- このトピックには9件の返信、1人の参加者があり、最後にYoshikenにより7年、 8ヶ月前に更新されました。
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2017年3月14日 00:26 #6490わかやまゲスト
今さらの質問で、申し訳ございません。
寒冷高気圧と温暖高気圧について、お尋ねしたいことがございます。
気体の状態方程式を密度表記で表すとp=ρRTと書けると思います。
pは圧力、ρは密度、Rは気体定数、Tは絶対温度です。寒冷高気圧の場合は、Tに対しρが大きいため、周りに比べ高気圧となり
温暖高気圧の場合は、ρに対しTが大きいため、周りに比べて高気圧となる。
上記の解釈でよろしいでしょうか?
もしくはもっと大局的な見方が必要なのでしょうか?
どうぞよろしくお願いします!
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2017年3月14日 01:10 #6491古久根 敦ゲスト
わかやまさん,こんばんは.
いい質問だと思います!
私の第46回学科専門の復習の手引き49ページにも解説していますが,
・温暖高気圧は地表付近が地表付近が周囲よりも温暖な空気により作られる高気圧で,背の高い高気圧です.
・寒冷高気圧は地表付近が周囲よりも寒冷な空気により作られる高気圧で,温暖高気圧に比べて高さは低くなります.地表面で現れる高気圧と低気圧は,地表面より上空全体の気柱の重さによるものですから,どの高度で重たくなる空気がいるかが,高気圧や低気圧のタイプを作ります.p=ρRTという状態方程式だけで説明はできません(^0^;) どの高度にどの程度の密度の大きな(寒冷な)空気がいるかによって,高気圧の構造上の違いが出てきます.
とすると,温暖高気圧の場合,典型的には亜熱帯高気圧(太平洋高気圧)だとおかしくなります.温暖高気圧は地表付近が周囲よりも温暖な空気がいるから低気圧になるんじゃないの? でもそうはなりません.そもそも気柱の高さが周りよりも高すぎるのです.対流圏界面が16kmとか.それだけ空気が気柱に多く含まれているので,気柱の重さとしては周りよりも重たくなり高気圧になります.この状況は寒気や暖気の移流といったような空気の動きだけではおさまらないくらい,持続性がありますから,夏季には太平洋高気圧がガンガン日本付近に張り出してくるのです.
寒冷高気圧の場合は,滞留寒気が居座る場合にも現れるとおり,下層に冷たくて重たい空気がいるからです.周りと比べて気柱の高さはほとんど変わらないので,下層にいる重い空気のみで地表面で高気圧として現れます.
高気圧に限らず,寒冷低気圧でも,地表面で明瞭となる低気圧と違い,300hPa面とか上層に暖かい空気がいるから500hPa面で低気圧が明瞭となります.逆に,地表面で明瞭となる低気圧は下層に暖かい空気がいる場合です.これもp=ρRTという状態方程式では説明できません.
まとめると,地表面での高気圧と低気圧はあくまで地表面から上空(空気がなくなる層)までの気柱の重さで決まります.背が高ければ気柱はいくら暖気とはいえ重たくなるし,背が低くても冷たすぎれば気柱は重たくなります.p=ρRTだけではなく,どこでどんな重さの空気がいるか,それはどれだけの高さを持っている空気なのかを考えることが大切です.
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2017年3月14日 16:16 #6493わかやまゲスト
古久根 敦 様
いつもありがとうございます!
なるほど、納得できました。
対流圏界面より上の大気については、成層圏の空気の質量比べて割合が小さいため
あまり考えなくても良く、成層圏での気柱を考えれば良いということでしょうか?
どうぞよろしくお願いします。
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2017年3月14日 21:44 #6495古久根 敦ゲスト
わかやまさん
「成層圏での気柱を考えれば良い」→「対流圏での気柱を主に考えれば良い」で理解してくださいね!
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2017年3月14日 20:45 #6494Yoshikenゲスト
3レス目でわかやまさんがおっしゃっていることと関係するか
もしれませんが、気象のある本(・・・というより題名忘れま
した。。。)を立ち読みした際、わかやまさんと同じ疑問に
対する答えが書いてありました。このときは、「下層より上層の空気の暖かさ(冷たさ)が
影響し、温暖であるにも関わらず高気圧になる」という主旨の
記述がありました。肝心な根拠は数式が登場し難しいため
省略されていましたが。要はこの部分が古久根さんのおっしゃる
「背が高ければ気柱はいくら暖気とはいえ重たくなるし~」と
どう整合しているのか、ということになりますが。私自身、この辺が完璧かというとそうでもなく、受験時、
太平洋高気圧が「高気圧」として存在する理由を、
ハドレー循環の下降流による圧縮と結びつけて「高気圧」に
なると考えていましたが、どうやらそれだけではないよう
ですね。 -
2017年3月14日 22:03 #6496古久根 敦ゲスト
Yoshikenさん,こんばんは.
ハドレー循環による下降流での高気圧形成は,因果関係が逆転しています(^0^;)
ハドレー循環は熱帯収束帯と呼ばれる南東貿易風と北東貿易風の収束によって上昇流が生まれ,上昇した空気が中緯度側に運ばれ下降流になるものです.低圧部が先にあって,風邪の流れが生まれ,その先に高気圧形成がありますので,因果関係を大切にしたいところです(^0^;)
太平洋高気圧については言葉足らずでした(^0^;)
太平洋高気圧だけというわけではありませんが,緯度20~30度付近で高気圧が優勢になるのは,対流圏界面が高く対流圏の背が高いこと、これによって,それより高緯度(対流圏界面が低くなる)の気柱よりは重くなります.さらにもう一つ大きな要因があります.
学科一般の中層大気の事項で学ぶことですが,「高度20km付近,つまり成層圏下部において、年を通じて赤道域付近の気温は周りよりもかなり低いこと」です.
これが地表面付近の高気圧としての気柱の重さに影響します.
対流圏界面が高いということは,対流圏における断熱過程での気温減率が成層圏よりも大きく,上層に行くほど気温がどんどん低くなるからです.対流圏界面が低くなる他の緯度では成層圏特注の非断熱過程(オゾンの存在)によって昇温するので,結果的に「対流圏界面が高いほど高気圧になりやすくなります」.
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2017年3月15日 20:36 #6500Yoshikenゲスト
古久根さん
ありがとうございます。確かに因果関係は大事ですね。おっしゃる
とおり低圧部があり、そのうえでの高圧ですね。気をつけます。>「高度20km付近,つまり成層圏下部において、年を通じて
>赤道域付近の気温は周りよりもかなり低いこと」です.もう1点恥をさらす覚悟でこの際お聞きします。
この点について、赤道付近でこういう気温分布となるのは、
対流圏界面が赤道付近で最も高くなる。それは、単位時間に
太陽から受ける熱が最も大きく大気が膨張するからだと解釈
していました。密閉したゴミ袋を直射日光にさらすと膨らむのと
同じ原理です。ただ、対流圏とその外で熱収支が太陽光の放射だけで成立して
いるわけではなく、そんな単純ではないと思ってもいますが、
ひょととするとこの”ゴミ袋膨張論”は結構的外れでしょうか。-
2017年3月16日 22:22 #6502古久根 敦ゲスト
Yoshikenさん,こんばんは.
ゴミ袋膨張論、面白いです!(^.^) これ戴こうかな(^0^;)
間違ってないと思いますよ!
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2017年3月17日 19:24 #6511Yoshikenゲスト
古久根さん、こんばんは。
ありがとうございます!ただ、知る限りではこの例えがどこの参考書にも
ありません。 -
2017年3月20日 21:21 #6529Yoshikenゲスト
連続のレスになりますが、実家の本棚から私が子供の頃に読んだ気象のマンガが
出てきました。
その中に、私が先日書いた「ゴミ袋膨張」理論について、ヒントになりそうな
ページがありましたので、画像撮影で申し訳ないのですが、以下にアップロード
しましましたので興味がありましたらご参照ください。
(保存期間は投稿時点から1週間程度です)表紙です
http://ime.pta.jp/d/g0f4T6.jpg<前半>左側のページです
http://ime.pta.jp/d/DNjUnS.jpg<後半>
http://ime.pta.jp/d/1M7HLl.jpg余談になりますが、このマンガは私が小学校2年生のとき、隣に住んでいた
小6のお姉さんから貰ったものです。卒業を機に貰ったもので、
根っからの勉強嫌いの私でも曲りなりに読めました。そして、この
本こそが私をこの世界に誘った原点になります。
気象予報士試験が始まる5年近く前の話です。
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