丸囲み数字は、機種によっては文字化けするので[1][2]を使います。
第49回気象予報士試験 実技1 問2(1)
問題の主旨を箇条書きにすると次の3点です。
- 湿度の違いを述べよ
- 逆転層とその高度に着目
- 55字程度で述べよ
この観点で、チンタオと鹿児島の状態曲線を見てみましょう。
チンタオ
湿度は、全層で乾燥しています。
逆転層はありません。
鹿児島
明確な逆転層があります。
逆転層の高さは、620hPaでしょうか。
逆転層から下は湿潤です。
解答文
上記の状況をそのまま書けば良いのです。
チンタオでは全層で乾燥しており、鹿児島では620hPa付近に逆転層があり、その下では湿潤である。(48字)
記載すべき要求事項はすべて書いたと思うのですが、55字の指定に対して7文字足りません。
何が足りないのか思いつきません。
模範解答を見ると、チンタオの乾燥に『ほぼ』、鹿児島の湿潤にも『ほぼ』と『地表から』を付記していますが、これらが絶対に必要なのでしょうか。
6点の配点ですが、こんなことで減点されるのかな。
ワカンナイ(*´ェ`*)ゞ
第49回気象予報士試験 実技1 問2(2)
SSIの作図手順はこの記事をご覧ください。
[1]
SSIの作図の基本ルールは、850hPaからスタートして、断熱的に500hPaまで上昇させるラインです。
チンタオと鹿児島の作図結果を示します。
鹿児島
説明のために、図の中の測定温度を記入しましたが、このように個別に数字を読むと小数点以下の誤差が拡大したり、単純な計算ミスの可能性があります。
ですから、実際の試験会場では、寸法をデバイダで取って、下辺の温度スケールで読み取るのが良いでしょう。小数点誤差やつまらない計算ミスが防げます。
それぞれ、図に示した数字を再掲するとこうなりました。
鹿児島 指数A=20℃、 指数B=1℃
チンタオは模範解答ピッタリでしたが、鹿児島は1℃ずれていました。
しかし、正解の許容範囲でしたので一安心。
[2]
ショワルター安定指数の評価は、次のようになっています。
ショワルター安定指数値 | 予想される気象現象 |
---|---|
+3以上 | 雷雨の可能性は低い |
+1~+3 | 弱い雷雨があるかもしれない 激しい雷雨は予想されない |
-3~0 | 激しい雷雨があるかもしれない |
-6~ー4 | 激しい雷雨が予想される |
-6以下 | 猛烈な雷雨が起こる可能性が高い |
鹿児島の指数A(SSI)は20℃なので、大気は安定しているので『雷雨の可能性はひくい』です。
逆に指数Bは1℃ですから、大気はやや不安定です。
ここで、問題の趣旨を確認しておきましょう。
- 九州付近に広がる降水予想と対応が良くないのは指標Aか指標Bか
- その理由を図4(状態曲線)に基づいて答えよ
- 図4では(1)「鹿児島では620hPa付近に逆転層があり、その下では湿潤である」に着目しなさい
九州付近では、こんな風に降水が予想されています。
指数Aでは大気は安定だと判断します。⇒雨が降るはずがない
指数Bでは大気はやや不安定だと判断します。⇒雨が降るかもしれない
どちらが対応が良くないかと問われれば、当然に『指数A』でしょうね。
と判断しているのに、
雨が降ると予想しているのだから
『対応が悪い』
というしかないでしょう。
対応が良くない理由は、620hPa付近の逆転層によって、上層が乾燥したので500hPaのSSIでは正しい湿潤情報が表現できていないからです。
これを45字にまとめればよいのですが、過去に例がない問題だから表現に迷いますね。
こんな風に書いてみましたがどうでしょうか。
620hPa付近の逆転層より上層では乾燥しているので、正しい湿潤情報が表現できないため。(44字)
模範解答とは微妙に表現が違うけれども、言いたいことは同じなので、おそらく点数はもらえると思います。
[3]
これは、湿潤情報がきちんと表現できる高さという意味だから、誰が考えたって『逆転層』しかないでしょう。
って、模範解答を見たら『逆転層の下端』だって。
『下端』をつけないと減点されるのだろうか?ビミョ~