高層風の分布図をみて、暖気移流か寒気移流かを判断する問題があります。
上層に向かって風向の変化が時計回りならば暖気移流、反時計ならば寒気移流と答えるヤツです。
なんだか分からないが、鵜呑みにして覚えている人が多いのではないですか?
そんなことでは、試験会場で度忘れして、時計回りだっけ? 反時計回りだっけ? と悩むことになりますよ。
そこでこんな風に覚えましょう。
『6時から9時まで進む暖気移流、0時から9時まで戻る寒気移流』
日本の上空には、一年中偏西風が吹いています。
偏西風は蛇行するので、西北西や西南西に振れることもありますが、基本的に一年を通して西寄りの風です。
時計の文字盤の中央に自分がいるとすれば、9時の方向から吹いてくる風ですね。
暖気移流とは、温かい風が吹くのですから、地上付近では南よりの風が吹いているのです。
同じく、時計の文字盤の中央に自分がいるとすれば、6時の方向から吹いてくる風です。
地上で6時からの風、上空で9時からの風なら、途中の高さでは7時からの風、8時からの風と繋がるはずです。
6時から9時まで時計の針が進みますね。
これが、高度に連れて風向が時計回りは、暖気移流という原理です。
では、寒気移流について考えてみましょう。
寒気が吹き寄せるのだから、地上では冷たい北風、つまり12時方向からの風です。
上空では、いつも偏西風で9時方向からの風ですから、途中は、11時からの風、10時からの風とつながり、時計の針が9時まで逆回りをします。
これが、高度に連れて風向が反時計回りは寒気移流はの原理です。
立体的に描いてみるとこんな感じです。
暖気は南で6時の風、寒気は北風0時の風。
上空はいつも西で9時の風。
これで、時計回りか、反時計回りか悩むことはありませんね。
実際の問題を紹介しましょう
まず、第XX回実技1問4(2)の問題。
簡単だから分かりますよね。
念のためにヒントの図を描いておきます。
正解は、末尾に記載しておきます。
続いて、第YY回実技1問4(2)の問題
これは、38Nの風向を見れば、一目瞭然ですね。
ヒントなしで、考えてみましょう。
模範解答
第XX回実技1問4(2)
高度が増すにつれて風向が時計回りに変化している。(24字)
暖気移流
第YY回実技1問4(2)
高度が高くなるにつれて、反時計回りに変化している。(25字)
寒気移流
他に、『第ZZ回実技1問4(2)』でも出題されている。