- このトピックには9件の返信、2人の参加者があり、最後にまさにより7年、 10ヶ月前に更新されました。
-
投稿者投稿
-
-
2017年1月25日 21:59 #6219わかやまゲスト
質問をお願いします。
タイトルの問題の選択肢(d)についてですが、
風の強い日は、弱い日よりも地表面の熱が奪われにくい。
とあります。答えは誤りだそうですが、これは放射冷却の話と矛盾しているような気がするのですが、、、、
放射冷却は、風の弱い晴天の夜に起こりやすいのですよね、、、
どなたか、よろしくお願いします。
-
2017年1月25日 23:32 #6222北上大キーマスター
この問5は、たちの悪いひっかけ問題です。
と言うのは、
(d)は「風が強い夜は地面が冷えにくい」と言っているのですが、
雨が降るか晴天かによって(d)は「正・誤」ともにあり得るのです。解答は(d)には関係なく
(a)「正」、(b)「誤」、(c)「誤」によって、選択肢は[2]に決まってしまいます。(d)に惑わされて、(a)(b)(c)の解答を変更したとすれば、出題者のワナにはまった可哀想な獲物になってしまいます。
一般に、風が弱い夜は放射冷却が強く現れるので、
「風が弱い夜は地面は冷える」つまり
「風が強い夜は地面の熱が奪われにくい」と思っていますよね。
だから(d)は「正」だと。
実は、それには、『晴天の夜』という前提条件があるのです。わかやまさんご自身も書いていますね。
『放射冷却は、風の弱い晴天の夜に起こりやすいのですよね、、、』って。
雨の日はどうでしょうか。
霧が濃い日はどうでしょうか。地表面温度を決める因子としては、(a)で解説しているように、放射収支、大気との熱交換(潜熱・顕熱)、地中への熱伝導があります。
このうちで、風の影響を受けるのは大気との熱交換(潜熱・顕熱)です。
ここでやっかいな動きをするのが「潜熱」なのです。
熱を奪う「気化熱」とか、逆に熱を与える「凝結熱」です。晴天の夜のように、地表付近および大気中の水分が少なければ、「潜熱」の働きは関係なく、暖かい大気の撹拌がないように「風が弱いほうが地面は冷えます」から「風が強いほうが熱を奪われにくい」ので(d)は「正」になります。
しかし、大気の水蒸気が飽和しているとか雨が降っているときには、地表付近で凝結するかもしれません。
すると凝結熱を発して地表を温めます。
この条件なら、風が弱いほうが地表が冷えにくいので(d)は「誤」なのです。この問題では、気象条件を提示していないので、(d)が「正」か「誤」かの判断ができません。
まったく、たちの悪い問題です。ちなみに、(c)の「大気と接する地表面」とは、積雪の表面ですよ。
雪の下の地面ではないので気をつけてください。 -
2017年1月26日 17:30 #6226まさゲスト
わかやまさん
表題の件ですが、
太陽からの放射は日中夜間問わずに地球から再放射
され、夜間上空に雲がない場合は地面から受けた放射を
雲が地面に向かって再放射しないで、宇宙空間へ
逃げるので冷えます。
更に風が弱いと暖かい上空の空気と混ざりにくく
なるので、放射冷却が強まります。(風が強いと
空気が混ざって接地逆転層が出来辛くなります。)
ここまでは良いと思います。
(d)ですが、風が強い日と言っているだけです。
風が強いと顕熱と潜熱のやり取りが活発に
なります。(風が強いとは次から次へ
粒子が移動してくるので)
つまり、天候関係無く、
熱のやり取りが行われるので熱が奪われ易く、
与えれ易くなります。なので誤りです。
熱いコーヒーを強くフウフウした方がすぐに冷え
やすいし、ドライヤー温風を強風にした方が
すぐに熱くなりやすいですよね。
少し北上さんとは違いますがよろしくお願いします。-
2017年1月26日 18:33 #6231北上大キーマスター
まささん、コメントありがとうございます。
でも、ちょっと違うと思いますので、再度発言します。
晴天の夜であれば、風が吹いて空気をかき混ぜたほうが熱が奪われにくく、地面は冷えませんから答えは「正」になります。
だから(d)は天候にかかわらず「誤」とは言い切れません。なぜなら、放射冷却で冷えた地面よりも空気のほうが暖かいからです。
冷たい地表に、暖かい風を送れば冷えにくいのです。次のようなレポートがありますので参考にしてください。
放射冷却と盆地冷却(近藤純正)
この中の 『2.4 風が吹くときの冷却は?』 をご覧ください。
風が強まることによって、熱が奪われにくい様子が表現されています。
-
-
2017年1月26日 20:47 #6234まさゲスト
北上さん
お疲れ様です。北上さんの仰ることは理解できます。
仮に設問が、
「風の強い日は、弱い日よりも地表面が”冷えやすい”。」
という問題であれば、その日の条件によっては正しいことも誤ってることもあります。
但し、設問は、
「風の強い日は、弱い日よりも地表面の”熱が奪われにくい”。」
とあります。
”奪われる(もしくは与える)”という言葉は、”熱(顕熱、潜熱)のやりとり”のことを指していて、
”冷える(もしくは温まる)”は”熱(顕熱、潜熱)のやりとり”の結果です。
風が強いと”熱(顕熱、潜熱)のやりとり”する量が多くなります。つまり、
”熱を奪いやすい”もしくは”熱を与えやすい”ことになります。
よって、誤りということになります。
上の事例ですが、風が吹き始めることによって、その風が地表面より温かいので、
”熱を与えやすい”ために、結果、地表面温度が上がっているのであって、
”熱を奪いにくい”から地表面が上がっている(もしくは下がりにくくなっている)わけではないです。如何でしょうか。
宜しくお願いします。
-
2017年1月26日 21:50 #6235北上大キーマスター
まささん、再度の書き込み、ありがとうございます。
なんか、面白くなってきましたね。
なるほど、ポイントは「熱が奪われにくい」の表現なんですか。
「冷えにくい」とは言っていないと。地表よりも空気の温度が低い場合は、議論の必要はありませんね。
風が強ければ熱を奪いますから「奪われやすい」ので答えは「誤」です。問題は、地表よりも空気の温度が暖かいときにどう判断するか。
風が強くても弱くても、熱を奪う作用は発生しない・・・
だから「奪われやすい」と言う表現には合致しないという理屈で、答えは「誤」である。なるほど、一理ありますね。
分かりました。
そのような解釈もできると思います。わかやまさん
2つの理屈をご紹介しましたが、いずれにしても(a)(b)(c)で選択肢[2]は決まってしまいます。
今後の出題でもありそうなことですが、自信のある設問でしっかり答えてください。ご検討をお祈りします。
-
2017年1月27日 00:01 #6238古久根 敦ゲスト
わかやまさん,まささん,北上大さん,こんばんは.
わかやまさん,この疑問・いただいた質問を出せたこと,自信を持っていいと思います.なかなか個々に疑問を持てる人は私は見たことがありません.
まささん,北上大さん,素敵な議論が交わされていて,すっごいなと感じました.わかやまさんが疑問に感じたことは,議論が交わされるくらい,難しいものかもしれません.
ただし,お二人の議論の中で,とても大切なキーワードが出てきていないように感じました.
ってことで,補足しますね!というか新たな議論かも,すいません.
問題の条件は「夜間の大気と接する地表面」ですが,(d)の問題にはあまり関係はしません.あえて言えば,夜間ですので陸風なんだなという程度(もっと言うと,海風でなくてよかったねというのもあります(^0^;)).
さて,私の答えは「風の強い日は風の弱い日よりも地表面の熱が奪われやすいときもあるけれど奪われにくいときもある」です.なので問題の答えは「誤り」となります.
1.風が強ければ大気と地表面との間の顕熱のやり取りは盛んになりますが,大気と地表面の温度差によります.大気が地表面よりも温度が高ければ,大気から地表面に向けて熱が輸送されるわけで,地表面にとってみれば,風が強ければ熱をもらいやすいことになります.逆に,大気が地表面よりも温度が低ければ,地表面から大気に向けて熱が輸送されるわけで,風が強ければ地表面の熱は奪われやすいことになります.大気と地表面の温度関係によって地表面の熱の奪われやすさは変わるため,誤りになります.
2.これからが大切.地表面と言っていますが,正体は土壌です.もちろんコンクリートということもあります.土壌の場合,土の中に含まれる水が蒸発することによって潜熱を失います.「地表面に含まれる水の蒸発」,これがキーワード.風が強い場合,蒸発効率が上がるため,地表面は熱を奪われやすくなります.ただし,どの程度奪われやすいかは,大気の気温と湿度に依存します.大気が高温で乾燥していれば,より一層の地表面からの水の蒸発が進み,地表面は熱を奪われやすくなります.洗濯物でも髪の毛でも汗かきでもいいのですが,風が強い(実際は風よりも高温乾燥が重要ですが)と蒸発が速く進み,一気に乾きますが,例えば汗かきの場合,体温を奪われて風邪をひくかもしれません(^0^;) 潜熱で言えば,風が強いほど,土壌中の水が蒸発できる範囲において熱は奪われやすいのです,よって問題文は誤り.
1と2の理由を気象条件にあわせると,地表面の熱の奪われやすさは1と2のバランスによるので,風の強い日は地表面の熱が奪われにくいとは言えない,ということになります.
さて,放射冷却については,上記のような潜熱と顕熱という観点よりももっと大切な,放射による熱の収支があります.地表面近くの気温を考える際,地表面の顕熱・潜熱よりも放射の効果の方が圧倒的に大きいです.風が弱ければ大気の混合が弱まりますから,地球の赤外放射で熱を出しまくっている地表面付近の大気は冷えまくります.この地表面から赤外放射で奪われていく熱に比べれば,顕熱・潜熱という効果は小さいもの.トータルでは放射冷却が効き,晴天で風の弱い夜間で地表面・地表付近の大気の冷却が顕著になります.
参考までに,放射の単元では,大気の熱収支図をよく使いますが(なぜなら気温を知りたいから),それだけではなく,地表面での熱収支図もあります.
そうそう,この問題は,なにげに全球モデルにおけるパラメタリゼーション(地表面に関する)を題材にしていますね!
-
2017年1月27日 09:37 #6239わかやまゲスト
北上大様、まさ様、古久根 敦様。
みなさま、本当にありがとうございます!!
気象予報士の資格を取るための勉強ではありますが、みなさまとのやりとりは純粋に学問のおもしろさや
奥深さを感じさせていただけるもので、本当にありがたいです!
私自身この問題に取り組んだ時は、放射のみの観点で考えてしまっていたようです。
顕熱や潜熱という視点がなかったことが反省です。
そういえば、熱の伝わり方の3種類、対流、放射、伝導を総合的に考えなければならないというのは
基本かもしれません。
また、言葉をどう読むか、問題文の条件をしっかりと見落とさないことなど、改めて大切なことを
教えていただいたような気がします。
いただいたコメントを何度も読み返しながら、きちんと理解できるようにがんばります。
ありがとうございました。
-
-
投稿者投稿
- フォーラム「めざてん掲示板1」には新規投稿および返信を追加できません。