバースライン』と書く。
端部にギザギザがあれば間違いないし、しばしば上記の航空機(晴天乱気流)とセットになる。
シーラスストリークや巻雲とか巻層雲の可能性もあるが、出題比率は「トランスバースライン」が多い。

5)今後の台風の変化をなんと言うかと問われて、分からなかったら『温帯低気圧化』と書く。
台風が今後どうなるかと言う聞き方なら、台風の「発達」や「衰弱」があるが、現象として名詞化していないので、なんと言うかと名称を問われたら「温帯低気圧化」しかない。

6)雨の種類が分からなかったら『しゅう雨』と書く。
地味な「地雨」よりも、対流活動に伴う派手な「しゅう雨」の方が出題頻度が多い。

7)風がどうたらこうたら言う話になったら、まず『収束』を考える。
第2選択肢としては『シア』があるが、迷ったら『収束』の可能性にかける。

8)積乱雲などの対流活動に伴う災害は、訳も分からず『落雷』『短時間強雨』『突風』と書く。
積乱雲では落胆」ととして覚えておけば、きっと役に立つ。

9)成層状態を問われて分からなかったら『対流不安定』と書く。
解答としては、「安定」「条件付不安定」「不安定」の可能性もあるが、出題比率は対流不安定が多いので、分からなかったら「対流不安定」だ。

おまけ)前線位置の決め方が分からなかったら『等相当温位線集中帯の南縁付近』と書く。
出題意図を考慮して「風のシアライン」など多少アレンジを加えれば、8割以上はクリアできるだろう。
これらに従って解答して間違ったからと言っても、苦情は受け付けません。
苦情を言うくらいなら、自分で考えて答えましょう。
あくまでも、どうしても分からないときに、白紙で出すよりもマシだと、割り切って使ってください。

雨の強さの階級を確認しておきましょう (2015/08/24)

気象予報で使う一日の時間細区分がよく出題されますが、これは覚えましたか?
語呂合わせ呪文の「未明朝前科夕七」でしたね。

同様に、何度も登場するのが、雨の強さの階級用語です。

  • や 10 やや強い雨
  • つ 20 強い雨
  • は 30 激しい雨
  • ひ 50 非常に激しい雨
  • も 80 猛烈な雨

これも、語呂合わせ呪文を用意してありますので、しっかり覚えておいてください。

「ガキも二十歳も三十も、五十、八十が食い物にする、雨が降ったら奴はヒモ」ですよ。

バカにしているけど、本当に出るんだから。


2x2分割表でポカをするな (2015/08/23)

あと一週間後に迫ってきました。

試験直前のどろなわ講座つまり、一夜漬け学習法としては、難しい理屈を覚え直すよりも、出題頻度が高い、基本項目を固めることが大事です。

そんな観点から、今日は、2x2分割表を確認しておきましょう。

下の2×2分割表を使って、次の各検証指数を計算しなさい。
20150822e
たった4個の数字しかない上の小さな表から、9個もの検証指数が計算されるのにちょっと驚きます。

  1. 降水の有無の的中率(%)
  2. 見逃し率(%)
  3. 空振り率(%)
  4. 捕捉率(%)
  5. 一致率(%)
  6. スレットスコア
  7. バイアススコア
  8. 降水あり予報の的中率(%)
  9. 降水なし予報の的中率(%)

2x2分割表に関する問題は出題頻度が非常に高く、ほぼ2回に1回は出題されている印象です。

うろ覚えではなく、しっかり覚えておきましょう。
こんなことで1問を失うのはもったいないですよ。

20150822f

降水あり予報の的中率の定義は、一致率と同じ。A/(A+C)=12/15=80%
降水なし予報の的中率は、D/(B+D)=31/35=89%

この問題は、必ず(と言っていいほど)出題されますよ。
でも、第43回専門で出たばかりだから、1回休むかな?

実技試験に出るかもしれないので、ちゃんと覚えておきましょう。


衛星画像から雲の種類を判別する基本手法 (2015/08/22)

試験問題が最も優れた参考書になることがしばしばあります。

今日の課題に関しては、『第39回専門知識の問4』が、ズバリの参考書です。

設問(a)~(d)はすべて『正』であり、衛星画像から雲の種類を判別する基本的な手法が述べられています。

これをまるごと暗記しておくと、きっと有益ですよ。

⇒ 第39回専門知識問題

上のリンクから、問4を開いてください。


高解像度降水ナウキャストについて (2015/08/21)

試験日が10日後に迫ってきましたが、準備は怠りないですか?

今日は、『高解像度降水ナウキャスト』の確認をしておきましょう。

『高解像度降水ナウキャスト』は、2014年8月7日から提供が開始された新しいサービスです。
丁度1年が過ぎたので、出題適齢期かもしれませんよ。

『高解像度降水ナウキャスト』と対比する言葉で『降水ナウキャスト』があります。
2つのナウキャストは、並行してサービスが続けられています。

簡単な比較表で概要を見てみましょう。

一言で言うと、『高解像度』の特徴は3つ。

  • 細かい表示(250mメッシュ)
  • 立体的な解析(3次元予測)
  • データ量が多い(XRAIN,ラジオゾンデ、気象庁以外の雨量計など)
高解像度降水ナウキャスト 降水ナウキャスト
解像度 250mメッシュ(初期30分)
1kmメッシュ(後半1時間まで)
1kmメッシュ
予測時間 1時間先まで、5分毎 1時間先まで、5分毎
初期値の名称 「実況解析値」または「解析値」といいます 素直に「初期値」です
初期値の決定法 気象庁のレーダーのほかXRAINを利用し、さらに雨量計や地上高層観測の結果等を用いて地上降水に近くなるように解析を行う 気象庁のレーダーの観測結果をアメダスなどの雨量計で補正した値
予測手法 3次元補外(初期)⇒(後半)対流予測モデル
立体的に気象現象を解析する
積乱雲の発生予測も取り組んでいる
2次元補外
平面的な解析

関連する用語

高速観測データ
ウインドプロファイラやラジオゾンデの観測データ

対流予測モデル
気温や湿度等の分布に基づいて雨粒の発生や落下等を計算する

XRAIN
国土交通省Xバンドレーダ

積乱雲の発生予測
地表付近の風、気温、及び水蒸気量から積乱雲の発生を推定する手法と、微弱なレーダーエコーの位置と動きを検出して、微弱なエコーが交差するときに積乱雲の発生を予測する手法を用いて、発生位置を推定する

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