低気圧の進行方向(16方位)の読み取り方

16方位角度の読み取り方

ちーちゃんからの質問ですが、同じように間違える人がいると思うので、シェアします。

低気圧の移動方向を矢印から読み取る問題ですが、南東と答えてしまいました。
正解は東南東です。
角度をしっかり読み取るやり方はありますか?

一般論ですが、女性は『図形認識』や『空間認識』があまり得意でない人が、男性よりも多いようですね。

第43回の試験から、分度器の持ち込みが禁止されていますので、図形認識能力を高める努力をするしかありません。

例えば、こんな問題です。

下図で山東半島沖にある低気圧の進行方向を、16方位で答えよ。

20160808a

この問題では注意すべき点が、2つあります。

  • 経度線と緯度線が傾いている
  • 矢印が太くて短い

経度線と緯度線が傾いているケース

よくある問題ですが、東経140度から東西に離れると、経度線も緯度線も傾いています
それを考慮しないで、垂直のスケールで読むと角度を勘違いします。

例えば、こんな具合です。

20160808b

無意味な補助線を引いて、誤りを強調してみました。

経度線と緯度線の傾きを考慮しないで、上の図を読み取ると、こんな間違いを犯してしまいます。

これを見ると、進行方向は「南東」と答えてしまいますが、間違いです。

矢印を延長してみよう

一般に、天気図上で示される矢印は、この低気圧の進行方向に限らず、風の矢羽の方向、波向など、どれも短い表示ばかりです。

矢印が短いと誤認識を生みやすいので、迷ったら補助線を引くことを提案します。

単純に、矢印線を伸ばすだけでも、認識率はかなり改善されます。

20160808e

上の短い矢印では、明確な方向が分かりにくですね。

ところが、下のように同じ方向でも矢印の線を長くすることによって、角度違いがしっかりと認識されるようになります。

補助線をたった1本引いてみるだけでも、これだけ改善されます。

矢印を斜辺とする直角三角形を描くとはっきり分かる

補助線を延長することで、角度認識度合いはかなり改善されますが、もっと確実な方法があります。

矢印を延長して、直角三角形を描いてみるのです。

20160808d

短い矢印を適当に伸ばして、垂直線と水平線を書き込むと、赤い三角形が表れますね。

これによって、角度の違いが三角形の辺の長さとして表現されます。

南東、北東などの8方位であれば、直角二等辺三角形になります。
三角定規の小さい方の形ですから、よく知っていますよね。

直角二等辺三角形に当てはまらなければ、8方位ではないと判断できます。
8方位でなければ、北北東とか南南西とかの16方位になります。

最初の問題に三角形を描いてみたら

一番上の図の矢印を延長して、周囲の経度線と緯度線の傾きに倣って、三角形を描いてみました。

20160808c

ここまで明確にしたら、『東南東』と答えられますね。

2177014

線を3本引くだけで
きみは僕のとりこさ

小難しく理屈を述べましたが、直線を3本引くだけなので時間はかかりません。
少しでも迷ったら、試してみることをおすすめします。

ここでは、分かりやすいように「赤い三角形」を描きましたが、実際の試験会場で色を付ける必要はありませんよ。

鉛筆で薄く直線を引くだけです。

邪魔になるようなら、あとで消しても構いません。

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