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すねゲスト
先日行われた57回の問11の問題について質問です。
正式な回答は2となっています。しかし、bについては海洋に貯蓄されるエネルギー量は約9割ではなく約6割と記憶していました。また、cについては間違っている箇所はないように思えます。よって3だと思ったのですがどこが違うのでしょうか。わかる方いらっしゃいましたら解説お願いしたいです。
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ヨハンゲスト
すね様
突然失礼いたします。ヨハンというものです。
ちょうど昨日、第57回の学科一般の問題を解いたところでしたので、微力ではございますが解説できればと思います。まず、問11のbですが、IPCC第5次評価報告書(IPCC 2013)によると、1971年から2010年の40年間の地球上の熱エネルギー増加量の60%以上は海洋の表層(~水深700m)、約30%は海洋の深層(水深700m~)に蓄えられたとしています。つまり、海洋全体では約9割といって問題ないと思います。
次に、cですが、これはひっかけ問題ですね。私も1月と7月を間違えたり、北半球と南半球を間違えたりと、何かと試験本番では苦労しました…。IPCC第4次評価報告書(IPCC 2007)では、海面水位上昇の要因として、以下の4つを挙げています。
・海水の熱膨張
・氷河・氷帽の融解
・グリーンランド氷床の融解
・南極氷床の融解
問題文中では「北極海の海氷の融解」となっているため、南極の氷や山岳氷河等、本来陸地に存在する氷とは違って、溶けても海面上昇にはほとんど寄与しないと言えます。参考文献
IPCC, 2007: Climate Change 2007: The Physical Science Basis. Contribution of Working Group I to the Fourth Assessment Report of the Intergovernmental Panel on Climate Change [Solomon, S., D. Qin, M. Manning, Z. Chen, M. Marquis, K.B. Averyt, M. Tignor and H.L. Miller (eds.)]. Cambridge University Press, Cambridge, United Kingdom and New York, NY, USA, 996 p.
IPCC, 2013: Climate Change 2013: The Physical Science Basis. Contribution of Working Group I to the Fifth Assessment Report of the Intergovernmental Panel on Climate Change [Stocker, T.F., D. Qin, G.-K. Plattner, M. Tignor, S.K. Allen, J. Boschung, A. Nauels, Y. Xia, V. Bex and P.M. Midgley (eds.)]. Cambridge University Press, Cambridge, United Kingdom and New York, NY, USA, 1535 pp. -
MARKゲスト
bについては、IPCC第6次報告だと思いますがその関係の環境省の以下の資料、https://www.env.go.jp/press/files/jp/112419.pdf
のA2に、「世界全体の海洋は、ほぼ確実に 1970 年より弱まることなく昇温しており、気候システ
ムにおける余剰熱の 90%を超える熱を取り込んできた(確信度が高い)。」
とあります。
cについては、開票の融解により海水の体積は増加しますが、その分海氷の体積が減少するので、「海水の増加が海面上昇には結びつかないということです。
念のためですが、海面に沈んでいる海氷の体積とそれが溶けて水になった時の体積は同じのため、氷が溶けても体積は増えません。
なお参考ですが、上記資料、A3には「世界平均海面水位(GMSL)は、グリーンランド及び南極の氷床から氷が消失する速度の増大(確信度が非常に高い)、氷河の質量の消失及び海洋の熱膨張の継続により、ここ最近の数十年加速化して上昇している。」
とあります。
今回私は受験をしましたが、問11については、同じように誤答してしまいました。そのためもあり、自己採点の結果ギリギリのところで3/11を待っている状況です。 -
MARKゲスト
すみませんでした。誤字がありました。あわせて一部追記しました。こちらを「正」として下さい。bについては、IPCC第6次報告だと思いますがその関係の環境省の以下の資料、https://www.env.go.jp/press/files/jp/112419.pdf
のA2に、「世界全体の海洋は、ほぼ確実に 1970 年より弱まることなく昇温しており、気候システムにおける余剰熱の 90%を超える熱を取り込んできた(確信度が高い)。」
とあります。
cについては、海氷の融解により海水の体積は増加しますが、その分海氷の体積が減少することで、「海水の増加が海面上昇には結びつかないということです。
念のためですが、海面に沈んでいる海氷の体積と海氷全体が溶けて水になった時の体積は同じのため、氷が溶けても体積は増えません。(水に浮かんでいる氷は表面が空気中に出ています。)
なお参考ですが、上記資料、A3には「世界平均海面水位(GMSL)は、グリーンランド及び南極の氷床から氷が消失する速度の増大(確信度が非常に高い)、氷河の質量の消失及び海洋の熱膨張の継続により、ここ最近の数十年加速化して上昇している。」
とあります。
今回私、気象予報士試験を受験をしましたが、問11については、同じように誤答してしまいました。そのためもあり、自己採点の結果ギリギリのところで3/11を待っている状況です。 -
yoshiゲスト
以下参照
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p10.html
地球全体で蓄積された熱エネルギーの9割以上は海洋に吸収されていますhttps://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p07.html
水温上昇にともなう海水の膨張や、氷床や氷河が融けて海に流れ込むことなどによって、世界平均の海面水位は上昇しています。 -
yoshiゲスト
こんな記述もあります。
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p10.html
1971年から2010年までの40年間に地球全体で蓄積された熱エネルギーの9割以上は海洋に吸収されていますhttps://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p07.html
水温上昇にともなう海水の膨張や、氷床や氷河が融けて海に流れ込むことなどによって、世界平均の海面水位は上昇しています。 -
スネーーゲスト
ヨハン様,MARK様,yoshi様,丁寧なご説明ありがとうございました.
次,似たような問題が出たときはしっかり正解できるよう精進いたします.
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