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2017年8月29日 08:39 #7224古久根 敦ゲスト
皆さん,おはようございます.
別スレを立てさせていただきました.各問題への疑問はこちらのトピックで一緒に考えていきましょう!(^.^)
とりあえず,私の解答速報を再掲します(^0^;)
第48回学科一般 解答速報 by 古久根予報士
※これも参考程度に.正式には支援センターの解答発表をお待ちください(m_m)
※私自身確信が持ちにくい問題は問1と問13(^0^;)問1:4
重力加速度は一定ではないことと静力学平衡を仮定してよいという前提条件が問題にないため5は不可.単位体積の空気塊を考えてその質量はA<B<Cであること(TA>TB>TCかつRA>RB>RCより分子量の小さい水蒸気を多く含み気温が高いほど質量は小さくなる)と,層厚がA<B<Cであるため気層の体積がA<B<Cであることをあわせ,4が正解.別解として静力学平衡と重力加速度の前提をおいてみる.静力学平衡の仮定により,浮力(気層上部と下部の気圧差がもたらす)と気層の重さ(質量ではない)がつり合うとすると,M=⊿p×S/g(M:気層の質量,⊿p:気圧差,S:気柱の底面積,g:重力加速度).⊿p,SはA~Cで同じだが,gは高度差によって gA > gB > gC の差が生まれる.よって MC > MB > MA となる(この論理に一理あると考えるため5は不可とした).問2:3
未飽和湿潤空気塊なので持ち上げ凝結高度が1000hPaより上層に存在し,この高度から湿潤断熱線で1000hPaまで降ろせば湿球温位,乾燥断熱線で降ろせば温位となるので,θw < θ.さらに相当温位は温位に水蒸気による潜熱を加えたものだからθ < θe.よってθw < θ < θe.空気塊を断熱的に上昇させたとき飽和してもしなくても保存されるのは湿球温位θwと相当温位θeの2つ.問3:2
対流不安定は気層全体を持ち上げたとき気層の気温減率が大きくなることを意味する.さらに気層の下層では持ち上げ凝結高度までは乾燥断熱減率,その後湿潤断熱減率,気層の上層では湿潤断熱減率で持ち上げられるという気温減率の差によって気層全体の気温減率が大きくなる.本来は問2の湿球温位で考えると便利だが割愛(^0^;)
問4:5
(a)は水蒸気フラックスを考えると,円柱側面にはρ×q(kg/m^3)の水蒸気が流入しており,その流入が風速v(m/s)の風でもたらされているので,ρqv(kg/m^2・s).(b)πr^2P/3600とρqv×2πrHが等しいのだkら,P=7200Hρqv/r.これに与えられた数値を代入すればP=40
問5:5
暖かい雨と冷たい雨の過程について参考書の解説通り.問6:1
(a)春分の正午であることに留意.この日時の太陽高度はX:90-60=30°,Y:90-0=90°であり,垂直に受ける単位地表面の太陽放射強度をIとすると,単位地表面が受け取る放射強度はX:I×sin30°=0.5×I,Y:I×sin90°=I.よって0.5倍.(b)与えられた放射平衡の等式により,左辺の2倍の差を右辺の地表面温度の4乗で等しくしなければならないので,2の4乗根,すなわち1.19.問7:3
2つの考え方がある.一つは下層から上層に向けての風が時計回りか反時計回りか.暖気移流は北半球では時計回り,南半球では反時計回り.もう一つは温度風ベクトルの左側と右側の寒気と暖気を図示すること.温度風ベクトルに対し北半球では右側に暖気,南半球では左側に暖気.これを1000hPa面と500hPa面の風向で判断する.問8:1
一般気象学第2版「傾圧不安定波」p.189~190の解説の通り.問9:4
留意すべきは気温差がもたらす層厚の違いと,地表面の海陸風に対する上層の反流の存在.海風で海側の方が低温による層厚の小ささと,上層の反流を説明できている4のみが正解.問10:4
成層圏突然昇温の基本問題(^0^;) 参考書の解説の通り.問11:1
(c)では海洋中の二酸化炭素が海洋から大気中へ放出とあるが,地球全体で考えれば海洋は二酸化炭素を吸収し温暖化の進行を抑制していると考える.もちろん海面水温の上昇によって吸収度合いは弱まるものの,大気中の二酸化炭素濃度の上昇速度が加速されるほどではない.問12:3
(b)は桜の開花予想は気象業務法が定める気象の予想には該当せず,予報業務の範囲の変更について対象外.(c)は気象長官への報告であり許可ではない.問13:4
(a)は気象業務法第四九条(第四九条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関し、第四十四条、第四十六条又は第四十七条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。)に該当し,他の者以外にも従業者にも罰則が科される.(c)は気象業務法の定める罰則には該当しないので登録抹消に関する欠格事由には該当しない.問14:4
4は「予測」ではなく「予想の発表」である.問15:2
(c)は気象台長ではなく海上保安官である. -
2017年8月29日 08:49 #7225古久根 敦ゲスト
問1の重力加速度ですが,気象観測の手引きにもありますが,気圧について補正を行う際,地点や高度による重力加速度の違いを考慮した補正が行われています.理論を構築する上では重力加速度は一定とした方が展開しやすいだけであって,観測という観点では重力加速度の補正は大切になってきますので,気象とは言え,重力加速度は一定ではないという知識は重要です..
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2017年8月29日 13:27 #7229あつひろゲスト
ウルトラゾーン様から頂いたご回答(#7226)をこちらにも貼り付けておきます。
元々は古久根様に私がした質問に、補足する形でご親切にご説明くださったものです。私の元々の質問は、問5について、cの過飽和・未飽和の選択は古久根様の速報解答とは違うのではないかというもので(#7216)、その根拠は「らくらく突破」(#7221)や「一般気象学」(#7227)の説明から来るものだということでした。
以下ウルトラゾーン様のご回答(#7226)より抜粋です。
———————————–
> >「未飽和=飽和するまで取り込む余裕がある=まだ水蒸気を取り込める=氷晶が成長する・・・ではないのでしょうか?
> 過飽和=もう十分飽和している=それ以上水蒸気は取り込めない=氷晶が成長しない・・・となるように考えているのですが。」
>
> についてですが、未飽和、飽和というのは水滴や氷晶が取り込める水蒸気についてではなく、その周りの湿潤空気についての話しです。
> なので、未飽和=水滴や氷晶の周りの湿潤空気がまだ水蒸気を取り込めるので水滴や氷晶に凝結や昇華する力が弱いため、水滴もしくは氷晶は成長しにくい。
> 逆に、過飽和=水滴や氷晶の周りの湿潤空気が飽和を過ぎて水蒸気を取り込んでしまっているので、それを解消すべく水滴や氷晶に凝結、昇華しやすい。
> となります。
> (実際には水滴や氷晶の表面では水蒸気が凝結、昇華するとともに、その反対の反応である水滴や氷晶からの蒸発や昇華が起こっていて、その両者の反応が平衡状態にあります。この平衡状態が、温度や湿度などによって水蒸気側に移動したり、水滴・氷晶側に移動したりします)
>
> (たくらく突破)は私も持っていました(2014年1月10日第2版第4刷発行)ので
> 早速確認してみると69ページの最下段~70ページ1行目に載っていました。
> まさに冷たい雨と暖かい雨の項目ですね。
> 少し前から書くと
> 「水雲と氷晶雲が共存している場合は、氷雲が急激に成長します。これは同じ温度でも水に対する飽和水蒸気圧より氷に対する飽和水蒸気圧のほうが小さく、氷雲に対して過飽和度が大きいためです。」
> このテキストは初心者向けに比較的懇切丁寧に解説してあり、重要なところは何度も書いてあったりして著者の熱意が伝わってくるとてもいい本だと思います。ただ日本語表現がおかしい所が時々あって、解釈に悩んでしまう事が度々ありました。でもそれらを加味しても私は総合評価で80点以上をつけますが(ちなみに同じテキストの専門知識編の方は100点です)。
> そこで、問題の上の抜粋した文章を見ると、2番目の文章「これは同じ~」には主語がありません。そのためあつひろさんは、主語を水雲ととらえて、「(水雲は)氷雲に対して過飽和度が大きい」と考えたのではないかと思います。この時の「~に対して」は「~と比較して」の意味ですが、テキストの文章の「~に対して」は「~について」の意味なので、氷雲は過飽和度が大きいという事を言っているのだと思います。
>
> これでつじつまが合いますでしょうか?
> (考えている最中、言葉の迷宮にはまって頭がクラクラしてきました(^_^;)
> 間違った解説をしていなければいいのですが)
———————————–まさに、仰る通り、私の理解では、
[水滴・水雲] <=> [空気中の水蒸気・空気] <=> [氷晶・氷雲]
という位置関係で、水滴、空気(水蒸気)、氷晶、それぞれについて(※←つまり、ここが勘違いのもとだったわけですね)飽和水蒸気圧を考えて(順に ew、ev、ei とします)・・・圧力の高い方から低い方への移動が起こる・・・つまり
ew > ev ならば水滴から水蒸気が蒸発し(水雲は空気に対し過飽和)
ew < ev ならば水蒸気が水滴に付着して水滴が大きくなり(空気は水雲に対し過飽和)
ev > ei ならば水蒸気が氷晶に付着して氷晶が大きくなり(空気は氷晶に対し過飽和)
ev < ei ならば氷晶から水蒸気が蒸発し(氷晶は空気に対し過飽和)
というように理解しています。古久根様の定義では「水で言えば,未飽和とは水分子が水蒸気分子になっていく数の方が多い状態(蒸発)」とのことですが、過飽和・未飽和ともに相転移を想定しての話ですから、「どの相において」という条件が必要だと思うのです。つまり、「水分子が水蒸気分子になっていく状態」を液体の相から見れば過飽和ですが、増える側の水蒸気の相から見ると、これは未飽和な状態だということです。
「一般気象学」では「一般に水蒸気密度が平面の水面に対する飽和水蒸気密度より大きい状態にあるとき、空気は水蒸気で過飽和の状態にあるという」(80頁)と過飽和を定義しているので、ここでは「空気は」と書いてあって、水蒸気の相から見た話であることが明示されています。
それとも、過飽和・未飽和とは、あくまで空気(中の水蒸気)についてだけ考え、水滴や氷晶については過飽和・未飽和という概念はないのでしょうか?
それならば、空気が水滴に対して過飽和か未飽和か、空気が氷晶に対して過飽和か未飽和かだけを考えればよく、空気の水滴に対する飽和蒸気圧と空気の氷晶に対する飽和蒸気圧とを比べてみて、その大小関係により、水蒸気(空気)が[水滴に対して過飽和になるよりも水蒸気が]氷晶に対して過飽和になる方が起こりやすい・・・などと言うことができそうですね。これだと、ウルトラゾーン様の「未飽和、飽和というのは水滴や氷晶が取り込める水蒸気についてではなく、その周りの湿潤空気についての話し」というご説明ともピッタリ一致しますね。
この考えにもとづいて、問題を見直してみると・・・
氷晶に対しての方が過飽和になりやすければ・・・それを解消するべく氷晶の方に水蒸気が動くので氷晶はどんどん大きくなりますね。水滴に向かってはそれほど水蒸気が動かないのであまり成長しない・・・と。なるほど。ああ、納得しました!
過飽和・未飽和は空気・水蒸気についてだけ考えるのですね!「過冷却水滴,氷晶の飽和水蒸気圧をそれぞれew,ei」というのも、水蒸気から見て過冷却水滴や氷晶がそれ以上水蒸気を受け取らない蒸気圧のことなのですね。なるほど!
「~の水蒸気圧」の「の」の理解がとんでもなく間違ってたみたいです。それ自身「の」ではなくて、(水蒸気が)それに対して「の」という意味なのですね。
古久根様、ウルトラゾーン様、度重なるご説明、どうもありがとうございました。m(_ _)m
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2017年8月29日 17:20 #7233古久根 敦ゲスト
ウルトラゾーンさん,フォローありがとうございました.
水蒸気を主語にするというのをすっかり忘れておりました.式中では暗に言っているのですが...まだまだ修行が...(>o<)
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2017年8月29日 16:17 #7231ウルトラゾーンゲスト
あつひろ様
厳密な解説ができていたのか自信がないので、なんとか納得頂けたようでホッとしました。
法令もそうですが、言葉って難しいですよね。古久根様
問1について古久根様の解説を読む前に自分なりに考えてみました。問題の指示は、MA(900~1000hPaにある大気の質量)、MB(450~550hPaにある大気の質量)、MC(200~300hPaにある大気の質量)の大小関係を特定する事なので、まずはダイレクトに質量を表す式を求めようと
ある高さの100hPa間にある大気の質量をM、その大気の平均密度をρ、その高さの100hPa間の層厚をΔZとすると
質量=密度×体積、気柱の底面積は単位面積と考えて1として
M=ρ×ΔZ×1=ρΔZこの段階ではρもΔZもわかりません。
そこで静力学平衡の式ΔP=-ρgΔZより
(方向の問題ではなく大きさの問題なのでマイナスは単純化のため除去し)
ρΔZ=ΔP/gここで、ん?と思いました。Δpはどの高さでも100hPaなので一定です。
よって
M=ρΔZ=ΔP/g=100/g(相対湿度は罠だったのか!(>_<)全然関係ないじゃん)
という事で、
MAでもMBでもMCでも重力加速度gが一定と考えるならばMA=MB=MCで⑤が正解
と言いたいところですが、古久根様がおっしゃっている通り、問題文にはどこにも「重力加速度はどの高さにおいても一定とする」なんていう記述はないので、厳密には成り立たない。重力加速度は高度が増すにつれて小さくなるので、分母にgがある事から高さが高いほどMは大きくなる。
よって、MC>MB>MAとなり答えは④と導き出しました。ただ古久根様の解説を読むと、静力学平衡を仮定してよいという記述もないとあって、そこが不安材料です。
※試験を作成した人の意図は
(1)大気の質量はどの高さでも変わらないんだよと言いたかったのだが、重力加速度が一定というのを書き忘れた。
(2)大気の質量は重力加速度に反比例する、すなわち高さが高いほど大きくなるんだよと言いたかった。の二つが考えられますが、どちらなのかよくわかりません。でも(1)の場合、厳密には④だと思うので、全員正解、または④も⑤も正解とする。という措置もあるような気もします。
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2017年8月29日 17:18 #7232古久根 敦ゲスト
ウルトラゾーンさん,こんにちは.
私の解答速報の問1の前半の解説は間違いですね(^0^;) 同圧でないのに気温差だけで密度を議論してはいけません(^0^;)
ウルトラゾーンさんの通りの解答が後半に相当し,私の場合は重力加速度は一定でないという仮定で解いています.問1は仮定をどこに置くかで解答が分かれてしまうため,かなり悩ましいですね.でも,ウルトラゾーンさんの考え,素晴らしいと思います!
問題作成者の趣旨が何なのか,ほんとにわからないのですが,支援センターの公式発表があればわかるでしょう(^0^;)
ちなみに,国際標準大気やエマグラムを用いた高層データで実際の大気がどうなのかを計算してみました.
大気密度ρ,層厚⊿Zとすると,
ρA:ρB:ρC = 1.2 : 0.66 : 0.41
⊿ZA : ⊿ZB : ⊿ZC = 0.9 : 1.7 : 3
となって,
MA : MB : MC = 1.08 : 1.12 : 1.23となります.密度差を層厚差が穴埋めした形になっています.国際標準大気などは問題文で与えられた条件を満たすので,実データを用いた検証によると MC > MB > MA となりますね.
すると,ますます静力学平衡を仮定していいのかどうかわからなくなってきました(^0^;) 国際標準大気での検証結果があるゆえに混乱モードです.単純に重力加速度を一定として考えてしまうと,事実と異なる帰結をすることになりますし.
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2017年8月30日 18:45 #7239あつひろゲスト
問13に関連して、質問ではない横道にそれますが・・・この過去問の結果も踏まえた正答に従うとなると、気象予報士の責任は重くなってしまいますね。就職する際とした後と、予報をする都度、雇用者が範囲内の許可を得ているかどうかを把握していないと、[無免許の事実を知っているかどうかにかかわらず!]自身も罪に問われて資格を剥奪されてしまうおそれがあるのですから!
私がその選択肢を誤りと判断した実質的な理由は、実はここでした。そんな重い結果まで、知らないで業務した予報士の責任が重くて良いのだろうかと?私の常識的な判断ではノーだったのですけど、世の中そんなに甘くないのですね。資格を取ったら十二分に気をつけないと。
それで、実際、雇ってもらう身なのに、そんな監視ができるのかなぁと不思議に思うのですけど、就職する際にはこちらに許可事業者の一覧がありますから、業務内容はともかく、免許自体が降りている事業者なのかどうかは[相手に内緒で]確認ができますね。
問題は、範囲の確認と、事後に免許取り消し等の処分が出た場合にそれをどうやって知るか・・・ですが、どうするのでしょうね?資格をお持ちで現役で予報している方々はどうしていらっしゃるのでしょう?
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