確かに0[K]=-273[℃]なのですがK単位の温度は℃単位の温度に273を足した値で、目盛の間隔は同じです。そのため、温度の増減に関する値である断熱減率はK単位でも℃単位でも同じ値になります。
具体例で説明しましょう。
空気塊の温度を25[℃]とします。この空気を凝縮させずに100[m]上昇させたとき温度が1[℃]下がって24[℃]になったならば、乾燥断熱減率は(25-24)[℃]/100[m]で0.01[℃/m]です。
ここで温度を[K]表示すると、上昇前の25[℃]の代りに25+273[K]=298[K]、上昇後の24[℃]の代りに24+273=297[K]を使って計算することになり、乾燥断熱減率は(298-297)[K]/100[m]でやはり0.01[K/m]です。
何故かというと273は℃とKの差(オフセット)なので、上昇前後の増減を考えるときに消えてしまいます。そのため断熱減率は[℃/m]でも[K/m]でも同じ値になります。