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2016年12月30日 21:42 #6043いわし雲ゲスト
いわし雲と申します。
掲題についてご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。
P.196中ほど
「ところが時と場所によっては、大気の流れのなかに移行層の幅を時間とともに小さく(すなわち水平温度傾度を大きく)しようとする働きをするものがある。この水平面上で温度傾度を増大させ、前線を形成あるいは強化させる過程を前線形成過程あるいは前線強化過程という。」
P.197 図7.27は前線を強化する水平面上の流れと温度場の関係の模式図ですが、この模式図と「水平温度傾度を大きくしている」ことの紐づけができません。(a)はp.197の一番下に「長方形に変形したときには、上辺と下辺の間隔(等温線の間隔)がせばまり、前線が強化される」から水平温度傾度が大きくなっているとイメージできますが(b)(c)についてはよく分かりません。
どなたか教えてください。 -
2017年1月4日 08:20 #6079古久根 敦ゲスト
いわし雲さん,こんにちは.
前線形成過程はイメージがとても大切なので,素晴らしい質問だと思います.
一般気象学p.197の図7.27(b)(c)について解説させていただきます.
(b)は水平シアがある場合の前線形成です.東側暖気移流,西側寒気移流によって,x軸(東西方向)の水平温度傾度が大きくなります.
(c)は収束がある場合(または水平シアと合流がある場合)の前線形成です.北側寒気移流,南側暖気移流によって,y軸方向(南北方向)の水平温度傾度が大きくなります.
この2つの具体的なイメージについては,具体的な温度を考えて,前線が形成される前と後とで等温線がどうなるかを図示してみるといいと思います.これを添付の図で示してみました.参考にしてみてください.
また,前線形成過程については,第41回学科一般の問8が参考になると思います.
以下,発展的な事項です.気象予報士になって前線形成過程をもっと理解したいと思ったら学んでみてください(小倉先生の総観気象学入門).
水平温度傾度が大きくなる要素は何か? 2つの表現があります.
1.収束+変形+傾斜+非断熱+移流
2.合流+水平シア+傾斜+非断熱+移流一般気象学では主に1の表現で解説されています.図7.27の(a)は変形,(c)は収束です.(b)はどれか一つに決めつけられません.私の解説でも1か2のどちらかに統一して解説すべきですが,図7.27の(b)は2の表現で解説しています.水平温度傾度が大きくなるイメージを理解したいからです.
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2017年1月4日 22:05 #6097いわし雲ゲスト
古久根様
ご回答ありがとうございます。
暖気移流と寒気移流があると温度傾度がどう変化するかを具体的にイメージするとよく分かりました。
添付ファイル非常に分かりやすかったです。まさに第41回学科一般の問8から生じた疑問でした。
ちなみに問8の(e)は図7.27(b)に該当するということでしょうか(南北成分だけ考える)?
この場合
1.等温線に直角な流れは中心ほど小さく、東西に広がるほど大きくなる
2.東西に広がるほど東西方向の温度傾度が大きくなる
3.東西に広がるほど前線が強化される
ということでしょうか?
これは実際どの様な現象に該当するのでしょうか?-
2017年1月5日 08:28 #6098古久根 敦ゲスト
いわし雲さん
問8(e)の理解,大丈夫ですよ.実際の現象は温帯低気圧における前線強化に近いのですが,理想的な状況(模式的)が(e)であることと,温帯低気圧周辺の鉛直流(上昇流と下降流)や降水現象などの非断熱効果を考えていないのが(e)なので,温帯低気圧がいつも(e)の感じで前線が強化されるとは考えてはいけないです(発展事項ですので予報士試験合格後に取っておきましょう).
第41回学科一般問8のケースを図解してみました.先に紹介させていただいた解説図に追加しましたので,そちらも参照していただければと思います.
https://www.evernote.com/shard/s34/sh/14c34456-92ac-44b7-bfdd-946c5d41ecf8/0f062f8ba27a0533
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2017年1月5日 21:18 #6101いわし雲ゲスト
古久様
リンク先参照させて頂きました。
実際の現象はもっと複雑なのですね。
まずは理想的な現象から理解します。「温度移流によって水平温度傾度がどう変わるかを、実際の等温線の分布の変化で確認することが大切」
全くその通りですね。勉強になりました。問8の他の選択肢の解説も頂きありがとうございました。
これでスッキリ理解できました。
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