8月のあれこれ

地上天気図と高層天気図の数字の意味が違うよ (2015/08/20)

試験日が10日後に迫ってきました。

今日は、わたしが初心者の頃に勘違いしていた数字のことを書きます。

地上天気図と高層天気図の観測点の記号って似ていますよね。
風向と風力を示す旗竿があって、数字が2つ並んでいます。

さて、これは地上天気図でしょうか、高層天気図でしょうか?
20150820b
この図は、秋田の850hPaの図、すなわち高層天気図です。
北西の風20ノット、気温は-9.5℃です。
風向と風力の旗竿は同じですが、雲量を示す丸印がありませんね、これが高層天気図の特徴です。

地上天気図は、こんな風に雲量を示す丸印があります。
これは、銚子の地上天気図です。
20150820a
北北東の風、20ノット雨、気温6.7℃です。
他にもたくさんの記号や数字がありますが、それぞれの意味は自分で調べてください。

今日のテーマは、左側の数字の意味が違うことをしっかり覚えましょう。
風向と風力は同じで、上の数字は気温ですから地上も高層も同じです。

しかし、下の数字は地上と高層では違うのですよ。

地上天気図では『露点温度』高層天気図では『湿数』を表記しています。
この違いをしっかり認識していないと、訳が分からなくなり、パニックになります。

しっかり覚えておきましょう。
地上の露点温度はしばしば省略されますから、数字がなくても驚かないように。20150820c

銚子では、雨で風が強く、気温が6.7℃で露点温度は5.2℃だから、湿っていることが分かります。
秋田の850hPaでは、湿数が22ですから、非常に乾燥していることが分かります。


竜巻注意情報に注意しましょう (2015/08/18)

昨日、竜巻の回転方向のことを書きましたが、竜巻に関して出題される頻度が高いのが「竜巻注意情報」です。

出題されるポイント
  • 「竜巻注意情報」が単独では発表されることはない。
    必ず、雷注意報を補足する情報として後から発表される。
  • 「竜巻注意情報」の有効期間は、1時間
  • 「竜巻発生頻度ナウキャスト」で発生確度2が現れた地域
    および目撃情報あった地域
  • 「竜巻発生確度ナウキャスト」の分画は10km。
  • 竜巻発生確度2は、厳選してよく当たるけど見逃しが多い
    竜巻発生確度1は、やたらに範囲が広くて見逃しは少ないがハズレが多い

「竜巻注意情報」には変わった特徴があり、それが出題のネタになります。
変わった特徴とは、「竜巻注意情報」は単独でいきなり発表されることがないのです。

一般の注意報などは、前触れなしに発表されます。
しかし、「竜巻注意情報」は、必ず「雷注意報」を補足する情報として後から発表されるのです

20150818a

「竜巻注意情報」の有効期限は発表から1時間

発表条件:
「竜巻発生確度ナウキャスト」で発生確度2が現れた地域」
「目撃情報があった場合」

「竜巻注意情報」始まったのは、2008年(平成20年)3月から。
     ※第31回気象予報士試験以降

「竜巻発生確度ナウキャスト」は、2010年(平成22年)5月から。
※第34回気象予報士試験以降 20150818c

参考資料:
気象庁リーフレットpdf 「竜巻から身を守る~竜巻注意情報~」 0-60


竜巻は左回転とは限らない (2015/08/17)

今日は、全国的に大気が不安定であり、神奈川県・埼玉県・三重県で突風の被害が相継ぎました。

突風被害といいますが、おそらく竜巻だろうと思われます。

あまり出題頻度は高くありませんが、竜巻の回転方向を問う問題がたまにあります

台風クラスの大型の回転では、地球の自転の影響によるコリオリの力が無視できませんから、北半球の台風の回転は反時計回りになります。
南半球では、時計回りです。

ところが、回転半径が小さくなると、コリオリの力よりも遠心力が大きくなるので、回転方向は定められません。

摩擦力を無視すれば、気圧傾度力と遠心力が釣り合って回転していることになります。
このような風を旋衡風と言います。

竜巻は旋衡風とみなされ、回転方向は反時計回りとは限らないのです。

そうは言っても、北半球の竜巻は、反時計回りが多いのも事実です。

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富士山の初雪 (2015/08/16)

今日の話題は、気象予報士の試験には出ません。

この歳(先月66歳になってしまいました)になるまで、富士山に登ったことがありません。
バスで5合目までは行ったことがありますが、山頂まで登ったことがないのです。

世界遺産になり、海外からも沢山の人が来て登っているのだから、日本人としては一度は登っておきたい。

年齢を考えると、少しでも早いほうが良い。
来年、体が動いているかどうか分からないのだから。

そう考えたら、
 「いつ登るの?」  「今でしょ!」
ということになり、急遽、富士登山ツアーに申し込みました。

当然、8月30日の試験が終わってからで、期日は9月8日になりました。
9月10日ころで山小屋が閉まってしまうので、観光客の登山はこの辺で終わりなのです。

ふと、富士山の初雪っていつだろうかと気になって調べてみました。

そもそも、富士山頂では、気象条件によっては一年中のいつ雪が降ってもおかしくないのです。

そうすると、初雪っていつなの? と言う疑問が湧きますよね。
寒候期(10月以降)で決まるのかな?

正解は、「その年の日平均気温が最も高い日以降に降った雪」が初雪です。

例えば、8月3日に最高気温を記録して、8月5日に雪が降ったら初雪ですね。

ところが、思いがけず8月7日に8月3日の気温を上回って最高気温を記録したら、初雪どころか終雪になってしまうのです。

だから、初雪かと思っても、気温の推移を見極めてからでなければ、初雪とは決められないのです。

  • 最も早い初雪は、1963年7月31日
  • 最も遅い記録は、1943年10月16日
  • 平年日は9月14日

しかし、2004年9月30日に富士山測候所が山頂での常駐観測を終了してからは、有人による降雪観測をしていないので、気象庁から富士山の初雪の発表はありません。

その代わりに、甲府地方気象台が地上から観測して富士山の初冠雪の発表しています。

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一日の時間細区分用語をしっかりと (2015/08/15)

天気予報で「今夜は、『夜のはじめ頃』から雨が降るでしょう」なんていうことがあります。

『夜のはじめ頃』とは、18時~21時を指す気象予報用に定められた用語なのです。

一日24時間を3時間毎に8分割して、決まった呼び名があります。

2007年4月から一部が改訂されましたので、古い参考書や古い過去問演習で間違えて覚えないように気をつけてください。

この「一日の時間細区分用語」の出題頻度が、結構高いのです。

一般知識では出題されませんが、専門知識と実技試験では、数回に1回は出題されている印象です。

最も激しかったのは、第41回実技1でしたね。
問5(2)で2問(4点)、問5(3)で3問(3点)、合計7点の配分がありました。

これは、合否への影響が大きいですよ。
覚えてさえいれば、黙って7点がもらえるチャンスなんてそうそうありませんからね。

難しい40字の文章題で正解したって5点しかもらえませんから、そう考えたら7点は大きいでしょう。

語呂合わせ呪文の中でも「未明朝前科夕七」として示しているので、もう一度しっかり確認しておきましょう。

時間区分 用語 (2007年3月まで)
 0時~3時  未明 午前3時頃まで 
  3時~6時  明け方  ←(同じ)
  6時~9時  朝 朝のうち 
  9時~12時  昼前   ←(同じ)
  12時~15時  昼過   ←(同じ)
  15時~18時 夕方 ←(同じ)
  18時~21時 夜のはじめ頃  宵のうち
  21時~24時 夜遅く   ←(同じ)

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対流不安定の実習はこれ!(2015/08/14)

対流不安定って、なかなか概念がつかめないのですが、丁度良い教材を教えましょう。

それは、第38回実技試験1問4(2)(3)です。

絶対安定であるはずの空気層を断熱的に持ち上げると、おやおやいつの間にか不安定になってしまいました。

設問通りに作図をすると、対流不安定の仕組みがよく分かります。

まず、この辺は、まるごと覚えてしまいましょう。

問4(2)[1]相当温位の鉛直分布の特徴:
解答:下層ほど相当温位が高い(上層ほど相当温位が低い)
その特徴から判断されるこの層の成層状態を答えよ:対流不安定

続く、問3は、下層にある逆転層を100hPaほど持ち上げるようにする作図問題です。
問題文の指示に従ってきちんと作図をすると、絶対安定である逆転層が、不安定層に変わってしまうというマジックを体験できます。

下手な参考書を見ても、「対流不安定」の概念はなかなか理解できないのですが、ぜひこの問題にじっくり取り組んでみてください。

対流不安定については、一般気象学[第2版]75ページにも記載されています。

一般知識、専門知識、実技試験に共通して取り上げられるテーマなので、しっかり身に付けておきましょう。
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弁当を持って行きましょう (2015/08/12)

今週末かと思っていたら、第44回気象予報士試験の受験票が早くも届きました。

わたしは今回も、安倍首相の母校である成蹊大学です。
同じ試験会場で3回連続なので、道に迷うことはありません。

「二度あることは三度ある」というので、また落第しそうです。
いやいや「三度目の正直」とも言いますから、今度こそかもしれません。

さて、今日のお知らせは、「弁当を持って行こう」です。

実技一本の方は、昼食を済ませてから試験会場に入れば良いのですが、学科も受験される方は、お昼を挟むことになります。

特に、専門知識を受験される人は、昼休みが55分しかありません。
規定では65分ですが、10分前に着席しなさいと指定されているので、実質的には55分なのです。

試験会場によって事情は異なりますが、会場の外にぶらぶら出かけてレストラン等に入ったら時間ギリギリか下手をすると間に合わないかもしれません。
その他に、お手洗いに行ったりしていると、時間が足りなくなります。

20150812a

だから、「弁当を持って行きましょう」という提案です。

試験会場は、食事スペースとして開放されますので、その場で食べることが出来ますから、弁当を持っていけば落ち着いて食べることが出来ます。

弁当と書きましたが、自作のランチボックスでなくてもいいんですよ。
サンドイッチやコンビニのおにぎり、あるいは弁当屋のボックスでも良いし、ポットにお湯を持っていけば、カップ麺でも構いません。

いや、カップ麺はやめましょう。
こぼしたら大変なことになるし、匂いも強いので、他の受験者に迷惑ですからね。

特に初めての方は、必ず弁当を持って行くことをお勧めします。
一般知識と専門知識の試験を終えた後で、ふらふらと外に出て行ってもろくなことがありません。
自席で、ゆっくり腹ごしらえをして、午後の戦いに望むべきです。

受験票と弁当を忘れずに。
あと、飲み物も!
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勿論アルコール類は禁止です。

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消しゴムを選びましょう (2015/08/09)

皆さん、こんにちは。

北上大です。

毎日暑いですね。
台風が巻き上げた南海の熱い空気を日本上空にいる高気圧が取り込んで、日本中に熱気を振り撒くという構造でしたが、それも少し、治まってきました。

お盆明けには、いよいよ受験票が送付されて来て、まさに臨戦態勢に入ります。

さて、今日は、消しゴムのお話です。

実技試験では、30字とか40字とかの、文字数指定の解答を書いて、字数が合わなくなり全部消して書き直しのシーンが結構ありますね。

少なくとも、わたしは頻繁にあります。
全体を書き終えてから読みなおしてみると、重要なキーワードが抜けていたり、単純な誤字なら一文字を消せば済みますが、字数が異なる単語を間違えていると、全文章を消して書き換える羽目になります。

だから、消しゴムの性能が結構重要なのです。

一般的な、例えば「トンボMONO」を使っている人も多いと思います。

わたしは、次回の試験では「練り消し」という美術用の消しゴムを使おうと思っていました。

ところが、今日、文房具屋さんを眺めて知ったことなのですが、消しゴムも最近急に進歩して、用途に応じていろいろな種類が開発されているのですね。

文房具屋さんの主の話を聞きながら、コクヨ、ぺんてるなどから、良さそうな消しゴム新製品を3つ買ってきました。
試してみると、それぞれに、今まで使っていた消しゴムとは性能がまるで違います。

そんな中で、皆さんにおすすめしたいのがこれです。
コクヨ、プラスチック消しゴム<リサーレ>プレミアムタイプ

標準的な消しゴムである「トンボMONO」と比べると、少し柔らかくて、軽い力で広い面積を綺麗に消すことが出来ます。

実際に使ってみると、こんなに性能が違うのかと、びっくりすると思いますよ。
ぜひ、128円を投資して、試してみてください。

実技試験は時間との戦いになりますから、消しゴムの性能は馬鹿になりません。

百均の3個108円と比べると高いですが、合格するか落ちるかの瀬戸際だと思ったら、清水の舞台から飛び降りるつもりで128円を出しましょうよ。

『プラスチック消しゴム<リサーレ>』には、いくつか種類がありますが「プレミアムタイプ」ですよ。
間違えないようにね。

上の画像は、楽天の通信販売のスタイルになっていますが、通販でなくても近所の文房具屋さんで扱っていると思います。

また、このシリーズは、白のほか、黒、ピンク、ブルー、バイオレット、オレンジ、グリーンととてもカラフルですから、選ぶのもちょっと楽しいですよ。

別に、コクヨの回し者ではないけど、消しゴムの紹介でした。

では、あと3週間、気を引き締めていきましょう。

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