アンサンブル平均

はじめに フォーラム めざてん掲示板1 アンサンブル平均

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    • #8776
      とうり
      ゲスト

      皆様、2月から4ヶ月、主に、実技を月ごとの実例を集中にして学習。その間、専門知識をテーマごとに、そして一日一問のWEBを解いています。ついに、49回の専門知識にとりかかりました。2択からは解放され、即答で回答できるようになりました。しかし、問4と問5には、どうしても解が得られません。ご教示ください。問4では、(a)アンサンブル平均を取ることにより、気温や高度場の予報の系統的な誤差を減少した。答は誤。しかし、平成15年の論文(136号)では、「過去のデータを利用してこの系統的な誤差を見積り、補正したものを提供」ということで、正答に見えます。さらに、問5では、(c)予報の精度が低い。正。しかし、この掲示板の「アンサンブル予報等の出題例」にみるように、「予報の信頼度」を論じているので、誤、に思えます。なかなか、専門知識を突破できないので、ご指導お願いします。

    • #8778
      ウルトラゾーン
      ゲスト

      こういった文章の正誤問題は、ひとつの単語毎に検証していく必要がありますよね。

      私は、そう言えば49回の学科試験全然見てませんでした(^_^;)
      という訳で早速ダウンロードして確認してみました。

      問4の(a)の文章
      少しづつ異なる初期値を多数用意して多数の予報を行うアンサンブル予報の手法を導入し、予報結果のアンサンブル平均を取ることにより、気温や高度場の予報の系統的な誤差が減少した。

      ここで、途中までは正しいように思います。
      最後の1文の「系統的誤差が減少」が、やはりおかしい気がしますね。

      系統的誤差は、同じ条件の元で測定・観測を行った時に規則的に生じる誤差、一定の傾向を持った誤差の事で、テキストなどには例として、地形による誤差(たとえば、ある場所では山の影響で計算値よりも風速が5m/s速く、風向も北に20度ズレてしまうといった)がよく挙がっています。
      この系統的誤差はアンサンブル予報に限らずある程度補正可能なので、アンサンブル予報以外でも行っているはずで、アンサンブル予報が導入された事により改良されたというのは間違いだとわかります。(15年の論文で、系統的な誤差を見積り、補正したものを提供しているのは、アンサンブル予報だけでなく、その他の予報についても提供しているので、アンサンブル予報の導入により系統的誤差が減少したわけではないと思います)

      系統的誤差に対する誤差としてウィキペディアなどには、偶然誤差というのが載っています。これはその名の通り予想できない偶然により発生する誤差で、補正は不可能だと思われます。
      テキストなどにはランダム誤差(海面の波しぶきや、空に鳥の群れが飛んでいたなどランダムに発生するもの)と書いてあり、偶然誤差とだいたい同じような意味合いかと思いますが、これに加えて、計算上発生してしまうカオス的な変動も含めて、アンサンブル予報をする事により、大数の法則のように統計的に予想しているといった認識です。
      ※大数の法則とは、サイコロで1の目が出る確率は1/6ですが、1回サイコロを振っただけでは0%か100%しかありません。でもサイコロを振る回数を無限に多くする事によって、1の目が出る確率は限りなく1/6に近づいていくというギャンブルでよく議論される法則です。(確率・統計自体が元はギャンブルから発展したらしいですが)

      つぎに
      問5の(c)の文章
      週間アンサンブル予報結果のスプレッドが大きい場合は、小さい場合に比べて一般に予報の精度が低い

      これは単純に結果のバラツキが大きい(スプレッドが大きい)ので予報精度は低い。と考えればよいと思うんですが、「アンサンブル予報等の出題例」ってのはどれですか?探してみたけど見つからなかったです。

      いちおう補足として、スプレッドが大きい予報と小さい予報の2つがあったとして、それぞれの平均を取ると同じ値になったとします。この場合はスプレッドの小さい予報の方が精度よく予報されていると言えるのではないでしょうか?
      逆にスプレッドが小さいのに精度の悪い予報ってあるのかな?と考えてみると、初期値の設定の仕方が悪かったとか、系統的誤差が除去しきれておらず偏った予報になってしまったとか、思いつきましたが、これは特殊な例であって一般の例ではないかと思います。
      なので、問題文で注目すべきは「一般に」じゃないでしょうか?
      もしも「スプレッドが大きい場合は、小さい場合に比べて予報の精度が低い」となっていたら誤りと言ってもいいかなぁ

    • #8779
      とうり
      ゲスト

      ウルトラゾーン様、早速ありがとうございます。専門知識の誤答から抜け出せないのは、このような問題です。図があれば、必ずどこかに図があるので、正答できます。数値予報では、このアンサンブル予測は克服できません。問4、「この系統的誤差はアンサンブル予報に限らずある程度補正可能なので、アンサンブル予報以外でも行っているはずで」のあとの、「アンサンブル予報が導入された事により改良されたというのは間違いだとわかります」ということですか。この部分を読み飛ばしていました。確かに、「山の影響」のような系統的な誤差ではないですね。結局、メンバー間の誤差の軽減を打ち消すことになる、系統的な誤差ではなく。問5では、ここの掲示板での、北上大様の「アンサンブル平均等の出題例」ですが、「信頼度」にはもうすこしこだわりたいです。ウルトラゾーン様、私は、専門知識は、ここから、抜け出せないのです。さらにアドバイスを。それで、もう少し、皆様、ご教示ください。

    • #8780
      とうり
      ゲスト

      ウルトラゾーン様、ふたたび。2015年の「第12回天気予報研究会の開催報告」(天気、62.8)の高山大氏の回答では「スプレッドはその日のメンバー間のバラツキの大きさを表しており、一般には(ご指摘の、引用者注)バラツキが大きいと予報の確度(引用者注、精度ではない)が下がって信頼はひくくなる。(略)スプレッドの大きさに密接にリンクしているわけではない」とあります。ここから、一般に、が文章の導く方向をさしているようです。「確度」と「精度」、信頼度(A,B,C)、私はこのあたりをまだうろうろしています。ぜひ、ご指導をおねがいします。

    • #8782
      ウルトラゾーン
      ゲスト

      まず初めに
      今まで私が気象予報士試験の勉強の過程で、いろんなテキストやネットの情報、講義などを聴いたりして感じた事は、人によってそれぞれ説明や表現に微妙なニュアンスの違いというか、癖があったりする事です。
      さすがに他と全然違う事を言っていると感じるものはほとんどないんですけど、その微妙な表現の違いというのがなんとなく引っかかって、今まで学んできた知識との間に違和感というものを感じてしまい、しかもその違和感・モヤモヤ感の原因をはっきり自分で説明できないという事が度々ありまして、そこが困ったちゃんなのであります。
      実際の試験問題にすら、そういった感じを抱いてしまう事がよくありますよね?
      しかし我々はまだまだ学ぶ身ですから、全てを謙虚に受け取りつつ自分の中で取捨選択・優先度をつけて学んでいかなければなりません。
      何を言っているのか、自分でもよくわからなくなってきましたが、私が違和感をほとんど感じることなくちゃんと解説してくれていると感じるのは、一般気象学の小倉先生と、この掲示板に登場される古久根様ですかねぇ(なんか上から目線みたいですいません(^_^;))

      さて本題に戻って、
      「確度」、「精度」、信頼度(A,B,C)ですが
      確度をそのまま優しい言葉でおきかえると、「正確さ」かなぁー?と思ったんですが、ウィキペディアに「正確度と精度」というのが載っていました(ウィキペディアが常に正しいとは限らないんですけど)
      これによると、
      ■正確度(せいかくど、英語:accuracy)とは、その値が「真値」に近い値であることを示す尺度である。系統誤差の小ささを言う。(確度とも呼ぶ。)
      ■精度(せいど、英語:precision)とは、その複数回の値(複数回の測定または計算の結果)の間での互のばらつきの小ささの尺度である。偶然誤差の小ささを言う。(精密度(せいみつど)、再現性とも呼ばれる。)

      ↑これって、まさにアンサンブル予報の事を言っているようじゃないですか?(逆にアンサンブル予報の手法自体が、なにも気象分野だけでなく科学・工学・産業などで統計的手法として一般的に使われているいう事ですが)

      そして
      ★計算や測定の結果は正確度は高くても精度が低いこともあるし、逆に精度が高いが正確度が低いこともある(もちろんどちらも高い場合もどちらも低い場合もある)。正確かつ高精度な「結果」を有効あるいは妥当であるという。正確度と精度を同時に高めることは可能である。例えば、矢が全て的の中心を射た場合、それらは全て真の値に近く(正確度)、かつ互いに近い(精度)。統計学では「誤差」と「偏り」という用語を用いる。

      「確度」と「精度」を個別に検索すると、確からしさと言っていたり、測定の誤差の限界値と言っていたり、ほぼ同じような意味が書いてあったり、厳密に区分されて使われていない場合もあるようではありますが、上のウィキペディアの解説が妥当というか合点がいくという感じがします。

      信頼度については、メンバーのバラツキが主に関係しているのではないかと思います。
      メンバーのバラツキが小さければ正規分布のグラフの山が高くなり標準偏差が小さくなり、中央値に近い数値となる確率が高くなり、信頼度は上がる(初期値や計算式のパラメータなどにおかしいところがなければ)
      。逆に予報期間における中上層の偏西風の流れが複雑でどのようなスピードで動いてくるのか予測が難しかったり、太平洋高気圧の張り出しがいまいち予測不可能だったりして(←適当に思いつくまま書いてます)、不確定要因が多ければメンバーのばらつきが大きく、正規分布のグラフの山はだだっぴろく低い山となり、標準偏差は大きくなり、中央値から離れた数値となる確率が高くなり、信頼度は下がる。
      といったところじゃないでしょうか?

      なんか、言葉にするのが難しいので思いつくまま適当に書いてしまいました。いつも長くなって読みにくい文章ですいません(^_^;)

    • #8785
      とうり
      ゲスト

      ウルトラゾーン様、気象庁による「アンサンブル予報とは、(略)複数の数値予報の結果を平均(アンサンブル平均)することにより、一つ一つの数値予報結果に含まれる誤差(予測の不確実性が高い部分)同士が打ち消しあって平均的な大気の状態の予測精度を上げる(略) また、複数の予報を行うことで、それぞれが同じような状態を予測していれば、その状態が発生する可能性が高いと判断でき、逆にぞれぞれがバラバラの状態を予測していれば、予測精度が低い」に沿って、問題を解くことに専念します。なぜか、問題が解けそうです。ウルトラゾーン様、ありがとうございます。今までの考え方、とても参考になります。

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