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2019年8月11日 22:46 #11922ひろゲスト
専門学科試験の過去問について質問させて下さい。
表題のH23-2-10がどうしても分かりません。
A地点がイの状態曲線なのは分かるのですが
そのほかの2つの考え方についてもし良ければご助言ください。 -
2019年8月11日 23:09 #11923北上大キーマスター
ひろさん、こんばんは。
最初にお願いがあります。
めざてんサイトでは、過去問は通し番号で統一しています。
平成XX年1回2回、今後は令和X年1回2回となるのですが、読者(管理者も)が混乱するので、過去問の指定は通し番号を使ってください。この問題は、『第37回専門知識 問10』になります。
この問題が他の人にも分かるように、問題図を示しておきます。『天気図の位置A、B、Cと、状態曲線ア、イ、ウを結びつけなさい』という問題です。
概況として、
九州に接近している台風があり、【C】は台風中心に極めて近い北西側にある。
台風から東北東に本州南岸に沿って停滞前線が伸びて、同心円の気圧配置が崩れかけていることから、台風は温帯低気圧化に近い状態にまで衰えている。【B】と【C】は台風の影響下にあるが、【A】は台風から北に離れて、高気圧圏内にある。
だから、【B】と【C】はちょっと似ていて、【A】だけは特徴が異なるのではないか。【B】は台風中心に近いので、台風の特徴を探してみる。
【C】は停滞前線の北側に位置しているので、はっきりしないまでも寒気側にあり、停滞前線から続く前線面を抱えているかもしれない。こんな予想をしながら、【ア】【イ】【ウ】の解析を進めます。
【ア】の特徴
地上から400hPaまで湿潤で、厚い雲に覆われているが、その上層に雲はない。
地上から600hPaまですべて北風であり、その上空で西風。
【A】【B】【C】での雲の厚さを想像すれば、雲が最も厚いのは台風に近い【C】ではないかと推測できそう。
台風中心の北西側に位置しているのなら、地上は北風で矛盾はない。
雲の厚さと同じように地上からある高さまで一貫している北風は、台風の中心付近の特徴でもある。
台風の上空は、地上とは回転方向が変わるし、衰えた台風であれば500hPaで一般風となってもおかしくない。
また、気温減率が小さいのは、台風の暖気核の影響と考えられる。
以上の推論から【ア】は【C】と仮定して矛盾はなさそう。【イ】の特徴
【ア】と【ウ】は気温減率が小さくて似ているけど、【イ】だけが大きく違うので、こいつが【A】ではないだろうかと推測してみる。
地上付近に逆転層があり、その上層は乾燥していることから、低気圧性ではなさそう。
高気圧の支配下か?
地上から500hPaまで東風で、その上で西風に変わる。
気温の傾きが大きく気温減率が大きい、すなわち上層から冷たい寒気が降りてくるのか。
とすれば、高気圧下の状況かも。
地上付近の飽和と逆転層は、オホーツク海を走ってきた東風が運んで来た湿気ではないか。
以上の推論から【イ】は【A】だろうと判断する。【ウ】の特徴
【ア】と【イ】が決まった後なので、消去法で『ウ=B』だろうと目星をつける。
地上は湿潤で、700hPaで再び湿度が高くなり、その上層も概ね湿っており、全体的にどんよりした雲に覆われている。
気温減率は小さいので、台風の暖気核の影響を受けているかも。
700hPaから上で湿っているのは、停滞前線の北側に広がる前線面の影響ではないか。
地表付近で北東風は台風の影響で、600hPaより上では衰えた台風の影響から抜け出ている。
以上の推論から【ウ】は【B】と考えて矛盾はなさそう。Attachments:
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2019年8月12日 22:20 #11938ひろゲスト
北上大先生
丁寧なご解説ありがとうございました。
通し番号は失礼しました。気を付けます。ウが1番雲が厚いので台風に近いCで、アは400hPaで湿度が急減するので前線面の影響を受けたBかと思っていましたが、ウは湿度が80%まで結構下がっている高度も多いので分厚い雲とは言えないということですね。
アがCの場合、400hPaだと台風の影響を脱するには低いかなとも思っていましたが温帯化しつつある台風ならあり得るということですね。
お時間いただきありがとうございました。 -
2019年8月13日 00:12 #11939ウルトラゾーンゲスト
横から失礼。
今回の問題のような状態曲線どの位置問題は、なかなか悩ましいですよね。
私もよく悩みました。
正攻法の解き方は北上大さんのやり方でやるとして、
試験の答えを出すためだけ?の大雑把なやり方として、私の場合、一番視覚的にわかりやすい沈降性逆転層を最初に確認します。
この手の問題では、状態曲線ごとの差(特徴)が見られないと判断が難しいため、3つの状態曲線のうち、1つか2つには、だいたい沈降性逆転層が存在します。今回の問題では2つ。
沈降性逆転層というのは、大気が上空から降りてくることにより生じるので、おおむね高気圧に対応しているかと思います→高気圧に近ければ沈降逆転層が低く、遠ければ高い(ただし、高気圧、低気圧の強さや配置にもよる)。そこで、
・沈降逆転層が一番低い(イ)は、高気圧に一番近いA
・沈降逆転層が中層400HPAにある(ア)は高気圧にやや近いC
・残りの(ウ)は目立った沈降性逆転層もないので、高気圧から一番遠いB
ではないか?と当りをつけて、その他の判断材料(前線、各高気圧、低気圧の勢力・配置、風向など)で矛盾がないかを検証していきます。検証には時間がかかることもあるので、時間がない時は、最初の逆転層だけから答えを出しておき、後で時間が余ったらじっくり検証という手も。 -
2019年8月13日 22:37 #11944ひろゲスト
なるほど。確かにアは下層が湿潤で400hPa面以上で湿度が急減していますし沈降性逆転層ですね。
Cは台風にばかり目がいっていましたがBよりは高気圧の影響があるエリアとも言えますね。
これからは沈降性逆転層にも着目してみます。
教えていただきありがとうございました。
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