「前面・後面」という表現は、移流(温度移流、正渦度移流)の場合に使われるようです。
例)低気圧の進行前面に暖気移流と上昇流,後面に寒気移流と下降流がみられる
これは低気圧の盛衰を考えると自然なことです。
一方、「東側・西側」のような方位を用いた表現は、気象要素の分布を表すのに使われています。
例)低気圧の西側に湿数12℃以上の乾燥した領域が分布している
移流については第48回実技1のように、
「低気圧の東側で暖気移流,⻄側では寒気移流」
だったこともあるので、方位による表現も許容されるようです。
しかし、気象要素の分布を「低気圧の前面・後面」で表現するのは不自然に感じます。
なお、「前面・後面」を用いる場合は、「進行方向の前面・後面」「進行前面・後面」のように表現するのが一般的ですが、字数制限で省略されることもあります。