層状性の雲の中に、とても薄くてエコー強度の強い領域が現れることがあります。
・上層で雪が落下している
↓ (高度が下がると表面が溶けはじめる)
・雪の表面が溶けて水滴に覆われる
↓
・0℃付近の層で通常の水滴よりも面積が大きくなる
(レーダーエコーが強い)
↓
・ 完全に溶けて雨粒になって地表に落ちる |
薄い層に、レーダー波が旋廻しながら当たるので、雪と雨の境界層だけで、リング状か円弧状のエコー画像が得られます。
原理を模式的に描写すればこんな感じです。
見てきたようなことを言っていますが、おそらくこうなっているはずです。
リング状のエコーがブライトバンドは分かったけど、完全な円形にならない円弧状ってなんでしょう。
レーダーサイトの上空がすべて層状雲で覆われていればリング状のブライトバンドになりますが、例えば東側半分が層状雲で、西側には雲がなかったらどうなるでしょうか。
そうですね、雲がある部分だけの半分のブライトバンドが出来ます。
雲がないところや、温度分布の関係で雪が溶けない領域ならブライトバンドは発生しません。
一般に、リング状に輝いたエコーがあれば、ブライトバンドと判断できます。
雪が溶けて雨になる瞬間ですから、気温はほぼ0℃とみなすことが出来ます。
ブライトバンドは層状性の雲の中に現れるのが特徴です。
逆に言えば、対流性の雲では現れないことを、しっかりと頭に入れておいてください。
引っ掛け問題として、対流雲中の円弧状のエコーが出題されたことがあるので、騙されないように注意しましょう。
この場合は、地形などが関与してたまたま円弧状のエコーが現れただけで、ブライトバンドではありません。
有名な例題を示しておきます。第36回専門知識 問3です。
(b)の選択肢は、当然『ブライトバンド』です。
その他の選択肢の解説は第36回専門問3解説をご覧ください。
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