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2019年12月26日 00:54 #13589aikichiゲスト
こんばんは。
北上さんのサイトのおかげでかなり古い過去問まで勉強することができ、ホントありがたいです。
その中でどうしても分からない問題がありましたので、教えていただくと幸いです。
タイトルにも書きましたように、第17回学科試験一般知識の問7についてです。
この問題では水平収束・発散の鉛直分布から鉛直方向の上昇流及び下降流の分布図を答えろ、というものです。
内容としては、水平収束・発散の鉛直分布が
1000ヘクトパスカルは水平収束・発散ゼロ
800ヘクトパスカルは水平収束マックス
600ヘクトパスカルは水平収束・発散ゼロ
400ヘクトパスカルは水平発散マックス
200ヘクトパスカルは水平収束・発散ゼロこれに対応する鉛直流の分布図の模範解答は4番で、どんな図かというと
1000ヘクトパスカルと200ヘクトパスカルは鉛直流ゼロ
あとは、1000~600ヘクトパスカルは少しずつ上昇流が増加し
600ヘクトパスカルで上昇流マックス、
600~200ヘクトパスカルは少しずつ上昇流が減少
というものです(ゼロをはさんで下降流側に曲線が行くことはない)これだと、最近でいうと49回の問7で似たような問題がありましたが、49回問7の正解の考え方でいくと
(質量保存の法則、収束するところは鉛直流ゼロ・・・同じだけの上昇流と下降流がある)上の4番のような図にはならないのではないかと思います。鉛直流分布に関するほかの選択肢で、2番が
1000ヘクトパスカルと200ヘクトパスカルは鉛直流ゼロ
1000~800ヘクトパスカルでは下降流側に膨らんで800ヘクトパスカルでゼロ(水平収束マックス)
800~400ヘクトパスカルでは600ヘクトパスカルが上昇流がマックスとなるように上昇流側に
膨らんでいる
400ヘクトパスカルで鉛直流ゼロ(水平発散マックス)
400~200ヘクトパスカルは下降流がに膨らんでいる
というもので、私はこちらが正解かなあと思っています。何時間もにらめっこしましたが、正解が4番になる理由がどうしても分かりません。
文章が長くなりわかりにくくなって申し訳ないのですが、アドバイスなどいただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。
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2019年12月27日 12:24 #13594Prometheusゲスト
収束・発散と上昇流・下降流の状況を解明するには連続の式(質量保存則)を使います。連続の式というのは「ある領域の中に流入した空気の量は、中に貯また空気の量と流出した空気の量の和に等しい」と言うことです。具体的にはどういうことなのか本問で見て行きましょう。
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(a) まず1000hPa面より上で800hPa面より下の気層を考える
この部分を側面から眺めてみると……
題意より下面の流入・流出はゼロ(上昇流も下降流もない)。
図より1000hPa~800hPaでは収束。即ち左右の側面から流入がある。
従って連続の式により上面(800hPa面)は流出である。即ち「800hPa面は上昇流である」。(b) 次に800hPa面より上で600hPa面より下の気層を考える
上記(a)により下面(800hPa面)からは「流入」である。
図より800hPa~600hPaでは収束。即ち左右の側面から流入がある。
従って連続の式により上面(600hPa面)は流出である。即ち600hPa面は上昇流である。
なお、この流出量は下面(800hPa面)の流入に側面からの流入が加わるため「600hPaは上昇流で800hPa面の上昇流よりも強い」。ここまでで[4]が正解だと分かりますが続けます。
(c) 600hPa面より上で400hPa面より下の気層を考える
上記(b)により下面(600hPa面)からは強い上昇流により強い流入。
一方、600hPa~400hPaでは「発散」であるが、この発散の大きさは800hPa~600hPaでの収束と同じ大きさで逆符号である(収束・発散を示す線と縦軸で囲まれた領域の面積は800hPa~600hPaの部分と600hPa~400hPaの部分で同じなので)。
つまり800hPa~600hPaの収束と600hPa~400hPaの発散が打ち消し合うので「400hPaは上昇流だが600hPa面の上昇流よりも弱く800hPaにおける上昇流の大きさと同じである」。(d) 400hPaより上で200hPaより下の気層を考えた場合については……上と同じような考え方で解けるので、やってみて下さい。
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なお、49回の問7は、本問とは逆に鉛直流が与えられていて収束・発散を求める問題ですが、解説図が意味するところは「収束するところは鉛直流ゼロ」ではありません。収束している部分に下から上昇流が来る場合があり(上記解説(b)参照)、そのときは収束している部分の上側には下からの上昇流よりも強い上昇流が発生します。
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気象現象は三次元に時間的変化が加わった四次元の現象であり、特に、文字からイメージするのは大変です。ただ、複雑な現象であっても連続の式や質量保存などの基本原理は成り立ちます。
なお、本問は定常流で時間的変化なし・奥行方向が省略可能で二次元で理解可能です。紙の上に図を描きながら(a)(b)(c)の解説を読んでみて下さい。
解説で分かり難いところや間違いがあればレスお願いします。
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2019年12月28日 23:58 #13601aikichiゲスト
Prometheusさま
返信が遅くなり申し訳ありません。
非常にご丁寧な解説をありがとうございました。感謝感激です!
Prometheusさまの解説をじっくりと紙に書いてイメージしてみました。
解説のとおり紙に書いてみました。目からうろこが落ちたような思いです。わかりやすいです!!一つだけお尋ねです。49回問7では4番が収束していてここは上昇流も下降流もゼロになっているのですが、
収束しているのにゼロになるはずがなく上昇流と下降流がそれぞれ等しくプラマイゼロだと思います。
そしてこの問題ではある一つの面をとらえて、そこに上昇流と下降流が存在しているようなイメージに見えます。
こう考えると、17回問7のたとえば、400ヘクトパスカルでは発散要素が強くてこの面では上昇流と下降流がどちらも存在しているけど、上昇流の方が強いから分布図でも上昇流側にグラフが来る、という見方もできるのでしょうか?何だか分かりにくい質問で申し訳ございません。目からうろこが落ちた後、またまたうーんと唸ってしまったもので。
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2019年12月30日 16:13 #13613Prometheusゲスト
>一つだけお尋ねです。49回問7では4番が収束していてここは上昇流も下降流もゼロになっているのですが、
>収束しているのにゼロになるはずがなく上昇流と下降流がそれぞれ等しくプラマイゼロだと思います。確かに④においては上昇流も下降流もゼロであり、収束も発散もゼロになってしまうように思えますが、それは厚さゼロの気層を考えたために側面からの出入りもゼロのように思えてしまったからです。
④を含む薄い気層(但し厚さはゼロではない)を考えてみましょう。このそうすると、鉛直流のグラフにより④の少し上では上昇流、少し下では下降流になっています。そうすると、この薄い気層の上面からは流出、下面からも流出となっているためこの気層は収束であることが分かります。
①も同じようにすれば解けますが、上昇と下降が逆になっていることに注意して下さい。
また、③を含む薄い気層(但し厚さはゼロではない)を考えます。③では上昇流が最大値ですが、③の少し上では上昇流が最大値から少し減ります。③の少し下でも上昇流が最大値から少し減ります。だとすると、この薄い気層の上面の上昇流による流出と下面の上昇流による流入は等しくなり、ここは収束でも発散でもないことが分かります。
⑤も③と同じように考えれば解けます(①と同じく上昇流と下降流の違いに注意)。
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2019年12月31日 14:18 #13614aikichiゲスト
Prometheusさま
メールありがとうございます。
薄い層で考える、理解できました。やっとイメージがしっくりいきました!
年末のお忙しいところ、ご丁寧な説明感謝いたします。
引き続き、がんばります。
ありがとうございました。
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