第46回気象予報士試験 実技1 問5

第46回気象予報士試験 実技1 問5(1)

この問題は、36時間と48時は、図7下と図8下から写し取れば良いので悩みませんよね。

分からないとパニックになるとしたら、12時間と24時間がどこだろうってことかな。
これは。図1をみれば分かります。

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見てしまえば、なんてことはない。
図1の予報円が、12時間後と24時間後の予想位置なんです。

大体の見当で、予報円の中心付近にx印をつければ、大丈夫です。
作図結果は、下の模範解答をご覧ください。

第46回気象予報士試験 実技1 問5(2)

中心気圧は、図7下と図8下の等圧線を読み取るだけの問題です。

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36時間後は、992hPaの表示がある線から2本内側なので、992-8=「984」hPaです。

48時間後は、984hPaの表示がある線から2本内側なので、984-8=「976」hPaです。

途中の気圧値は表示されていないことも多いので、1000hPaの太線からの本数で数える癖をつけておくと、計算も楽だし紛れ(つまらないミス)が減ります。
これに慣れてくると、計算しなくても1000hPaからの混み具合で直感的に気圧値が感じられるようになります。

ちなみに1000hPaから数えると

36時間後は、1000hPaの太線から4本内側なので、992-16=「984」hPaです。
48時間後は、1000hPaの太線から6本内側なので、984-24=「976」hPaです。

当たり前だけど、同じ答えが得られます。

第46回気象予報士試験 実技1 問5(3)

丸囲み数字は、機種によっては文字化けするので[1][2]を使います。

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[1]等圧線形状の変化を35字で。

図1は、ほぼ同心円状ですね。
図8は、円形がくずれて『じゃがいも』のようになっていますが、この形をどう表現したものか。

北上大の答えは
「図1の台風はほぼ同心円形状だが、図8は円形が崩れて南北に長く伸びる。」(34字)

模範解答は
「円形の等圧線が南南西から北北東方向を長軸とする楕円形に広がる。」(31字)

このじゃがいもの形を『楕円形』と言い切ることに違和感を覚えますね。
楕円形じゃないだろう!

うん、『そら豆型』がいいな。

また、単純に『南北』では、許してもらえないようですね。
『南南西から北北東』って、文字数使い過ぎじゃね?

たまたま合格したと言っても、私は、この辺の言葉の選び方のニュアンスが掴みきれていません。
これから受験する皆さんは、私のように妙な反発をしないで、素直に模範解答のような文章が書けるようにセンスを磨いてください。

[2]等圧線間隔の図1と比較した特徴を20字で

図1は等圧線間隔が全周で狭い
図8は北側で狭く、南側で広い

北上大の答えは
「図8の等圧線間隔は北側が狭く南側が広い。」(20字)

模範解答は
「中心の北側は密だが南南西側は疎となる。」(19字)

おっと、これはやられましたね。
「狭い、広い」を「密と疎」で処理して、節約した文字数で南南西を作り出したのですね。
参りました。m(_ _)m

第46回気象予報士試験 実技1 問5(4)

24時間後の予想と48時間後の予想気温分布図に着色しました。

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21768この試験のテーマは台風の温帯低気圧化だから、
この問5(4)では、
台風特有の『暖気核が崩壊する様子』を描写させることが
メインの目的だと気づいてね。

24時間後は不明瞭ながらも、暖気核が形成されています。

一方、48時間後は、暖気核は崩壊して、寒気が低気圧中心に近づいています。

この様子を25字で述べればよいのですが、『暖気核崩壊』は外せませんね。

北上大の答え
「低気圧上層の暖気核が崩壊して寒気が近づいている。」(24字)

模範解答
「中心の暖気核が崩れ、南西側の高温域と連なっている。」(25字)

暖気核の崩壊に触れている点では合格だが、「寒気が近づいている」は気温分布の特徴にあたらないのでしょうか。
どう採点されるか分かりません。

第46回気象予報士試験 実技1 問5(5)

南東側と南西側の風の特徴を強調しました。

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217707温度移流を意味する定番の書き方があります。
それをしっかり覚えておきましょうね。それは、風が等温線と交差する現象です。

北上大の答え
「等温線と交差する風が南東側では南から、南西側では北から吹いているおり、それぞれ暖気移流、寒気移流である。」(52字)
と書きたいのですが、文字数がオーバーなので圧縮します。

「南東側は強い暖気移流、南西側は寒気移流である。」(23字)
文字数制限でこの程度しか書けないけど、どうなのでしょうか。

模範解答
「南東側は暖気移流、南西側は寒気移流となっている。」(24字)

なぁんだ、これでいいんだ。

第46回気象予報士試験 実技1 問5(6)

台風の構造と勢力の変化ですか。
台風の温帯低気圧化に関して述べよ、ということですね。

(1)~(5)のポイントをひと言で書いてみましょう。

  • (1)北東進しつつ速度が速まる
  • (2)中心気圧は960hPaより弱まるものの、36時間後より48時間後が低い
  • (3)等圧線の円形が崩れて、勢力範囲は「そら豆型」に南北に伸びる
  • (4)上空の暖気核が崩壊する
  • (5)南東で暖気移流、南西で寒気移流が強まる

構造の変化は、台風の円形構造が崩れて、温帯低気圧に変化することを表しています。
勢力の変化は、中心気圧は一旦弱まるものの再び低下して、勢力範囲は拡大する。

こんなところでしょうね。

さて、30字にまとめると
「暖気核が崩れて台風の円形構造を失うが、勢力範囲は拡大する。」(29字)
熟慮して書いた文章がこれだが、

模範解答は、
「台風は勢力が弱まった後、温帯低気圧に変わって再発達する。」(28字)

えぇ~~、こんな、総論的なまとめでいいのかなぁ。

先のまとめに書いたように、すべて理解していることですが、
温帯低気圧の用語は一度も使っていないのに、ここでいきなり持ち出して良いのでしょうか。

この試験では、与えられた条件や用語だけを駆使して答えるものだと思っているのですが・・・。

やっぱり、センスが悪いのかなぁ。

模範解答

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