第42回気象予報士試験 実技2 問4(1)
[1]北上大方式の「等圧線の引き方」を示しておく。
誰の方式でもだいたい同じだと思うけどネ。
,<1>1004hPaを挟む2点間を適当に線分で結ぶ<2>結んだ線分を目分量で分割して、線分の上に1004hPa のドット(点)を打つ
<3>打ったドットを滑らかに結ぶ
ドット位置は誤差があるので、細かいところにこだわらずに単なる目安にして、全体の形を整えることを優先する。
<4>同様に1002hPa を作図して、下書きの線とドットを消すと回答図になる
完成した解答図が、模範解答と比べると少しゆがんでいるが、この程度の許容誤差は認められるだろう。
なお、線分を引いて、ドット(点)を打って、下書きを消す、と書いたが、試験会場でこんなことをやっていたら時間が足りなくなるので、実際に線分を引いたりはしない。
思考パターンを示したものなので、誤解がないようにして、うまく活用してください。
[2]
気圧分布の特徴は、高知県に低気圧の中心がある。
レーダーエコーの特徴は、低気圧中心を取り囲むように東から北を通って西側に馬蹄形の強い降雨域がある。
南西方向には、エコーががない。
30字にまとめた。
『低気圧の北側に馬蹄形の強い降水エコーがあり、南西方向にはない。』(31字)
これは、うまくまとまったので、自分的にはかなり良い出来だと思う。
模範解答は『低気圧の中心付近にフック状の強いレーダーエコーがある。』(27字)
自己判断で申し訳ないけど、これは、わたしの回答の方が出来が良いと思う。
模範解答では、レーダーエコーの位置(方向)が示されていない。
第42回気象予報士試験 実技2 問4(2)
[1]
気圧の谷は深まった。
じょう乱は、高知から和歌山付近まで東北東に約80km移動した。
この状況を35字で表現する。
『低気圧の中心が高知から和歌山まで東北東に移動し、気圧の谷は深まった。』(34字)
これも、なかなか良いんじゃないかな。
模範解答は『気圧の谷が深まりながら東北東進し、低気圧中心は紀伊水道に到達した。』(33字)
紀伊水道かぁ。
わざわざ和歌山市って書いているから、てっきりこれを使えと言う意味かと思ったよ。
[2]
レーダーエコーの形状:集中的な馬蹄形からブロック状にひろがった。
レーダーエコーの強さ:低気圧中心付近で降水強度が強まった
レーダーエコーの相対的な位置関係:中心付近の北~東~南南西の東半分から離れたところまで広がった。
さぁ、これを55字だ。
実技試験問題で55字は大作の部類なので、配点も高いことだろう。
『レーダーエコーは低気圧中心付近の馬蹄形からブロック状に東半分に広がり、中心付近の降水強度は集中的に強まった。』(54字)
これは、表現すべき事項が多いので、きちんとまとまるのが難しい。模範解答は
『低気圧の中心付近のフック状のエコーは弱まって不明瞭になり,中心付近から南側へのびる線状のエコーが強まった。』(53字)
文章が長くて、どこがポイントだか良く分からない文章になってしまった。
第42回気象予報士試験 実技2 問4(3)
災害といえば、災害御三家の「積乱雲では落胆と前線性では家庭崩れで洪水だ」を思い出そう。
ここでは、前線に伴うしとしと雨ではなく、低気圧の中心付近の激しい天候に伴う災害なので、「落胆と」(落雷、短時間強雨、突風)が適用対象となるだろう。
「災害現象を2つ挙げよ」と言う問題では、過去の模範解答を見ると3つの中から2つのようなケースが多いので、この問題なら、落雷、短時間強雨、突風のどれか2つを書けば良いと思う。
とりあえず、北上大の答えは『落雷』『短時間強雨』をえらび、
根拠30字は『対流性エコーが明確で降水強度が強い低気圧が接近しているため。』(30字)とした。
これに関しては、決まった表現が定着してないので、採点の判断が難しい。
模範解答は『竜巻などの激しい突風』、『落雷』、『降雹』、『急な強い雨』、『洪水』、『土砂崩れまたはがけ崩れ』の中からいずれか2つだった。
根拠は、『発達した積乱雲で構成される強い線状エコーが接近している。』(28字)
これとまったく同じ文章を書くことはほぼ不可能だ。
北上大の解答でも、言わんとする所は一緒なので、満点とはいかなくても、一定の点数はもらえるだろう。
模範解答