ウィンドプロファイラについて教えて下さい

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    • #14422
      虎二郎
      ゲスト

      「ウィンドプロファイラは、上空の風を高度300m毎に、10分間隔で観測していて、地上から上空に向けて電波を発射し、上空の大気で 散乱され再び地上に戻ってきた微弱な電波の周波数偏移を測定することで上空の風を観測している。」ということなのですが、1つ教えていただきたいことがあります。
      それは、「微弱な電波」を「高度300m毎」に発信して、受信をするという方法を繰り返しているのでしょうか。具体的には、1回目は地上300mをターゲットに、2回目は地上600mをターゲットに・・・、最後の40回目に地上12kmをターゲットに電波を発信して受信している、ということなのでしょうか。
      それとも1回の電波の発信で高度300m毎に40断面の風を把握できるのでしょうか。
      教えていただけると幸いです。
      よろしくお願い致します。

    • #14442
      Prometheus
      ゲスト

      結論から言うと1回の電波の発信で複数の高度の風を把握しているようです。

      情報通信研究機構沖縄電磁波技術センターの資料に分かり易い図が載っていたので、これを使って説明します。

      図では左右の軸が時間で上下の軸が高度です。三角形がいくつか並んでますが、ひとつひとつが1サイクルの観測に相当します。

      左端のピンク色の右上がりの直線が電波(パルス)の発信を示しています。このパルスは複数の高度で反射されて戻ってきますが、発信してから地上に達するまでの時間で反射された高度が分かります(上空ほど時間が長い=図では右側)。また、戻ってきた電波と発射した電波の周波数を比較すれば、ドップラー効果に基づき反射された高度での風速ベクトルの電波に平行な成分が分かります。

      なお、パルス幅(持続時間)を小さくすれば高度の精度は向上しますが、戻ってくる電波のエネルギーが小さくなってノイズに弱くなり観測される風速の精度が低下します。そのため、高度の分解能と風速の正確さの妥協点として分解能が300mとなるようなパルス幅が採用されていると思われます。

    • #14448
      虎二郎
      ゲスト

      Prometheus 様
      解説、ありがとうございます。
      ウィンドプロファイラについてイメージができるようになりました!

      ウィンドプロファイラや数値予報など、
      情報(データ)はホームページなどで手軽に入手することができるのですが、
      その情報を支えているテクノロジーは非常に高度ですね。

      ありがとうございました。

      • #14466
        Prometheus
        ゲスト

        虎二郎さん:

        今まで自分が学習でスルーしていた事柄に関する質問だったので、改めて調べて勉強になりました。

        なお、Wikipediaの「ウインドプロファイラ」によれば、高さによって複数の周波数帯が使い分けられているようですが、気象庁の場合は1.3GHz付近とのことです。

        なお、ウィンドプロファイラの原理が、

        (1) 上空に電波を発射して
        (2) 反射波が帰ってくるまでの時間で高度を特定し
        (3) 周波数のズレで風速を観測する

        であることは変わらないでしょうが、使われる周波数や電波の発信パターンなど観測技術については今後改良が加えられる可能性があります。

        このように、専門知識は新しい情報(と言ってもあまり直近だと出題に反映されない)に基づいた学習が必要で、随時気象庁の資料や至近の問題などで確認することをお勧めします。但し(少なくとも試験対策としては)あくまでも気象への応用を念頭に置いてポイントを絞った学習が必要である一方で、当該分野に関するある程度の理解は不可欠であり、力加減が悩ましいところです。

        なお、気象学については虎二郎さんが書かれている高度な観測技術に加え、バックグラウンドとしてビッグデータの解析やAIによる予報や、衛星の打上げ・制御など様々な先端技術が。応用面では服装や家事などの日常生活から産業、運輸、国土保全、再エネ、地球環境など幅広い分野が。そして何よりも、気象学自体がオゾンの生成・分解のような原子・分子レベルから太陽系の惑星の違いに至るまで、さまざまなスケールの現象を包括していることも面白さの要因なんだと思います。

        • #14472
          虎二郎
          ゲスト

          Prometheus 様

          気象予報士の勉強を始めたばかりなのですが、
          自分が知りたかったり興味があったものに対して、
          試験合格のために覚えなければならないことの方が膨大にあり、
          少々呆然としています(苦笑)。

          >さまざまなスケールの現象を包括している・・・
          その通りですね!
          楽しみながら勉強していこうと思います。

          今後ともよろしくお願い致します。

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