【第43回】平成26年度第2回実技1の問2について

はじめに フォーラム めざてん掲示板1 【第43回】平成26年度第2回実技1の問2について

  • このトピックには8件の返信、1人の参加者があり、最後にだんなにより5年、 9ヶ月前に更新されました。
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    • #9106
      だんな
      ゲスト

      皆さま,お暑い中お疲れ様です。

      主題の件で質問があります。

      本事例では,黄海にて初期時刻(4月2日21時)に発達中の低気圧あり,36時間後(4月4日9時)には北海道の襟裳岬付近で消滅しています。一方,同日(4月4日9時)のオホーツク海上でさらに低気圧が発生し,前線を伴った活動が継続しています。なぜこのような現象が起きるのでしょうか?

      北海道の南海上で低気圧が消滅するのは,「500hPaトラフが地上低気圧に追いつき,気圧の谷の軸が鉛直となっているから」ということは理解できるのですが,別の場所で低気圧が発生して,さらに前線の活動が継続する理由がわかりません。

      どなたかご教示願えないでしょうか。

    • #9120
      とうり
      ゲスト

      だんな様、43回実技1は解きごたえのある問題です。何度も解いています。確かに、問5では、急速に発達した低気圧がとりあげられています。まったく、この低気圧の発生については考えていなく、その発生の根拠を考えたことがありませんでした。図6(24時間予想図)、図7・36時間予想図、図8・48時間予想図、には東シナ海に高気圧があって、さらに図12では850hPa・T=12,24ではそれらの位置に尾根があります。しかも等相当温位線が前線につながっています。高気圧が北東進していくことで、ぐいぐいと押しているのでしょうか。発達、最盛につながるのではないか、と考えますが、いかがでしょうか。しかし、私より正確な分析を望みます。ところで、この日曜日の午前4時に(国道31号線が復旧したので)江田島に水や食料をもっていきました。1時間滞在して帰宅。まるで2日間でのことのようでした。現地の人は相当疲れが出ていました。

    • #9122
      あきら
      ゲスト

      だんなさん、おはようございます。
      私もとうりさん同様に新たに発生する低気圧の要因については考察したことがありませんでした。新たな投げかけありがとうございます。
      私なりに考えてみました。簡単のため黄海にあった低気圧を「A」、新たに発生する低気圧を「B」と呼ぶことにします。まず、この問の(1)において「A」に関する24時間後における上層の様子を訊いています。850hPaと500hPaに暖域もしくは暖気核が存在しています。更に850hPaの暖域が36時間後にどこに行ったかを尋ねています。(答えは、北海道の南東海上)この「A」の暖気核は、700hPaの乾燥域、下降流域の回り込みによって消滅するであろう事の予測ができます。
      36時間後の「B」について見ると、同じように850hPaと500hPaの温度場の状況は、「A」と同じように暖域や暖気核が存在していますね。かつ、「B」は、暖気移流、上昇流の領域であり、これから発達するであろう要件が揃っています。
      以上から36時間後以降に「A」は消滅し、「B」が存続して発達するのであろうと考えました。また500hPa渦度においても「B」のところに正渦度の極大域が新たに見られ、この時の「B」の位置は500hPaトラフの前方と見てもよいのではないかと思います。

    • #9123
      あきら
      ゲスト

      書き忘れました。
      とうりさん! すばらしい! 被災地への支援お疲れ様です。

    • #9125
      ひでぼう
      ゲスト

      昔このサイトで大変お世話になりました、通りすがりの者です。
      オホーツク海上にできた新たな低気圧は、最初の低気圧の閉塞が完了して(あとは衰退するのみ)、
      その閉塞点にできた新たな温帯低気圧なのでは?
      閉塞点に新たな低気圧ができたために、低気圧が突然移動するように見えるのは、
      よくあるパターンです。

    • #9127
      あきら
      ゲスト

      ひでぼうさん、
      コメントありがとうございます。私は36時間後の図により解析してみたのですが、24時間後の時点で閉塞点ができており、この閉塞点が24時間後から36時間後にかけて低気圧になるのですね。閉塞点には低気圧を生成するに足る要因が確かに見られますね。

    • #9129
      ウルトラゾーン
      ゲスト

      温帯低気圧の動きを追う問題は、気象予報士試験の中でも最も難しい部類じゃないかとと思います。
      そして、これを見誤るという事は全体の流れを見誤ってしまう恐れがある訳で、その後に続く問題で全て芋づる式に間違ってしまう可能性があるので、合否の分かれ目になるかもしれない気がします。
      そんな訳で私はいつまで経っても絶対の自信を持って試験に臨む事はできなさそうです。
      1問の間違いで合否が決まってしまうような問題の作り方は、果たして知識や技術レベルを見る試験として妥当なのか甚だ疑問に感じるところではありますが、こればかりは仕方がありませんね。

      ところで、なぜこのような現象が起きるのか?の答えにはなっていませんが、複数の温帯低気圧が発生したり消えたりする中で、その動向を追っていくのには、「日々の天気図」などの12時間もしくは6時間毎の地上天気図をある程度の期間まとめてpdfにしたりして、ぐるぐる動かしてみると低気圧の移動する様子がなんとなくわかるようになる気がします。
      温帯低気圧の動きのだいたいの傾向としては、日本の南や大陸から北東へどんどん移動して北向きの速度を上げつつ最後は北海道の北あたりでぐるぐる回っている事が多いようで、その移動の途中も低気圧は回転しており、中心を囲む等圧線の形状が刻々と変化していきます。ある部分は膨らみ(トラフ)、あるものは凹み(リッジ)ができたりしますが、そういった部分が出来ると言う事はそこに何かあるという事です。
      また36時間後の500hPaの高度・渦度では等圧線が正弦曲線に近い素直な曲率ではなく、5160~5320mあたりで見るとわかると思いますが、大きくくびれた形になっています。このくびれがくせ者のような気がします。
      くびれている部分では等渦度線が見るのも嫌になるくらい混み合っているんですが、気を取り直してよく見てみると、渦度線の混み合ったところで、大きな正渦度極大域と大きな負渦度極大域がすぐ近くに存在していて、そこに強風軸があるんじゃないかなと思ったりします。
      ということは、強風軸に沿って正渦度(回転&上昇エネルギーのようなもの)がせっせと運ばれている?

      ちなみにひでぼうさんの言われる閉塞点から新たに発生する低気圧について、どこかで聞いたなぁと思って探したら、先日リンクをどこかのトピックで貼ったこれ↓
      https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/yohkens/23/chapter4.pdf
      の94ページに書いてありました。ご参考までに

    • #9131
      古久根 敦
      ゲスト

      私が受験した回の問題なので思い入れがありますが,受験した時はたまたまこの事例を知っていたので,解けたようなもんでした(^0^;) 非常に有名な事例で,気象庁のHPに災害事例として解説されています.

      スレッドの内容から先に言うと,ひでぼうさんのおっしゃる通り,低気圧Bは低気圧Aの閉塞点で新たに発生した低気圧です.閉塞点の解析は結構難しいですが,一般的には700hPa上昇流の極値や850hPa気温のくさび状でおおよその判断ができます.

      低気圧は閉塞すれば徐々に衰弱していき,地表付近は寒気で覆われますが,この寒気よりもさらに冷たい寒気が流れ込んだり,前面にさらなる暖気があったり,500hPaの正渦度移流が加わったりすれば,再発達したり,閉塞点に新たな低気圧を作ったりします.珍しい現象ではなく,短期予報解説資料でもたびたび「閉塞点に新たな低気圧が発生し」という記載を見かけたりします.

      さて,この問題の難しいところは,温帯低気圧Aの構造が通常の温帯低気圧の構造と違うということです.この事例でもっとも注目すべきは温帯低気圧の構造です.そのように問題が作られています.

      温帯低気圧Aは中心に暖気核を持ち,しかも対称性をもっています.まさに台風の構造に似ています.こんな温帯低気圧があるんだということ.通常の温帯低気圧は寒気核構造&非対称です.温帯低気圧Aは発達段階において,通常の寒気核構造&非対称という性質から,暖気核構造&対称という性質に構造変化をしたのです.なので問2において暖気核をはじめ,暖気の存在を聞いてきています.

      あと,私が受験した時,解いていてしっくりとこなかったことがありました.

      問2で24時間後の前線を作図する問題がありますが,解答用紙にあらかじめかかれている閉塞前線と温暖前線が気にくわなかったのです.

      自分だったら寒冷型閉塞で解析したいのに,解答用紙の前線を見ると温暖型閉塞で解析してねと言われているようなもんです.モヤモヤしていたのを覚えています.

      24時間後,36時間後は特にですが,低気圧A周辺をジロジロと見て,どうしてこの問題が出されているんだろうという疑問も持ちながら,理解していってくださいね.低気圧後面の寒気の状況も見てみてね.

    • #9139
      だんな
      ゲスト

      皆様,ご教示ありがとうございます。

      閉塞前線上に低気圧が発生することがあるとは知りませんでした。
      ウルトラゾーンさんに教えて頂いた「第4章 アジア太平洋地上天気図の標準的な解析手法,p.94 (4)閉塞前線」の説明に上記の一文が確かに記載がありました。
      資料全てに目を通したつもりでしたが,知識として定着しておらず恥ずかしい限りです。

      本事例について,まさか気象庁で災害事例として開設されているとは,これも知りませんでした。
      https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/2012/20120403/20120403.html

      その年の主要な災害がまとめられています。試験問題で必ず題材にされるとは限りませんが,有用な情報ですので,直近2年分は必ず確認したいと思います。古久根さん,情報提供ありがとうございます。

      本事例の温帯低気圧の暖気核構造については,問題を解きながら私も疑問に感じたので調べたことがありますので,情報共有させて頂きます。

      「暖気核隔離の低気圧,著:北畠尚子氏」
      https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2013/2013_03_0052.pdf

      暖気核構造を持つ温帯低気圧は,”非専門家”の間では「台風もどき」と呼ばれているようです。暖気核構造を持つため,温度風の関係から上層よりも下層で最も風速が強くなると説明されています。よろしければご覧下さい。

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