第43回気象予報士試験 実技2 問3
丸囲み数字は、機種によっては文字化けするので[1][2]を使います。
低気圧の発生から発達における気象条件の特徴をまとめている問題ですね。
文字数が30字~50字と長文です。
[1] 雲分布
この問題に関しては、わたしはほとんど分からなかったので、模範解答を追従して、筋道が分かるように解説していきます。
模範解答 「四国の南海上に周囲より明るいまとまった雲域がみられる。」(27字)
問題になっている低気圧の位置と、この衛星写真の時間のズレを考慮して、場所を特定しないと正解には辿りつけません。
問題になっている低気圧の海域は、上の図の水色の円の辺りですが、この衛星写真はその6時間前のものです。
この周辺の低気圧の移動速度は東北東に20ノットですから、6時間で120海里進むことになります。
20ノット×6hr=120NM
すると、問題で問われている雲域は、水色の丸から120海里ほど西南西の方向にありますから、黄色の丸印の辺りになります。
これで、ようやく、模範解答にあるように、周囲より明るいまとまった雲域がみつかりました。
[2] 850hPaの温度場
低気圧が発生する時の温度場の特徴は、中心付近の温度傾度が大きいことです。
それに加えて、低気圧が成長するためには、前面が暖気場になっている必要がありますので、そのような特徴を探しましょう。
模範解答 「東海地方の沿岸付近で気温の水平傾度が大きく、12時間後に伊豆諸島付近で等温線が北に凸の形になる。」(50字)
上の図では、水色の丸印が、問題の低気圧中心の位置です。
赤丸を付けた辺りの等温線が混んでいるので、「気温の水平傾度が大きい」ことになります。
また、12時間後に伊豆諸島付近で、等温線が北に凸であることは、暖気移流を示しているものと判断出来ます。
どちらも、低気圧が発達する要素です。
[3] 700hPaの鉛直流と湿数の場
低気圧が発達するためには、低気圧前面の上昇流と湿潤域が必要です。
この条件を探すと、容易にみつかります。
模範解答 「初期時刻に四国の南にある上昇流域が、12時間後には伊豆諸島付近に進んで強まり、かつその付近が湿潤となっている。」(55字)
これは、模範解答をみた通りの図ですね。
だけど、短時間で、模範解答のようなきれいに文章にまとめられるかどうかが、実際の試験会場での問題点です。
[4] 500hPa高度と渦度の場
模範解答 「東海道沖ではトラフの接近により正渦度移流が大きくなる。」(27字)