台風の中心部の気圧が低い理由を教えて。

はじめに フォーラム めざてん掲示板1 台風の中心部の気圧が低い理由を教えて。

  • このトピックには14件の返信、1人の参加者があり、最後にだんなにより6年前に更新されました。
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    • #5348
      北上大
      キーマスター

      管理者の北上大です。

      読者から質問を受けましたが、恥ずかしながら答えられない問題があります。
      聡明な方のお知恵をお借りしたいので、教えて下さい。

      台風の中心部の気圧が低いのは当然ですが、なぜ低いのか?
      海水表面が加熱されて水蒸気が蒸発して上昇流が発生するからです。
      なんて、いい加減な説明をしていましたが、次のような質問を受けたら、答えられなくなりました。

      =====
      一般気象学【第2版】237ページ、下から3行目
      特徴は界面高度からほぼ圏界面まで、台風の中心付近の気温が(略)まわりより高いことである。
      それで静水圧平衡の関係により、各高度で中心付近の気圧はまわりより低い。

      一般気象学【第2版】241ページ、上から18行目
      台風の中心部ではまわりより温度が高い。静水圧平衡の関係により中心部の気圧はまわりより低い。
      =====

      まったく同じことを2度も書いているということは、よほど重要なことなのでしょう。
      とこらが、『静水圧平衡の関係』と『温度が高いと気圧が低い』との関係が説明できません。

      ましてや、温度風の解説では、『平均気温が高い赤道付近は気温が低い高緯度地域よりも、高度とともに気圧が高くなる』と説明しているので、逆の現象になっています。
      しかし、これは地上気圧が同じという仮定なので、台風とは一致しないのは当然です。

      ここで、相談です。
      1)台風の中心部は『周囲よりも温度が高い』(地上から圏界面付近まで全高度で)
      2)『静水圧平衡の関係で』、台風の中心部は『周囲よりも気圧が低い』(各高度で)

      つまり
       『周囲よりも温度が高い』
       『静水圧平衡の関係で』
       『周囲よりも気圧が低い』

      この関係を論理的に説明できる方に教えを請いたいと思います。
      よろしくお願いします。m(_ _)m

    • #5349
      電球
      ゲスト

      北上大さま、お疲れさまです。電球です。
      自分なりの拙い理解です・・・少しでも参考になれば。

      ●静水圧平衡=静力学平衡とは?(以下はウィキより)
      (大気など流体が)重力による収縮と圧力勾配による
      膨張とが釣り合った状態

      ●静水圧平衡の式は?(予報士のテキストなどより)
      △P=-ρg△z または dP/dz=-ρg

      ●理想気体の状態方程式は P=ρRT
      変形すると ρ=P/RT  ・・・温度の項は分母

      このためPが一定なら密度は温度が上がると小さくなる!

      ●「温度が高い=密度が小さい」空気の積み重ねにより
      台風の気圧は低くなる。

      ナツメ社のテキスト
      「ひとりで学べる 気象予報士試験 完全攻略テキスト」の
      30ページのコラム「詳しく知ろう!」を参照ください。
      (PDF添付したいのですが添付ボタンがないので・・・)
      かなり迷走気味ですみません。
      また投稿します(寝不足につき)。

      • #5358
        北上大
        キーマスター

        電球さん、返信ありがとうございます。

        わざわざメールで送ってくださった添付のpdfは、問題なく見ることができました。
        層厚の概念は、とても分りやすかったですね。
        参考にさせていただきます。

    • #5350
      古久根 敦
      ゲスト

      北上大さん,お疲れ様です.

      とてもいい質問だと思います.大気に対するイメージを大切にしつつ,やや詳細に解説してみます.

      1.周囲よりも温度が高い
      2.静水圧平衡の関係で
      3.周囲よりも気圧が低い

      1~3を論理的に結びつけましょう.その前に1~3の意味を理解する必要があります.一つ一つ見ていきましょう.

      1.台風中心付近の鉛直温度分布(実際には気温偏差)をみると,中心付近ほど同じ高度の周りの空気よりも高温です.一般気象学の図8.29を見てください.

      通常,上層に行くほど断熱膨張によって気温は低くなります.ところが,高度とは関係ない熱エネルギー(潜熱放出)を台風中心付近の空気はもらうことができるため,上層ほど周りの空気(もしくは平均気温)よりも高温である状況が明瞭になります.逆に,下層はもともと気温が高めなので,熱エネルギーをもらうインパクトが小さくなって気温偏差という形では上層ほどには明瞭にはなりません.ただし高いことは変わりません.これが図8.29で言っていることです.

      2.静水圧平衡の関係とはなんでしょうか?

      ⊿p=-ρg⊿Zの式で覚えている方もいると思いますが,その意味の理解が必要です.

      右辺は,層の厚さが⊿Zである気層の単位面積あたりの重さのことを言っています.
      左辺は,この層の上と下とでは気圧差⊿pがあるということを言っています.

      ⊿Zの厚さをもった気層の上と下で気圧の差が生まれているということは,その気層の重さを考えればいいということです.さらに,その気層の重さは,気層の空気密度と層の厚さによるとも言っています.

      3.では,なぜ台風中心付近の気圧は周りよりも低いのでしょうか?

      ここでいう中心気圧は地上でのこととして考えましょう.地表面より上にある空気(気柱)の重さが地上の気圧を作っています.

      さて,台風中心付近の気圧が周りよりも低いのだから,台風中心付近では上にある空気(気柱)の重さが周りよりも軽いということになります.つまり,「周囲よりも気圧が低い」ということは「地表面より上にある気柱の重さが周囲の気柱よりも軽い」ということと同じ意味になります.以降,地表面から上にある空気の重さを考えていけばいいことになります.

      ———- 10km, 300hPa
      気層A
      ———- 5km
      気層B
      ———- 0km

      よく間違えるのは,高度には2つの表し方がありますが,空気の重さを考える場合は高度で考えなければならないことです.等圧面で考えると等高度線がかけるように高度がまちまちです.

      上の図で,台風中心付近で周りと高度も気圧も同じところから考えていきます.10km,300hPaとしました(実際はもう少し上層だと思いますが).この高度よりも上の空気の重さは変わりません.
       ※台風中心付近の上空では発散風に変わっていく高度があるはずです.下層から見ていって収束から発散に変わる瞬間,ここは気圧傾度がない(だから台風中心に吹き込んだり,台風中心から吹き出したりしない)と考えて,周りの空気と同じ高度で同じ気圧であると考えられます.

      上図の気層Aの⊿Zは5kmです.この層で台風中心付近は周りよりも気温が高いため,空気密度が小さくなります.すると,静水圧平衡の関係で,この式の右辺について,台風中心付近の空気は周りよりも小さくなります.すると,左辺⊿pも小さいということになります.
      ※気温が高いと空気密度が小さい理由は,同じ気圧であれば気体の状態方程式p=ρRTによって説明できます.ただし,同圧という条件を忘れるとおかしなことを言いがちなので要注意.

      ⊿pとは,高度10kmでの気圧と,高度5kmでの気圧との「差」のことです.この差が,台風中心付近は周りより小さいよと言っています.例えば,周囲の空気は200hPaの気圧差をもらえたのに対して,台風中心付近は150hPaの気圧差しかもらえないということです.なので,高度5kmにおける気圧は,台風中心付近では周囲よりも低くなります.この例で言えば,高度5kmにおいて,周りの空気の気圧は300+200=500hPa,台風中心付近の気圧は300+150=450hPaとなります.

      同じように気層Bについても考えてみましょう.高度0kmにおける気圧は,やはり台風中心付近では周囲よりも低くなります.

      ===== まとめ =====
      ・台風中心付近は周囲よりも気温が高いため,空気密度は周囲よりも小さい.よって静水圧平衡の関係から同じ高さの気層において上下方向の気圧差が周囲よりも小さくなる.台風中心付近の上層において,台風中心付近と周囲とでほぼ同高度・同気圧の場所があるはずで,その高度から下向きに考えると,台風中心付近は静水圧平衡の関係で得られる気圧差が小さく,下層に向かっても周囲よりもなかなか気圧が高くならない.よって,地表面付近では台風中心付近で気圧が低くなる.

      ・上層に行くと,台風中心付近の気圧と周囲の気圧との差は,地表面よりは小さくなる(低気圧性が不明瞭になる).なぜなら静水圧平衡の関係が影響する気層の厚さが薄いからである.

      これほどきめ細かく説明することはなくて,台風中心付近は周りよりも気温が高く,層厚が大きいことに着眼するというのも一つの方法です.ただし,地表面付近では等高度線が地下深くに潜り込んでしまうため,誤解されやすく,私はあまり層厚を使った説明はしません(^0^;)

      • #5356
        北上大
        キーマスター

        (ごめんなさい。操作ミスで、Yoshikenさんの投稿を削除してしまいました。管理者権限で再掲します)
        以下、Yoshikenさんの投稿です。

        >古久根さん

        懇切丁寧な解説ありがとうございました。
        中心は周辺より層厚が厚いが、台風上空に発散もなく収束もない等圧面が水平の箇所があり、
        それより下層は等圧面が下に「凸」になる形で層厚が厚くなっているということで
        よろしいでしょうか。
        私も管理人さんの投稿をみて「ウ~ン」となってしまいました。

        よく海面が暖かいと海面付近の気層が暖められ上昇流が起こると言われます。
        いわゆる小さい低気圧の発生ですが、気層があたたかいと周りよりも高圧に
        なり下降流が卓越するはずです。にもかかわらず上昇流が起こるのも古久根さんの
        解説された原理と同じでしょうか。

        つまり、上昇流(収束)が起こると上空のどこかで発散があるはずであり、
        その途中で等圧面が水平な箇所があるはずです。あとは台風と同様、
        上昇流域は気層の密度が小さいため層厚が下に凸となるということです。

        ※積乱雲は圏界面で強制的に上昇流が打ち止めになり水平に広がりますが
         これも発散の一種でしょうか。

        • この返信は7年、 3ヶ月前に北上大が編集しました。
        • #5378
          古久根 敦
          ゲスト

          >Yoshikenさん

          疑問をもってウ~ンとなる,素敵だと思います!

          #長くなります,すいません(^0^;)

          台風中心付近において,発散収束はない等圧面を基準にすると,それより上層での等圧面は上に凸,下層での等圧面は下に凸になっています.すなわち,台風中心付近で層厚が厚くなっています.Yoshikenさんの理解でOKです.

          海面・上昇流のくだりについては,いろいろと間違いっぽいところが見られます(^0^;) 混乱されてるなと私が感じたのは大きく2つです.

          1.上昇流=低気圧
          2.気層が暖かい=高圧
          3.台風は構造が明瞭,他の低気圧は構造が様々

          ===1について===
          海面が大気と比べて相対的に暖かいと海面付近の気層が暖められます.海水から熱をもらえるからです.これによって起こる上昇流は基本的には大気不安定によるものです.下層で暖気,上層に寒気の形において,気温減率が大きくなるからです.ただし,実際に上昇流が起こるかどうかはその暖められ度合いであったり,多くの場合には下層での風の収束などが必要です.

          蛇足ですが,冬の日本海の場合は,相対的に海面水温が暖かすぎるので,気団変質とともに上昇流が起こりますが,これはもっと別のメカニズム,気層の間においてある一定の温度差を超えてしまったために生じるベナール型対流ですので,海面付近の気層が暖められただけでは発生しません.上が冷たいというのも条件の一つです.

          というように,必ず顕著な上昇流が起こるわけではないことは気に留めておいてくださいね.

          さて,上昇流が起こったからといって低気圧が発生するとは限りません.夏の陸地は強い日射で常に上昇流(強弱はあれど)のオンパレードですから,低気圧が発生しまくりになってしまいます(^0^;) 低圧部にはなるかもしれませんが,低気圧として明瞭に現れるためには渦循環・風の流れ(地形性含む)・上層の状況なども大切です.

          ===2について===
          気層が暖かいと周りよりも高圧というのは間違いです.では低圧か? 一概には言えません(^0^;) 私の解説では,静水圧平衡の式で左辺は「気圧差」と説明しました.あくまで気圧差です.暖かい空気はその気層での気圧差は小さく,冷たい空気は気圧差が大きいというだけ.どこかの高度の等圧面&等高度面を基準にしないと,その層で高圧か低圧かは決められません.周りも含めて,暖かい気層がどの高度にあるか,そしてその上層と下層にはどんな空気があるかによって,どの場所で高圧か低圧かは変わってきます.例えば,寒冷低気圧.中層にはどかんと寒気が居座っていて,その高度では低気圧になっていますが,寒気がいるのに何で低気圧?それは,それより上層に暖気がどかんといるからです.さらに,下層・地表面に行くと低気圧があるかどうかもわかりません.海面付近の気層が暖かくても,それより上層に周りよりも冷たい空気が居座れば,海面付近では気圧は低くなりません.寒冷低気圧は地上では不明瞭なことがあるとよく言われるのはこうした理由です.地上天気図で表される低気圧・高気圧は,地表面より上層にある,周りよりも暖かい気層・冷たい気層が鉛直方向に混在している中で,どこかの気層が突出していて,低気圧になったり高気圧になったりします.

          ===3について===
          2でも書きましたが.台風は上層のどこかで収束から発散になるという構造が明確なので,私の解説で上層から静水圧平衡の式を使っていく説明を使いましたが,一般的な温帯低気圧をはじめ他の低気圧ではこの解説はしません.どこが等圧面&等高度面であるかが様々だからです.メカニズムも全然違いますし.

          ===最後に===
          積乱雲が圏界面で強制的に上昇流が打ち止めになる,圏界面より上層は安定層だからです.もちろんオーバーシュートする出っ張ってしまった雲もいらっしゃいますが(^0^;) 風の流れから言えば発散です.一気に下層に目を移すと,例えば,地表面に向かって強い下降流があると水平方向に風(空気)が逃げざるを得ません.強い発散です.

      • #5359
        北上大
        キーマスター

        古久根さん、ありがとうございます。

        丁寧な説明でとても良く分かりました。

        ポイントは、基準点の置き方ですね。
        『台風中心付近で周りと高度も気圧も同じところから考えていきます.』
          ↑↑↑ これです。

        私は、地表面を基準に考えようとして、どうにもならない落とし穴にハマっていました。
        上層に基準点を設けて、そこから大気の重さを加算する考え方にすれば良かったのですね。

        大変良く理解できました。

        このフォーラムでは、図が自由に使えないので、図を活用した解説記事を改めて作成いたします。
        質問した方には、その解説記事をお伝えすることにします。

      • #5418
        北上大
        キーマスター

        古久根さん

        とてもわかり易い説明をいただきありがとうございます。
        私なりに説明の図を付けて、解説記事を作成しました。
         ⇒ 台風の中心部はなぜ低気圧になるのか?

        もし曲解している部分があれば直ちに修正しますので、ご指摘ください。

    • #5376
      電球
      ゲスト

      古久根さんの解説、電球の100倍わかりやすく正確。
      さすがです感激です(いつの日かここまで上達したい)。

      自分は単純に「層厚」に着目して考えていました。
      (ナツメ社のテキストでこの部分が印象的でしたので)
      層厚から考えると、台風中心では等圧線が地下にもぐり
      こんでしまい、たしかにわかりにくかも??ですね。
      (地上に等圧線の同心円が描けそうですが・・・)

      • #5379
        古久根 敦
        ゲスト

        >電球さん

        ありがとうございます.

        層厚で考える場合,台風中心付近の層厚は周りと比べると厚くなりますが,どの高度からどの高度まで厚くなっているかが大切で,勘違いされやすいのです(^0^;)

        よくある間違いが,常に地表面からの層厚を考えてしまって,台風中心付近って背が高いんだねとだけ思ってしまう罠.実際は電球さんのおっしゃる通り,等圧線は地下に潜っているので,背が高いとは言えません.

        この間違いが起きる理由は,層厚の考えは,どの高度でも大気があるということが前提だからです.地表面よりもさらに下の地層には大気が行けないなんて,そんなことありうるか!っていうのが,「層厚の式」が抱いている気持ちですね(^0^;) 層厚を鉛直方向に広く見た場合,ここに落とし穴があるわけです.

    • #8565
      だんな
      ゲスト

      はじめまして。
      初投稿させて頂く”だんな”と申します。

      早速ではござますが、台風の低気圧性について質問があります。

      【らくらく突破気象予報士かんたん合格テキスト実技編】のP9記載の
      「台風の低気圧性は大気上層ほど不明瞭になる理由を図Xの台風内の温度場に着目し、
      大気の層厚を考察して述べよ」について質問です。

      上記の例題に対し、テキストの解答では、
      「台風内は周辺より暖かく空気密度が小さいため地上で最も低気圧が明瞭であるが、
      大気の層厚は周辺より大きく上層ほど低気圧が不明瞭。」とあります。

      例題に解答する上で、台風の特徴として、
      (1)台風内は周辺より暖かく空気密度が小さい
      (2)台風内の空気密度が周辺より小さいから層厚が大きい
      という2点は理解できます。

      また、「大気の低気圧性は大気上層ほど不明瞭になる理由」という問いに関しても、
      こちらの記事に説明があるように、
      ”上層に基準点を設けて、そこから大気の重さを加算する考え方”をすることで理解ができます。
      https://kishoyohoshi.com/archives/5369.html

      しかし、上記例題に対し、なぜテキストに記される解答となるのか
      いまいち理解ができません。

      古久根さんや北上さんは、図や式を示して説明して下さっていて、
      私でも理解できる分かりやすい内容です。
      しかし、テキストの解答はより短い文章でしか説明しておらず、
      私には説明が不足しているように感じて、理解ができません。
      また、層厚に関して問われていることも理解し難い要因の1つだと思います。

      ただ、何が理解できないのか私もうまく説明できません。

      どなたかご聡明な方へ
      私のモヤモヤを解決して頂けないでしょうか。

      • #8567
        北上大
        キーマスター

        だんなさん、こんにちは。

        「台風内は周辺より暖かく空気密度が小さいため地上で最も低気圧が明瞭であるが、大気の層厚は周辺より大きく上層ほど低気圧が不明瞭。」

        この説明が納得できないと言う質問でしょうか。
        文章を細分化してみましょう。

        (a)台風内は周辺より温かい
        (b)温かいから空気密度が小さい
        (c)空気密度が小さいから地上で低気圧が明瞭
        (d)空気密度が小さいから層厚が大きい
        (e)層厚が大きいから上空の低気圧が不明瞭

        こんな構成になっていますね。
        この中で(a)(b)(d)は、気体の性質として当然ですね。
        (c)と(e)が納得できれば、モヤモヤは解決しますね。

        ちょっと考えてみましょう。

    • #8568
      とうり
      ゲスト

      北上大様、台風は当方にとって、むずかしい専門知識。中心部が台風の重要なキーですね、その気圧が低くなる理由と気層の説明、印刷して(11ページ)、本日一日何度も読んで、図にして、他の問題も解いて、かなりスッキリしました。古久根様の説明がようやく理解できました。低気圧、高気圧についてはメカニズムを考えればいい、実にわかりやすい。積乱雲の上層(圏界面)は安定層だから、あのような形に。平成17年の、24回、一般・問7の、対流圏の低気圧と高気圧、上層、下層での、気層の厚さについても、一連の文章で、理解できる端緒を得ました。Yoshiken様、電球様の理解を通じて、当方の理解の助けになり、感謝。ありがとうございます。最後のところで、北上様のような、文章の分解、これもすばらしい。

    • #8570
      ウルトラゾーン
      ゲスト

      だんなさん

      図Xってどんな図なんだろうと思って、かんたん合格テキストを見てみましたが、テキストの9ページはまだ導入段階の部分で、一般知識で学んだ知識が実技でも問われるよ!という例として挙げている部分なんですね。

      おそらく
      ①台風内は周辺大気より気温が高く暖気核構造を持つ。もちろん、問題で与えられた天気図でも確認する。この構造は対流圏全体で認められ、上層ほど明瞭である(発達した台風の場合)。
      ②台風内は周辺大気より空気密度が小さくなっている。
      ③台風内は暖気核構造から、周辺大気より異なる等圧面間の大気の層厚が大きくなっている。
      とテキストでは3つの考察が書いてあり、これより解答を作る事ができる。
      となっていますが、実技試験では字数制限の制約により、言いたいことがすべては書けないのでエッセンスを抜き出してこのような解答を作る事ができますよ。という例としてあげているのだと思います(字数制限によってはもっと短くしなくてはいけない事もあるし、もっと詳しく書かないといけないこともある)。

      本来なら、台風内が周囲より気温が高いだけではなくて、下層から上層にかけて気温が高い事も言わなければならないし、上層にかけて空気密度が小さいとなぜ地上で低気圧が明瞭となるのか?その本質的なところを書かなければならないと思います(まさにこれが問われているんですが)。
      そうなってくると相当長い記述や、ことによると図示なども必要になってきたりして、どこまでの解答を求められているのか?を読み取って自分なりに判断して取捨選択した上で解答する必要があります。
      そんな訳で、気象予報士試験では自分が思っていた解答と異なる模範解答が示されていたりして、「これだけでいいの?」とか「もっと、別の理由を書かないといけないんじゃないか?」とか非常にモヤモヤする事が多いのです。なので、それらを全て受け入れた上で素直に試験作成者の意図を読み取るか?というのも結構重要になってくると思います。
      モヤモヤ感。私も非常によくわかります(^_^;)

      ところで、私は勉強を始めてから、何回か低気圧と高気圧がよくわからなくなった事があります(今もわかってはいないんですが)
      どういうふうにわからなくなったのか自分でもよく覚えてないので書きませんが、
      今はシンプルに、その地点より上(主に対流圏圏界面までを基準に)の空気の重さが気圧に相当する。
      という考えで結構問題なく考える事ができるようになった気がします。
      [※重さというのは重力を加味した重さ(kgfのような)で、質量とは別物です。質量には重力の項はないので、宇宙の無重力空間でも変わりませんが、重さは無重力空間では0になります。バネばかりで測るのが重さで、天秤で分銅を使って測るのが質量です。あ、でも無重力では天秤でも測れないな(^_^;)]

      地上で空気密度が小さくても、上空で空気密度が大きければ、地上での気圧は両者のトータルの重さなので低気圧性は緩和されてしまうし、地上で空気密度が周囲と変わらなくても、上空に空気密度が小さいところが存在すれば、地上での気圧は両者のトータルにより周囲より低く(低気圧に)なる。
      ただ圏界面が周囲より高い場合や低い場合はそれを加味しなくてはなりません。

    • #8592
      だんな
      ゲスト

      北上大さん,ウルトラゾーンさん
      返信が遅くなり申し訳ございません。
      そしてお二人とも,ご助言ありがとうございます。

      北上大さん
      私の疑問を細分化して頂きありがとうございます。
      下記の(c),(e)について,静力学平衡の式で計算し,さらに模式図を描いて,
      しばらく悩んだ末,もやもやが解消された,と思います。
      (c)空気密度が小さいから地上で低気圧が明瞭
      (e)層厚が大きいから上空の低気圧が不明瞭

      解消までの考え方が適しているか確認して頂きたいため,
      計算過程を以下に記します。

      まず,(c)については
      Δp = -ρgΔzの式から,
      台風中心と周辺大気について以下の条件で,模式的に大気の状態を計算しました。
      [条件]
      ・重力加速度(g)
      g=10.0
      ・空気密度(ρ)
      高度5000m~10000m
      台風中心:ρ=0.4, 周辺大気:ρ=0.5,
      高度2500m~5000m
      台風中心:ρ=0.80, 周辺大気:ρ=0.85,
      高度0m~2500m
      台風中心:ρ=1.0, 周辺大気:ρ=1.01,
      ※上空に行くほど気温は下がるが,周辺大気との気温差は大きくなるので,
      上記のような空気密度を模式的に設定した。

      ・台風中心・周辺大気ともに上空10000mで300hPaとする。

      [問題]
      各高度10000m,5000m,2500m,地上0mの気圧差(Δp)の合計を求める。

      [解]
      台風中心:950hPa
      周辺大気:965hPa
      となって,(c)が証明できました。

      次に,(e)についてです。
      [条件]
      (c)と全く同じ条件。
      [問題]
      今度は,地上から上空に向かって気圧差(Δp)を求める。
      地上からの高度は,地上0m,2500m,5000m,9000m,10000mとする。
      [解]
      すると,高度5000mでは
      台風中心:500hPa
      周辺大気:550hPaで,
      周辺大気の層厚の方が大きかったのですが,

      高度9000mでは
      台風中心:590hPa
      周辺大気:515hPaとなり,
      台風中心の層厚の方が大きくなりました。

      空気密度を模式的に設定しているため,
      通常だとあり得ない気圧となっていますが,
      台風中心は上空に向かうほど,周辺大気より層厚が大きくなったので,
      (e)が証明できたと思います。

      以上のような考え方は適しているでしょうか?

      ウルトラゾーンさん
      今回の私の疑問を解消する上で,
      「その地点より上(主に対流圏圏界面までを基準に)の空気の重さが気圧に相当する。」
      という考え方が,非常に役立ちました。
      とても分かりやすい助言ありがとうございます。

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