第46回気象予報士試験 実技1 問3(1)
『図4の鉛直p速度の極小値』
これは簡単ですね。
図の数値を読み取るだけの問題です。
台風の中心付近に「-126」hPa/hの強い上昇流があります。
これが答えです。
続いて、台風中心付近の鉛直p速度の分布の特徴を35字で。
図4で、縦線のハッチングがある領域が、鉛直p速度が『負』の領域、すなわち『上昇流域』です。
問2で、中心の北東側の雲頂高度が高い雲域があると答えさせているので、それと関連付けることが求められているのでしょう。
北上大の回答は次の通り。
「上昇流は台風中心付近が強く北東側に広がり、南西側は下降流域である。」(33字)
模範解答は
「台風中心から北東側に強い上昇流域、南側に下降流域が広がっている。」(32字)
まずまずの合格点ではないでしょうか。
第46回気象予報士試験 実技1 問3(2)
等風速線を引けと言う問題ですが、これは老眼には辛い。
解答用紙は印刷が薄くて見づらいので、問題用紙で見当をつけましょう。
まず、各高度において、70ノットの点をプロットしてみます。
ずばり70ノットがなくても、次のように70ノットをまたいでいるところにもプロットします。
全体にプロットすると、次のような図が出来上がります。
この点を滑らかに結べば、解答図になります。
線が多少曲がっていても、ポイントを押さえていれば大丈夫です。
第46回気象予報士試験 実技1 問3(3)
求められているのは950hPaの中心位置ですが、気温分布も参考にして立体的に全体を俯瞰してみると中心位置がはっきりと見えてきます。
950hPaだけを眺めて、早急に判断してはいけません。
950hPaにおける50ノットの旗竿が東経127.25度(1度を4分割だから)です。
緑の線はそのやや西側ですから、東経「127.2」度が答えになります。
実は、この問題の配点はわずかに〔2点〕なのですが、ここで間違えると次の問3(4)全体〔19点〕を支配する非常に重要な問題なのです。
絶対に間違えたくない一問でしたね。
第46回気象予報士試験 実技1 問3(4)
丸囲み数字は、機種によっては文字化けするので[1][2]を使います。
[1]
10ヶ所の気温を求める問題ですが、下図のようにマトリックス展開すれば、目分量ですが自動的に温度が決まります。
850hPa面の東に1°は、目分量では19℃か20℃か微妙です。
同じ面の東に2°が19℃なので、心理的には少し上げて20℃にしたいところです。
[2]
東西の気温の分布の違い:本来の台風の円形構造であれば左右対称なのですが、この観察結果からはその対象性が崩れています。
東側のほうが気温が高いですね。
中心付近の気温の特徴:台風の構造として中心付近に最も気温が高い領域が形成されています。
これを、30字でまとめます。
北上大の答え
「中心付近に気温が高い領域があり、周辺は西側より東側の気温が高い。」(32字)
模範解答
「気温は東側に比べ西がが低く、また、台風中心近いほど高い。」(29字)
模範解答で『また、』と言うのは、初めて見たような気がします。
まったく不要な3文字ですね。
西側を主語にしているのは、台風の構造を崩している原因が、西側の寒気だからだそうです。
北上大の解答が何点もらえるかは、分かりません。
[3]
図4の風と気温の解析:
台風の周囲では低気圧性循環の風が吹いています。
東側では南寄りの風が南方の暖気を運んできます。
その結果、18℃の高温領域が東側から台風中心まで侵入しています。
西側では、北寄りの風によって15℃以下の相対的に冷たい空気が流下している様子が観察できます。
図3の赤外衛星画像解析:
台風の東側と西側を比較してみると、雲の様子が明らかに違います。
問2で答えたように、雲域Cでは南からの暖気を呼び込んで積乱雲が発達しています。
雲域C以外でも、東側には積乱雲が発達しています。
一方、西側の雲は対流雲ではなく層雲系の雲なので、北から寒気が流入している様子が伺えます。
この観察の様子を45字でまとめます。
北上大の答え
「東側では南寄りの風に伴って暖気が台風中心まで流入し、西側では北寄りの風で寒気が流下している。」(46字)
模範解答
「西側では北風による寒気移流があり、東側では西側より積乱雲が発達して凝結熱が大きいため。」(43字)
しかし、東側の暖気移流にはまったく触れていないのだがそれでいいのか?