第43回気象予報士試験 実技2 問4(1)
丸囲み数字は、機種によっては文字化けするので[1][2]を使います。
[1] 低気圧の中心を描け
この問題は、あまり悩まないで直感的に円の中心を描けばよいでしょう。
問題図に目見当で当てはまるような丸を描いて、その中心に罰印を書けばよいだけなので、こんな感じですね。
ただし、正確に考えれば、北半球の低気圧の中心は、やや北西側に偏っていますので、こんな風に模範解答の位置になります。
だけど、この辺のさじ加減は、なかなか難しいので、上の真円の中心でも正解になるんじゃないかと思いますが、どうなんでしょうか?
[2] 矢印を描いてみましょう。
20日22時の位置から、上の罰印まで矢印を引いてみましょう。
この矢印が、低気圧の移動軌跡になります。
移動方向は「東南東」ですね。
ここまでは、問題ありません。
次に、この矢印の長さを測って、移動速度を計算します。
地図の縮尺がわからないと、実際の長さが分かりません。
しかし、この図には長さのスケールや縮尺に関する情報が書かれていません。
こうなったら、緯度間の距離から推定するしかありませんね。
下図に示すように北緯30°~60°と、北緯60°~90°のように同緯度間の距離は、同距離になっています。
緯度10°間の距離は、600海里ですから、1°間であれば60海里になりますね。
すると、こんなふうに解析されました。
わたしが回答した真円の中心位置で計算してみます。
わたしの手元に、実際に試験に使われた問題用紙があります。
これを測定したところ、上の図のように、北緯37°~38°の長さは、23mmでした。
また、矢印の長さは、17.5mmですが、この距離は、
17.5mm×(60海里/23mm)=45.7海里
となりました。
ノットは、(海里/hr)ですから、移動速度は45.7海里/2hr=22.85ノットです。
整数で答えよの指示なので、『23ノット』になりました。
ところが、模範解答は『20ノット』となっています。
上に説明した、中心位置を北西側に寄せるさじ加減が、3ノットの差になって現れた格好です。
「整数で答えよ」と言うことは、1ノット単位ですから、15mm矢印の長さの1/20の精度で答えるのですから、わずか0.8mmの違いを判別することを意味しています。
下の模範解答図で、[1]の低気圧中心の『×』印が、線の幅だけ横にずれたら、速度計算は間違いになってしまいます。
かなり厳しい精度を求める問題ですね。
第43回気象予報士試験 実技2 問4(2)
グラフを丁寧に読み取れば、間違うことはないでしょう。
[1] 「20日23時20分」 「999hPa」
海面気圧が最も低くなった点を素直に読み取れば良い、簡単な問題です。
[2] 「21日0時30分」 「2m/s」
南寄りの風が吹いている期間をピンクにマーキングをしました。
この期間で平均風速が最小となった点を読み取リます。
[3] 「21日1時50分」 「14m/s」
北寄りの風に変わった後を水色でマーキングしました。
この期間で最初に瞬間風速が10m/sを超えた点。
第43回気象予報士試験 実技2 問4(3)
図7の予想では輪島の気圧は1006hPaでした。
図11の実況では、同じ時刻の海面気圧は1001hPaです。
この相違を15字で述べるのですが、15字というと、極めて簡単なことしか表現できません。
どうしても必要な言葉として、「実況」「予想」「。」で5文字を使いますから、残りは10文字しかありません。
例えば、「実況気圧は予想値より低くなった。」(16字)でどうだろうか。
模範解答は、「実況は予想よりも低い。」(11字)
案外そっけない答えでしたね。
第43回気象予報士試験 実技2 問4(4)
「気温急低下」+「湿度急上昇」
これは、まったく分かりませんでした。
低気圧が通過するだけで、前線もないし、見当もつきません。
模範解答はこうなっていました。
「降水粒子の昇華・蒸発により大気の熱が奪われた。」
要するに打ち水の原理で、
夕立が降った後で、急に涼しくなる現象ですね。
まだまだ、奥が深いなぁ。