私見ですが「気圧の谷の軸」という用語が、この話の分かり難さの一因のように思います。
具体的に言えば「気圧の谷の軸」は地上の低気圧の中心と上空の低気圧の中心を結んだ鉛直に近い線ですが、気圧の谷は天気図上で周囲よりも低圧あるいは等圧面が低い部分を結んだ水平に近い線です。つまり「気圧の谷の軸」は「『気圧の谷』の軸」ではないと言うことです。
ちなみに英語で気圧の谷はtroughですが、その中心軸(実技の試験で「解答用紙の500hPa高層天気図に太線を引け」などと指示されるアレです)はaxis of a troughで、直訳するとこちらが「気圧の谷の軸」になります。
一方、日本語の「気圧の谷の軸」に相当するものは英語ではaxis of a depressionで、敢えて訳せば「低気圧の軸」でしょうか。
出典はアメリカ気象学会HPの用語集です。