第43回気象予報士試験 実技1 問3(1)
グラフから最大風速値を読み取る問題です。
紛れがなく、簡単な問題ですから、確実に得点につなげましょう。
まず伊良湖です。
風速が一番大きいところは、一目朗然ですね。
数値は、14.3m/sくらいですが小数点は繰り上げるので、「15m/s」になります。
発現日時は、「3日16時」です。
続いて飛島ですが、同じことです。
最大風速は「39m/s」で、発現日時は「4日2時」です。
これは簡単でしたね。
第43回気象予報士試験 実技1 問3(2)
最大風速が低気圧のどの部分がどんな位置関係にあるときに発言したかを25字、20字でかけという問題です。
この問題の時系列では、「初期時刻から何時間後」を標準時刻として用いていきました。
伊良湖と飛島の日時を、何時間後に換算しましょう。
以前から、実技試験の最初に日付と時刻をメモしましょうと言っていますが、こんな問題で役に立ちます。
00 hr 4/2 21時
12 hr 4/3 09時
24 hr 4/3 21時
36 hr 4/4 09時
48 hr 4/4 21時
伊良湖は、3日16時なので、19時間後,
飛島は、4日2時なので、29時間後です。
実際には、こんなにきれいに書くはずはなく、問題用紙の隅に、こんなふうにメモするだけです。
実技試験の習慣として、このメモをお勧めします。
とにかく、これで時間が分かりました。
伊良湖では、3日16時に最大風速を記録した1時間後の17時まで気温が上昇して、18時から急激に気温が低下しています。
同時に、風向が南南西から西北西に急変しています。
気温が低下して風向が南西よりから北西より急変するのは、寒冷前線が通過した時です。
グラフからは、17時から18時の間に寒冷前線が通過したと推定できます。
では、図で確認してみましょう。
伊良湖を寒冷前線が通過したのは、20時間後と見られます。
20時間後は、3日の17時ですから、移動図からの解析と、グラフの解析が一致しました。
伊良湖で風速が最大になったのは、寒冷前線通貨の1時間前だったと推定できます。
これを25字で表現するとこうなりました。
「北側を東進する低気圧に伴う寒冷前線が通過する直前。」(25字)
模範解答は
「寒冷前線が伊良湖のすぐ西に接近しているとき。」(21字)
状況としては、まったく同じことを言っているのですが、表現が違います。
最も気になるのは、『伊良湖』の地名をわざわざ入れなければならないのかという点ですね。
限られた文字数で表現するときに、わかりきった「伊良湖」が重要なキーワードになるとは思えないのですが。
こんなことを言っているから、いつまでも合格できないのだろうな。
続いて、飛島のグラフを見ると、最大風速は39m/sまで強くなっており、前線レベルではなく、低気圧本体の強風と考えるべきです。
最大風速の前後では、風向の変化や気温の変化は観察されていませんから、前線ではないと判断します。
飛島で最大風速を観察したの4日2時は29時間後です。
この時間が、低気圧の進路に最も近い位置であることが、進行図から読み取ることができます。
つまり、飛島で最大風速を発現したのは、低気圧中止が最も接近した時です。
この状況を20字で表現した。
「北側を通過する低気圧中心が最も接近した時。」(21字)
模範解答は
「日本海の低気圧が飛島に最接近している時」(20字)
これもまったく同じ現象を書いているのですが、またしても『飛島』をキーワードにしているようです。
もしも、「飛島」の記載が重要なポイントであれば、北上大の解答ではかなり減点されるかもしれない。
そうではないことを祈りたいです。
動画解説
同じことしか言っていませんが、動画解説もご覧ください。
1.5倍速に編集してあるので、早口です。
模範解答