第43回気象予報士試験 実技1 問4(動画解説付き)

丸囲み数字は、機種によっては文字化けするので[1][2]を使います。

第43回気象予報士試験 実技1 問4(1)

一旦表から離れて、問題を単純化するとこんな問題になる。

j43k1q4z01

[1]の風向は、「西北西」
[4]
の波高は、「8m」
沖合から、2m、3m、4m、5m、6mまでの表示があり、それに続くのだから、7m、8mとなる。

j43k1q4z02

[2]の風速は、「40」ノット

j43k1q4z03

[3]の卓越波向は、「西北西」

第43回気象予報士試験 実技1 問4(2)

単純に計算するだけの問題です。

C=3.6gT/(4π)
与えられた条件は g=9.8 T=10 π=3.1

C=3.6 x 9.8 x 10 / (4 x 3.1) = 28.5 km/h

速度が28.5 km/hで、12時間の移動距離は

28.5 x 12 = 341 ⇒340 km
答えは「340」km

第43回気象予報士試験 実技1 問4(3)

24時間後の波高が2m
36時間後の波高が8m

このように変化する要因を下に着目して60字で書け、と。

波高が大きくなる要因はつぎのようなものがある。

  • 風向と卓越波向が一致している時間が長い
  • 結果的に波の吹走距離が長くなり波が大きく成長する

問題文で、着目しなさいというのが次図に書いた3つの要素です。

j43k1q4z04

つまり、飛島付近の風と波の方向変化と低気圧周辺の波の方向です。

問題文では指定されていませんが、低気圧周辺には、波高8mを超える大きい波が発生しています。

着目しなさいと指定された部分を文章にしてみると

飛島付近の風向は24時間後には南西だったが36時間後には西北西に変化した
飛島付近の卓越波向は24時間後には南西だったが36時間後には西南西に変化した
低気圧周辺の卓越波向は北西である

前問で波の移動距離は、12時間で340km程度であることが分かりました。
赤い線で描いたように、12時間後の低気圧位置は、飛島からほぼ340km程度なのです。

すると、12時間後に低気圧周辺にある8mを超える高い波が、12時間かけて36時間後に飛島付近まで到達する可能性が見えてきます。

問題は風向きですが、飛島付近の風向き、卓越波向が、うまい具合に西寄りに変化して波を運んでくれたようです。

ここまでわかれば、60字にまとめるだけの作業ですね。
「飛島付近の風向が24時間後に南西から36時間後には西北西に変化し、卓越波向は南西から西南西に変化して、低気圧周辺の卓越波向が南西の大きな波を飛島周辺まで運んだ。」(80字)

長すぎるので、20字削減する。
「飛島付近の風向が南西から西北西に、卓越波向は南西から西南西に変化して、低気圧周辺の大きな波を36時間後に飛島周辺まで運んだ。」(62字)
模範解答は
「飛島付近の風向が南西から西北西に、卓越波向が南西から西南西に変化し、低気圧周辺でできた高い波が飛島に到達するため。」(57字)

模範解答には、36時間後という時間が書かれていないが、それで良いのだろうか。

また、わたしは、「風が波を運んだ」と表現したが、模範解答では、「波が到達した」と表現している。

これが減点対象になるのかどうかは分かりません。

第43回気象予報士試験 実技1 問4(4)

この問題は、波が吹走距離にともなって大きく成長することが理解できれば、簡単な問題です。

j43k1q4z06

関連部分の波の高さに色分けをした上図を見れば、大陸から発生した波が、南西寄りの風で日本海を横断して、徐々に成長して飛島に達する。

一方太平洋側は、岩手、宮城の沿岸から波が成長して沖合に行くほど波が高くなる様子が一目瞭然です。

この様子を55字で表現すればよいのです。

北上大の答え
「南西の風によって、長い吹走距離で成長した高い波が飛島付近に到達するが、太平洋沿岸は陸地からの距離が近い。」(53字)
模範解答
「飛島付近は海上から陸上に向かう西風であり、東北太平洋側の沿岸の陸上から海上へ向かう西風より吹走距離が長いため。」(55字)

これは、どんな風に採点されるか分かりません。
状況はよく理解してるつもりだけど、表現方法が全然違います。
しかし、同じ文章をもう一度書けと言われても、どうなるか分からないほど、表現方法はたくさんあります。

主旨を正しく理解していれば、点数は貰えると思うのですが、どうでしょうか。

動画解説もご覧ください

 模範解答

j43k1q4ans

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする