10ノットで一日走れば緯度4度
語呂合わせでもなんでもなく、文字通りそのままの意味です。
一日24時間走れば緯度4度ですから、半日の12時間なら緯度2度ですね。
20ノットで一日走れば、2倍の緯度8度になります。
10ノットで一日走れば緯度4度
これを覚えておけば、天気図上の長さをを見て、おおよその速度の概念が身につきます。
唐突ですが、スイカの切り方には、豪華だが食べにくい「経度線切り」と、地味だが実用的で食べやすい「緯度線切り」とがあります。
あ、『経度線切り』と『緯度線切り』は、北上大が勝手につけた名前なので、一般には通用しませんよ。
『経度線切り』はスイカを縦割りにして、黒い縞模様に沿って分割します。
三日月型の大きな切片にかぶりつくのは、なかなか豪快で気分が良いものです。
だけど、端は細いから食べやすいのですが、中央部分は身が厚いので口を大きく開かないと食べにくい問題があります。
もう一方の『緯度線切り』は地味ですが、どこをかじっても同じ厚さなので、とても食べやすいです。
地球儀を経度線と緯度線で切ってみる
さて、いきなりスイカの切り方からはじめましたが、最初に地球儀の緯度線と経度線の特徴を確認したかったのです。
地球の「経度線間隔」は、場所によって長さが違います。
極端な話ですが、日本列島がすっぽり収まる東経130度から140度の距離が、北極点や南極点に行けば手のひらサイズで、わずか10センチ以下になります。
横向きの「緯度間距離」は、地球上のどこでも同じなのです。
これが、緯度切りスイカが食べやすい理屈付けになっています。
緯度1度間の距離は60海里
さて、緯度線の決め方(定義)によって、緯度1度間の距離は60海里と決められています。
例えば、北緯39°(酒田市付近)と北緯40°(秋田市付近)の距離は、60海里(111km)です。
ですから、距離スケールが与えられていない天気図で距離を推定する場合は、緯度間距離を応用するのが常套手段なのです。
速度計算の基本
さて、天気図の画像から移動速度を計算させる問題がしばしば出題されています。
例えば、こんな問題です。
『次の図で、13日9時から13日21時までの台風の予測移動速度を5ノット刻みで答えよ。』
この問題は、通常は次のように解きます。
出題の長さをデバイダでとり、経度線上に移動して、緯度間距離を計算します。
上の図では、オレンジ色の矢印は緯度間で6°だと判断します。
距離は、6°x60海里=360海里ですね。
天気図で使われる速度の単位は、通常は『ノット』です。
【ノット=海里/hr】
緯度間6°は360海里で、これを12時間で移動するのですから、
360海里/12時間=30ノット
勿論これで良いのですが、見た瞬間におおよその速度が分かる呪文を教えます。
10ノットで一日走れば緯度4度
文字通りの意味です。
一日24時間で4度進んだら10ノットだということです。
半日の12時間で4度進んだら、20ノットです。
この問題では、半日で6度進んでいますから、30ノットになるわけです。
詳細な計算をしなくても、台風や低気圧の進路予想から、大体の速度が見えてくるくらいに場馴れしておくと、つまらない桁間違いの計算ミスをなくすことが出来ますよ。