第50回気象予報士試験 実技1 問4

第50回気象予報士試験 実技1 問4(1)

図10で寒冷前線通過の兆候をつかむのは簡単です。

一般的に寒冷前線の通過でどんな現象が起こるか。
こんなイメージで捉えることができます。

暖域にある街を寒冷前線が通過して、街が寒域に移る様子のモデルです。

  • 暖域から寒域に移行するので気温が低下する
  • 湿潤空気から乾燥空気に移行するので湿度が低下する
  • 南西方向の風が西~北西方向に変わる
  • 降水量が増加する

このような変化を図10の中で探すと下図の赤い気温低下青い風向変化に気づきます。

露点温度の変化と降水開始など、別の要素も観測されていますが、設問では『気温と風向に着目して』と指定しているので、気温と風向きだけに焦点を絞ります。

3日の3時から4時の間に、気温が29℃から25℃まで4℃低下し、風向が南西風から西風に変化しています。

このことから、3日3時過ぎてから前線通過が始まり、4時には通過したと見られます。

答えが3時か4時か迷った人がいると思いますが、冷静に考えてみてください。
3時にはまだ始まっていないのですよ。
問題では『通過した』日時を求めています。つまり過去形ですから、3時ではなく4時と答えるべきです。

通過した日時:「3」「4」

根拠:
北上大の解答
『気温が29℃から4℃低下し、風向が南西風から西風に変化した。』(30字)
模範解答
『気温が4℃急下降し、風向が南西から西に変化したため。』(26字)

ところで、3日4時ということは、初期時刻から19時間後ですね。
前問の問3(1)で前線解析した結果によると、24時間後でも前線は松江を通過していませんから、19時間で前線が通過したとすると整合性が取れなくなります。

しかし、こんなところにこだわっても仕方ありません。
予想と実況の違いなのでしょう。

これを意識したからなのか、問題文にもこんなことが書かれています。
『ここで「通過した日時」とは、この図において前線が通過したと判断される最初の日時とする』って。

第50回気象予報士試験 実技1 問4(2)

赤外画像の明るさは『輝度温度』で表現されています。
白い色ほど気温が低く(高度が高い)、黒い色は気温が高い(地表に近い)のです。

P領域:雲頂高度 雲の種類
赤外で暗いことから雲頂高度が「低い」ことが分かります。
可視画像で薄明るくペールで包んだような滑らかな画像は層雲の特徴です。
これだけ条件が揃ったら、「層雲」ですね。

根拠:(30字)
北上大
「赤外画像で暗く可視画像は薄明るくベール状で滑らかであるから。」(30字)
模範解答
「赤外画像では黒く、可視画像では白く一様に広がっているため。」(29字)

Q領域:雲頂高度 雲の種類
赤外で白いことから雲頂高度が「高い」ことが推測できます。
可視画像でも白く雲頂に明暗がはっきりした凹凸があるので対流雲です。
雲頂高度が高い対流雲といえば「積乱雲」です。

根拠:(40字)
北上大
「赤外画像で白く、可視画像でも白く雲頂に明暗がはっきりした凹凸があるから。」(36字)
模範解答
「赤外画像では明白色の雲の塊、可視画像では明白色で凹凸のある雲の塊が見られるため。」(40字)

第50回気象予報士試験 実技1 問4(3)

松江の950hPaの空気を880pPaまで上昇させたときのエマグラム上の動きは下図のようになります。

950hPaのAの空気を、乾燥断熱線に沿って湿度を上げながら上昇させます。

930hPa付近で凝結して完全に飽和してから、湿潤断熱線に沿ってさらに強制上昇させて、88hPaに達してBの空気になります。

さて、問題は、Bの空気をここで空中に放して自由にしたら、上昇するかしないかと問われています。上昇するならどこまで上がるか、と。
イメージとしては、重さを持たない超薄皮の風船にBの空気を詰めて空中に放したら上昇するかどうかという質問です。

上昇するかしないかは、周辺の環境空気より軽いか重いかを問われているのです。
周辺の環境空気とは、Cの空気のことです。
状態曲線は、その高度の環境の空気の気温を示しています。

重いか軽いかは温度で決まります。

Bの空気の温度は17℃で、Cの周辺の環境空気の気温は19℃です。
温度が低いので、Bの空気を詰めた風船は上昇することができません。

正解は「ア:上昇しない」です。

動画解説

模範解答

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