第50回気象予報士試験 実技2 問3(1)
難しい問題ではないので、ひとつづつ片付けて行きましょう。
①『西』進 ②『25』mm
下図をご覧ください。
①の降水帯についてはほとんど停滞していますが、あえて方向を問われれば、降水極大点が若干西に移動するようなので8方位なら『西』進と答えるのでしょうね。
4日9時の地上天気図における降水域です。
⑥北端が北緯『38』°に達し
下図を見れば明らかですね。
⑤は8方位の指定で北東です。
⑧『帯』状になった。
気象庁のサイトを見ると日本付近の海域名が示されています。
気象用語では、こんなときは『帯状』と言いますね。
第50回気象予報士試験 実技2 問3(2)
3日9時と3日21時の雲域について、雲の種類や厚みに着目して相違点を40字で。
3日9時の雲は、グレーで薄暗いので、下層雲で雲の厚さは薄いことが分かります。
3日21時の雲は、白いので輝度温度が低く上層雲が含まれて雲域の厚さが厚いことが分かります。
団塊状ではないのでどちらも対流雲ではなさそうです。
相違点を書けということだから、同じところは書かなくて良いです。
相違点を整理するとこうなります。
・雲の種類 下層雲 / 上層雲を含む 共に対流雲ではない
・雲域の厚み 薄い / 厚い
40字でまとめてみました。
『3日9時の雲域は下層雲であり厚みは薄いが、3日21時の雲域は上層雲を含んで厚い。』(40字)
模範解答は
『3日9日までは中・下層雲が主体だが、3日21時には上層雲が加わって厚みが増した。』(40字)
やっぱり、文章がうまいね。
それは良いとして、3日9日の雲域に中層雲を入れるのかなぁ!
第50回気象予報士試験 実技2 問3(3)
図10上の4日1時のシアラインを見ると、北西の風と南東の風の境目を結んでいることが分かります。
解答図に、北寄りの風を青矢印で、南寄りの風を矢印でマーキングしてみました。
青と赤の矢印の頭の隙間を滑らかに結べば、解答になります。
模範解答よりも多少凸凹していますが、まぁ良いでしょう。
第50回気象予報士試験 実技2 問3(4)
降水強度が24mm/h以上とは、上のシアライン解答図で黄色い部分ですね。
シアラインとの位置関係といえば、黄色い部分は大体シアラインに近いけれどちょっと西側にありますよね。
この様子を35字にまとめます。
『降水強度が相対的に強い部分はシアラインに沿ってやや西側に位置している。』(35字)
模範解答は
『降水強度の相対的に強い部分は、シアーラインに沿って、その西側にある。』(34字)
まずまずですね。
ただ、『降水強度が』としたところは、問題文通りに『降水強度の』とすべきでした。
あと、『シアライン』じゃなくて『シアーライン』にすべきですね。
第50回気象予報士試験 実技2 問3(5)
強雨域Aの移動方向(16方位)
4日1時の位置をA、4日3時の位置をA’とします。
AからA’の方向は、上の図に示す通り『北北東』です。
これは考える必要がないくらいに簡単ですね。
強雨域Aの移動速さ
Aの時刻は4日1時でA’の時刻は2時間後の4日3時ですから、A-A’の距離を測定して2で割れば時速が計算できます。
距離の基準になるのは、緯線の間隔ですね。
北緯35°~36°の距離は60海里(111km)と定義されています。
この長さがわたしのプリントでは41.5mmでした。
A-A’の長さを測定したら58mmでした。
111km/41.5mmx58mm=155kmです。
これを2時間で割ると78km/hですが、10km/h刻みの答えを求められているので解答は『80』km/hになります。
強雨域Bが移動した点(B’とする)の予想位置
単純な作図の問題ですが、三角定規が与えられていないので直線の平行移動に苦労します。
ま、なんとか工夫して線を引いてください。
B-B’の時間経過は1時間なので、作業は単純でA-A’の直線を2等分して、Bの位置に並行移動させるだけです。
B’の位置の北緯と東経の数値を読み取ります。
ここで、北緯の数値をきちんと読み取るために、左右の目盛りを直線で結んで、正しい位置を把握してください。
東経についても同じで、上下の目盛線を直線で結んでください。
その結果、わたしの作図では、北緯『35.7°』はほぼぴったりですが、東経は140.1°と140.2°の間になりました。
やや140.2°に近いので解答は、東経『140.2°』にしました。
たまたま、模範解答と同じでしたが、微妙な誤差範囲なので140.1°でも点数がもらえると思います。