界面とは、対流圏と成層圏の境界である「対流圏界面」を指しています。
地球の表面を覆っている対流圏の高さは、赤道が高くて、北極と南極が低いのです。
ちょっと極端ですが、図示するとこんな感じになっています。
斜めに線を引いていますが、実際には気流の分かれ目で段差があり、これほど単純ではありません。
また、地球は球体なので圏界面は直線ではなく、赤道が厚く両極で薄い楕円形になっています。
(上の図では、対流圏をはっきり示すために縮尺を変えています。
地球の直径12,800kmに対して10km前後の対流圏は地球の表面の薄皮のような厚さです)
この呪文は、 過去に紹介した2つの応援呪文と関連しています。
暖かいところは、空気が軽いので、層厚が厚くなることを覚えましたね。
次に、赤道は暖かいから、高緯度地方よりも層厚が厚いことを覚えました。
それが「偏西風、右手に赤道暖かい」でした。
そして、今日の呪文の「赤道は暖かいから界面高い」につながります。
北極は寒いから空気が冷たくて重いので、低く詰まって圏界面が低いのです。
逆に、赤道は暖かいから空気が軽く、ふわふわと広がって圏界面が高いのです。
そんな様子を図に描くとこんな風になります。
赤道付近では、対流圏界面の高さは17kmほどと高く、北極では6km(資料によっては8~10km)まで低くなります。
対流圏界面の気流の境目に、亜熱帯ジェット気流と寒帯前線ジェット気流が流れていますが、それぞれの高さは同緯度の圏界面とほぼ同じなので、低緯度側(南側)の亜熱帯ジェット気流のほうが、高緯度(北側)の寒帯前線ジェット気流よりも高い位置にあります。
赤道が暖かいことから、このようなことが自然と理解できます。
出題例を2つ示しましょう。
次は、第37回専門知識、問1ですが、(b)に注目してください。
高緯度地方でも低緯度地方でも、上層、中層、下層の大気構造はほぼ同じであるから、圏界面が低い高緯度地方の上層雲は、圏界面が高い高緯度地方よりも低い位置に出やすいので、設問(b)は『正』であることが理解できる。
その他設問については、第37回専門知識問1の解説をご覧ください。
次は、第40回専門知識、問9です。(同じ主旨の問題が、第38回再試験、専門知識問9にも出題されています)
(c)の設問は、対流圏界面の高さ傾向を知っていれば、すぐに分かるはずです。
しかも、この問題は、(c)が誤りと分かれば、他の選択肢はすべて消えてしまうので、おいしい問題でした。
(a)(b)(d)は正しいので、問題文のまま知識として覚えてください。