「鉛直p速度」とは誰が名付けたのか知らないけれど、あまりセンスのなるネーミングではありませんね。
普通の日本語で表現すれば「気圧変化率」というところが妥当でしょう。
単位は「hPa/h」ですから、 1時間当たりの気圧の変化率そのものです。
700hPaの鉛直p速度が、高層天気図に描かれて実技試験に出題されます。
・正(+)の値は上昇流だっけ、下降流だっけ
・負(-)の値は上昇流だっけ、下降流だっけ
要するに、どちらが上昇流で、どちらが下降流かの判断ですね。
鉛直p速度は、この図のイメージで覚えましょう。
気圧とは、単位面積にかかる空気の重さですよね。
実際の空気が袋に入っているわけではありませんが、イメージとして、袋に詰められた空気(hPa)が秤の上に落ちてくると考えてみましょう。
下降流の時には袋がどんどん落ちてくるので、秤の針はプラスの方向に動き、気圧が高くなるイメージです。
1時間でhPaの袋が8個落ちてきたら、+8hPa/hになります。
逆に、上昇流の時には空気の袋が吸い上げられて、秤の針はマイナスの方向に動くので、気圧は低下します。
1時間で hPaの袋が6個上がっていったら、-6hPa/hということになります。
この図を思い出せば、鉛直p速度が「正」の値なら下降流、「負」の値なら上昇流だと理解できますね。
「鉛直ピーは気圧の変化、下降流なら重くなり、上昇流なら軽くなる」
この「応援呪文」を忘れたとしても、秤の上に空気のhPaの袋が増えるか減るかをイメージすれば、上昇流か下降流かを迷うことはありません。
ただし、くれぐれもこの図は上昇流か下降流かをイメージするための模式図であり、実際の気圧は連続した空気の重さなのでこんなことにはなりませんので、その点は勘違いしないでください。