水よりも、愛す(ice)る人に抱かれたい

過冷却雲中の水蒸気の挙動に関して、氷晶の成長が、過冷却水滴の成長よりも速いことを説明する呪文である。

語呂合わせとしては、「愛す⇒ice⇒氷」を採用している。

一般知識では非常に出題頻度が高いテーマである。

水は0℃以下になっても直ちに氷るわけではなく、液体のと、固体のと二通りの状態をもつことが出来る。
このときに、水の表面に対する飽和水蒸気圧は高く(大きく広いイメージ)、氷面に対する飽和水蒸気圧は低い(小さく狭いイメージ)
この結果として空気中の水蒸気は、水に対しては「飽和」だが、氷に対しては「過飽和」となる。
過飽和とは、いわば、狭いところに詰め込まれた状態である。
空気中の水蒸気は、過飽和では居心地が悪いので、楽になろうとして氷の中に飛び込み(氷晶に向かって拡散)、氷晶を成長させる。この結果として、過冷却雲中では、水滴の成長よりも氷晶の成長が速いことが重要な事実となる。(降水過程の問題としてしばしば取り上げられる)
狭苦しいところにたくさんの水蒸気が閉じ込められている状態が「過飽和」なので、水蒸気の気持ちになればきっと居心地が悪いに違いない。それなら、少しでも楽な氷の中に飛び込もうと、苦痛を解消する行動に出るだろうと、擬人化してみた。
氷と水との比較だが、うっかりするとどちらが過飽和なのか分からなくなることがある。

「水よりも、愛す(アイス=氷)る人に抱かれたい
と水蒸気が嘆いて、傍にいるよりも愛する人の胸に飛び込んでいくと思えば、きっと思い出すきっかけになるだろう。
そんな様子を、次の図で示している。
12korihyom

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コメント

  1. てつま より:

    北上大様
    いつも大変お世話になっています。
    質問ですが、
    「水よりも、愛す(ice)る人に抱かれたい」
    の説明文中、
    『過飽和とは、いわば、狭いところに詰め込まれた状態である。
    空気中の水蒸気は、過飽和では居心地が悪いので、楽になろうとして氷の中に飛び込み(氷晶に向かって拡散)、氷晶を成長させる。この結果として、過冷却雲中では、水滴の成長よりも氷晶の成長が速いことが重要な事実となる。』
    と言う事は、
    つまり、過冷却水は蒸発しやすく、氷は凝結しやすいと言う事でしょうか。
    今回は、私にとって、とても難しい内容です。
    追加補足説明をお願いします。

  2. 北上大 より:

    てつまさん

    >過冷却水は蒸発しやすく、氷は凝結しやすいと言う事でしょうか。

    そうではありません。
    ここでは、液体から水蒸気になる蒸発は関係ありません。
    浮遊している水蒸気が、水滴になるか氷粒になるかを論じています。

    氷に対しては、水蒸気の昇華凝結です。
    過冷却水に対しては、水蒸気の凝結ですね。

    例えば、マイナス10℃の空間に、水蒸気が充満しているとします。
    その空間に氷粒と水滴が同時に存在した場合、水蒸気は、
    ・水滴に凝結するし、
    ・氷粒に昇華凝結します。

    しかし、その速度は、氷粒への昇華凝結速度が水滴への凝結速度よりも、約10倍も速いのです。

  3. てつま より:

    北上大さん
    ご説明ありがとうございます。
    水滴の凝結より氷粒の昇華凝結する方が早い事はよく分かりました。