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第52回気象予報士試験 一般知識

目次

第52回気象予報士試験 一般知識
問1 問2 問3 問4 問5 問6 問7 問8 問9 問10 問11 問12 問13 問14 問15

問1

第52回気象予報士試験 一般知識 問1

正解はです。

(a)は『低い』

 これを理解できない人は、受験票を剥がして荷物をまとめてすぐに帰ったほうがいいかもしれませんね。

生活で実感できる大気現象の基本中の基本ですから、分からないほうがおかしい。

『対流圏』とは、今、あなたが呼吸をしている生活空間ですよ。
『上部の気温』とは、標高が高い山の上の気温
『下部の気温』とは、海面に近い地上の気温

そりゃ、標高が高い山の頂上が寒いに決まっているでしょう。
当然、正解は『低い』です。

中間圏の気温についても書いてありますが、対流圏で明確な答えが出ているので考える必要はありません。
と言ってしまっては、学習中の初学者に対して不親切なので、『高層大気の絵描き歌』をプレゼントするので、楽しく歌って覚えましょう。

(b)は『高い』

問題を作る人には、もぅちっと考えてもらいたいなぁ。

(a)で『低い』を選択すると(b)は自動的に『高い』になっちまうよ。
こんなら、わしでも答えられるぜ!

高層大気の気温鉛直分布は、『く』の字を2階建てに重ねたような形なので、『成層圏』も『熱圏』も、右上がりなので上部の気温が高くなります。

この点についても、『高層大気の絵描き歌』で再確認してくださいね。

(c)は『200』

『成層圏最下層の気圧』とは、『対流圏界面』の気圧のことです。

上に提案した『高層大気の数え歌』では、切りの良い数字として100hPaを採用しています。

しかし、大気の界面が、常に100.00hPaに固定されるはずもなく、代表的な概算数値であることを理解していれば、『10hPa』か『200hPa』からの選択であれば、『200hPa』を選ぶべきです。

北上大の絵描き歌で『100』と覚えたから答えられなかったという人は、頭が硬すぎます。

界面の気温だって同じことです。
-50とか-80と書いていますが、その意味は概算の数値であり、-50.00℃や-80.00℃ピッタリではありませんので、幅を持っていると理解してください。

(d)は『紫外線による光電離』

熱圏で起きる現象は、と言うことで2択問題になりました。
『光電離』か『ブリューワー・ドブソン循環』か。

これは、知識がないと分かりませんね。

『紫外線による光電離』はあまり学習しないので馴染みが薄いかもしれませんが、熱圏と呼ばれるほどこの付近の大気の気温を上昇させる発熱現象です。

『光電離』が分からなくても『ブリューワー・ドブソン循環』が、成層圏での大きな大気循環で、熱帯で発生したオゾンを極側に運ぶ役割をしていることを、おぼろげに知っていれば、答えられるでしょう。

巻末に解説動画案内があります。

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問2

第52回気象予報士試験 一般知識 問2

正解はです。

(a)は『密度』

同じ圧力と同じ『比容』を持つ乾燥空気

言い切ってしまうと問題があるかな?
同じ圧力と同じ比容の温度が、仮温度の定義なんですね、
比容は、密度の逆数ですから、比熱は関係ない。
この正解は『密度』です。

(b)は『高い』

仮温度の方が『高い』

仮温度の式は、次のように定義されています。

Tv=(1+0.61w)T
・ Tv:仮温度
 w:空気の混合比
 T:乾燥空気の温度

湿潤空気の混合比wは、プラスの数値なので、必然的に Tv>T になります。
一般に、混合比wは、0.03を超すことはあまりないので、無視(Tv=T)しても実質的な影響はほとんどありません。

(c)は『低い』

  1. 仮温度が高いと言うことは、混合比wが大きいことになります。
  2. 混合比が大きいとは、水蒸気の含有量が多いですね。
  3. 水蒸気の分子量が小さいから、空気が軽いのです。
  4. 高度Hでの気圧は、高度Hから大気の上端までの空気の重さです。
  5. 空気の重さが軽いのだから、気圧は『低い』ことになります。

風が吹いたら桶屋が儲かるみたいなロジックですが、順を追って辿っていけば、『気圧が低い』と言う結論に到達します。

巻末に解説動画案内があります。

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問3

第52回気象予報士試験 一般知識 問3

正解はです。

フェーン現象の原理を考える問題です。


フェーン現象の基本は、

湿った空気が山岳を上昇する過程で、
・ 湿潤断熱減率で気温を下げながら、
・ 降水により水分を失って乾燥し、
山越え後は、すっかり乾燥しているので
・ 下降する過程で乾燥断熱減率で気温を大きく上げる

と言う原理です。

上の図では、
上昇流の湿潤断熱減率を0.5℃/100m
下降流の乾燥断熱減率を1.0℃/100m
山越えの高さを2,000m
と仮定したときの、昇温の計算例を示しました。

2000mの山越えでは+10℃の気温上昇になりました。
3000mの山越えであれば、同様の計算で+15℃になります。
4000mの山越えであれば、同様の計算で+20℃になります。

結局、フェーン現象の昇温効果は、湿潤状態で超える山の高さに依存するのです。

さて問題を見てみましょう。
ややこしい条件が書かれていますが、乾燥断熱減率域での上昇時のマイナスと下降時のプラスの値が同じになるので相殺されてしまいますから、計算から除外することが出来ます。

株式や相場で使う『行って来い』という用語があります。
一旦上がったり下がったりした相場がもとに戻ることを言いますが、ちょうどそんな動きです。

下図の赤いラインから下は、『行って来い』なので変化はありませんから無視出来ます。
すると、赤いラインより上の高さが高いほど昇温効果が大きいことになります。

比較をすれば答えがわかるのですが、イメージを確定するために、
仮に、湿潤断熱減率を0.5℃/100m、乾燥断熱減率を1.0℃/100mとして計算してみましょう。

図Aの高さは『500m』

高度差は500m

-0.5℃/100m*500m+1.0℃/100m*500m
=+2.5℃

図Bの高さは『1000m』

高度差は1000m

-0.5℃/100m*1000m+1.0℃/100m*1000m
=+5.0℃

図Cの高さは『750m』

高度差は750m

-0.5℃/100m*750m+1.0℃/100m*750m
=+3.75℃

結果を整理すると

この結果、TB>TC>TA の順番になりました。

この順番はたまたま、0.5℃/100mと1.0℃/100mの数値を使ったからではなく、乾燥断熱減率が湿潤断熱減率よりも大きいことによる結果なのです。

例えば、0.5と1.0の組み合わせを、0.6℃/100mと0.8℃/100mの数値の組み合わせにしても順番は変わりません。

巻末に解説動画案内があります。

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問4

第52回気象予報士試験 一般知識 問4

正解はです。

(a)は『T4

ステファン・ボルツマンの法則です。

(b)は『反比例』

ウィーンの変位則で表現されます。

λm=2897/T
λmは、単位波長あたりの放射強度が最大になる波長(μm)
Tは、温度(K)

(c)は『0.5』

(b)で反比例を答えているので、単純に計算をしてみましょう。

255:6000=x:11
x=255*11/6000
=2805/6000
=0.47≒『0.5』

一般気象学112ページにこんな例題が出ています。

 太陽からの放射を測定した結果によると、その最大値は、0.475μmの青い光だった。
太陽からの放射は、温度が何度の黒体放射に相当するか。
T=2897/0.475=6100(K)
巻末に解説動画案内があります。

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問5

第52回気象予報士試験 一般知識 問5

正解はです。

(a)は『誤』

『表⾯張⼒のために,雲粒が⼩さいほど低い高い過飽和度で⽣成される』

空気中に存在する水蒸気が存在できる限界を超えたときに、水滴が現れます。

ただし、限界をちょっとくらい超えても、表面張力が造粒の邪魔をするのですぐには水滴が生成できません。

水蒸気が空中に存在できる限界を超えたことを、過飽和状態といいます。

水滴が小さいほど表面張力の頑張りが強いので、水滴は出来にくいのです。

だから、雲粒が小さいほど低い高い過飽和度で生成されます。

(b)は『正』

『雲粒が凝結過程によって成⻑するとき,周囲の空気の過飽和度が同じであれば,雲粒の半径が⼩さいほど⼀定時間内での半径の増加量が⼤きい』

(b)は文章通りで正しいです。

(c)は『誤』

『雲粒の落下の終端速度は,雲粒の⼤きさによらないよって異なる

終端速度は、粒径によって異なります。

詳しいことは、『終端速度は rの2乗か、ルート r か』に書きました。

ん? 『雲粒の落下速度』と『水滴の落下速度』って、違う現象なのかな?
おそらく、水滴は大きくて雲粒は小粒なので、この場合は、小粒の霧の計算式が該当するのでしょう。

(d)は『誤』

『雲粒の併合過程では,雲内の雲粒の⼤きさが不ぞろいの場合⼀様な場合よりも,⼤きさが⼀様な場合不ぞろいの場合の⽅が雲粒は速く成⻑する』

雲粒がぶつかり合う確率の問題ですね。

大小様々な雲粒が存在していると落下速度が違うので、衝突する確率が高くなり成長速度も速くなります。

巻末に解説動画案内があります。

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問6

第52回気象予報士試験 一般知識 問6

正解はです。

(a)は『正』

『等圧線に沿った方向』

こんな図で表現されますが、傾度風の風向は等圧線の接線方向になります。
接線方向とは、その瞬間においては『等圧線に沿った方向』なのです。

(c)は『誤』

傾度風の風速は、低気圧の中心から離れるに従って『小さくなる大きくなる

これは逆で、傾度風の風速は低気圧の中心から離れるに従って、大きくなります。

低気圧性循環の傾度風は、次のような順番で決まります。

  1. 気圧の傾きによって気圧傾度力が与えられる
  2. 傾度風の速度と半径rによって、遠心力が決まる
  3. バランスを合わせるようにコリオリ力が決まる
  4. 「気圧傾度力」=「遠心力+コリオリ力」となるまで、2.に戻って傾度風が調整される
  5. 最終的に、傾度風の強さははコリオリ力に比例する

この理論では、中心に近い内側のA点の風が弱いことになります。

(b)は『誤』

同じ地点の地衡風に比べて『大きい小さい

上に書いた理屈で、半径が無限に大きい場合が地衡風なので、遠心力の要素がなくなりますから、地衡風は傾度風よりも大きくなります。

解説動画


動画に使用したスライドも公開しています。

このような解説動画とスライドを、15問全部に用意しています。
関心がある方は、巻末の案内をご覧ください。

巻末に解説動画案内があります。

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問7

第52回気象予報士試験 一般知識 問7

正解はです。

この問題については、2つの考え方を示します。
立体空間をイメージする方法と、温度風ベクトルを盲信(笑)する方法です。

一つ目は立体空間をイメージしなければならないので、想像力を働かせて考えてください。

まず、850hPaの面をイメージしてみましょう。
等高度線の間隔が違うということは、気圧傾度が違うということです。
立体図で示すとこんなイメージです。
(面が見やすいように、南北の方向を旋回しているので、方角に注意してください)

北半球では、平均気温が高い方(層厚が厚い方)を右手に見て風が吹きます。
更に、気圧傾度が大きい部分(南側)の風が強くなります。
850hPa面の地衡風を描写するとこんなイメージになります。

次に、500hPa面の描写をしてみましょう。

『全域で同じ風速の南風が吹いている』
この文章は2つの事柄を表現しています。

  1. 気圧傾度は一定、つまり500hPa面は均一な傾きの平面である
  2. 南風なので、東側の気温が高い(層厚が厚い)

この2つを図示すると、下図になります

850hPa面と500hPa面を重ね合わせると、こんな図になります。

ここまでイメージができれば、答えは自明ですね。

(a)は『正』

『850hPa 面の風速の絶対値は,南側ほど大きい』

2番目の図で見る通り、南側の風速が大きいので(a)は『正』です。

(b)は『正』

『850hPa面と500hPa面の間の気層の平均気温は,東西方向で比較すると東側ほど高い』

東西方向の平均気温の比較ですが、層厚の厚さの比較と置き換えることが出来ます。

緑色で示した東側の面と紫色で示した西側の面では、どちらが層厚が厚いかの問題です。
明らかに、東側が厚い(平均気温が高い)ので(b)は『正』です。

(c)は『正』

『850hPa面と500hPa面の間の気層の平均気温は,南北方向で比較すると北側ほど高い』

(b)と同じことですが、南北方向の比較ですね。

北側の層厚が厚いので平均気温が高く、(c)は『正』です。

(d)は『誤』

『850hPa 面と500hPa 面の間の気層では,平均すると暖気移流寒気移流となっている』

850hPaでは西風、上空の500hPaでは南風ですから、高度とともに風向が反時計回りに回転しています。
つまり『寒気移流』であることを示しています。

したがって、(d)は『誤』です。

ホドグラフによる考え方

温度風の考え方がしっかり理解できていれば、上図のような立体空間をイメージしなくても(b)(c)(d)の判断ができます。

850hPaでは西風、500hPaでは南風の条件でホドグラフを描いてみます。

ホドグラフの数学的な意味付けはとても難しいので、ここでは、作図法だけを説明します。
850hPaでは西風で、500hPaでは南風です。
それぞれの風のベクトルを表す矢印を地表に投影(オレンジ色)して、下層の矢印先端から上層の矢印先端を結んだ矢印(緑色)が、温度風のベクトルを表します。
それぞれの風速が分かりませんので、適当に同じくらいの長さにしますが、この長さは結論に影響を与えません。

下層から上層に向かって反時計回りなので『寒気移流』であることが分かります。
したがって、(d)は『誤』です。

北半球では、暖気側を右手に見て温度風が吹くので、暖気と寒気を描くとこうなります。

ここで、東西方向の平均気温を比較するとこうなります。

東側の方が暖気で温かいので、(b)は『正』です。

同じ図で、南北方向を比較してみるとこうなります。

北側が暖気で温かいので、(c)は『正』です。

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問8

第52回気象予報士試験 一般知識 問8

正解はです。

(a)は『誤』

『主に東西南北方向に熱を輸送している』

ハドレー循環は、赤道付近の熱帯地域の熱で上昇気流が発生して、圏界面付近で上昇できなくなり、南北に別れて、中緯度付近で下降する大気循環です。

熱の南北の移動に関与しますが、東西方向には関係ありません。

(b)は『誤』

『西側では冷たい乾燥した空気が上昇下降し、東側では温かい湿った空気が下降上昇する』

これは、説明の必要がないほど基本的な事項です。
温帯低気圧の発達のメカニズムを復習してください。

分からないときの現場対応としては、こんなふうに考えれば、間違うはずがないでしょう。

 そもそも冷たい空気は重いので上昇するはずがないし、
逆に温かい空気は軽いので上昇したくてしょうがないのです。

(c)は『誤』

『南北方向の温度傾度を強化軽減している』

これも直感的に分かって欲しい基本的な現象ですね。

北の寒気と南の暖気が接触すると、渦巻が出来てかき混ぜられます。
これによって、温度傾度が強化されるか軽減されるか考える必要もありませんよね。

温度傾度が強化されるとは、寒気と暖気がより明確に分けられることです。
温度傾度が軽減されるとは、寒気と暖気の区分が分かりにくくなることです。

やや強引なモデル図ですが、かき混ぜられて寒気と暖気が分けられるはずがないので、こう考えたら、理解しやすいのではありませんか。

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問9

第52回気象予報士試験 一般知識 問9

正解はです。

(a)は『誤』

持ち上げ凝結高度自由対流高度

(b)は『正』

『降水をもたらした積乱雲へ下層の空気が流入することを妨げ』

(c)は『誤』

21時間程度である』

一つの積乱雲がもたらす現象は、30分~1時間程度で局地的な範囲に限られます。
(気象庁サイトより)

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問10

第52回気象予報士試験 一般知識 問10

正解はです。

(a)は『誤』

『オゾン全量が最も多いのは赤道北極周辺』

気象庁のデータによれば、1月のオゾン分布は北極付近でオゾン全量が多く『赤道周辺は少ない』です。
下の図は、2018年1月の分布図です。

(b)は『正』

『気温が最も高いのは南極周辺』

1月の成層圏の気温分布図に着色してみました。
一般に、高度10~50kmが成層圏とされています。
成層圏上部では『南極周辺の気温が高い』ですね。

夏半球では太陽からの紫外線量が多く、これを吸収して発熱するので、夏半球の極側(1月なら南極)から、冬半球の極側(同、北極)に向けて、一方向の温度分布になります。

(c)は『正』

『西風が卓越する』

1月における高層大気の風向分布図です。
ブルーが東風レッドが西風です。
成層圏上部とは、高度50km付近なので『北極周辺では西風が卓越』しています。

成層圏の風向は、温度風の関係で説明できますのよ。
(b)で気温は、南極が一番暖かくて北極が最も寒いんですよね。北半球では、気温が高い方を右手に見て吹きますから、南側を右手に見たら西風になりますよね。南半球では、北半球とは逆に気温が高い方を左手に見て吹きますから、南側を左手に見たら東風になるのです。つまり、(b)が正解できれば、(c)も正解出来るってことですよ。

いやいや、試験場でそこまで冷静に判断するのは、なかなか出来ることではありません。

巻末に解説動画案内があります。

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問11

第52回気象予報士試験 一般知識 問11

正解はです。

平年とエルニーニョ発生時のイメージのアニメーションをご覧ください。
赤道付近の太平洋の断面図で左側がインドネシア、右側が南米です。
海の色は海面水温を、矢印の大きさは風や海流の強さを表しています。
活発な積乱雲の位置が変動する点に着目してください。

(a)は『正』

平年は『西部のインドネシア近海の海面水温が東部の南米沖より高くなっている』

文章通りで正しい。

(b)は『正』

エルニーニョのときは『日付変更線付近から南米沿岸にかけての赤道域で海面水温が平年より高くなる』

文章通りで正しい。

(c)は『誤』

『東風が平年より強く弱くなり』

(d)は『誤』

西部中央部での積乱雲の活動が平年より活発になる』

巻末に解説動画案内があります。

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問12

第52回気象予報士試験 一般知識 問12

正解はです。

(a)は『正』

『気象庁⻑官は,不正な⼿段によって気象予報⼠試験を受けた者,⼜は受けようとした者に対しては,試験の合格決定を取り消し,⼜はその試験を停⽌することができる』

あたり前のことですね。
こんな不正が通るようなら、国家資格の権威が保てません。

(b)は『誤』

『気象予報⼠試験に合格した者は,合格発表⽇から2年間に限り気象予報⼠となる資格を有し,この間に気象庁⻑官に登録申請書を提出して気象予報⼠名簿への登録を受け,気象予報⼠となることができる』

気象予報士登録の期限を定めた規則はありません。
気象予報士試験合格のあと、5年後でも10年後でも登録申請は可能です。

(c)は『誤』

『気象予報⼠が気象業務法の規定により罰⾦以上の刑に処せられたときには,その気象予報⼠の登録は抹消され,その後再び2年間は登録を受けることはできない』

処罰のあと2年間は気象予報士の登録を抹消されますが、その後は通常の申請手続きによって気象予報士の登録を受けることが出来ます。

 (d)は『誤』

『気象予報⼠は予報業務の許可を受けた者のもとで現象の予想にあたっている間を除き,5年ごとに気象予報⼠の登録更新⼿続きをする必要がある

一旦登録した気象予報士登録の更新の規定はありません。

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問13

第52回気象予報士試験 一般知識 問13

正解はです。

(a)は『正』

『気象業務法において,「気象」とは⼤気(電離層を除く。)の諸現象をいい,「観測」とは⾃然科学的⽅法による現象の観察及び測定をいう』

気象業務法第2条

(定義)

第二条 この法律において「気象」とは、大気(電離層を除く。)の諸現象をいう。
2 この法律において「地象」とは、地震及び火山現象並びに気象に密接に関連する地面及び地中の諸現象をいう。
3 この法律において「水象」とは、気象又は地震に密接に関連する陸水及び海洋の諸現象をいう。
4 この法律において「気象業務」とは、次に掲げる業務をいう。
一 気象、地象、地動及び水象の観測並びにその成果の収集及び発表
二 気象、地象(地震にあつては、発生した断層運動による地震動(以下単に「地震動」という。)に限る。)及び水象の予報及び警報
三 気象、地象及び水象に関する情報の収集及び発表
四 地球磁気及び地球電気の常時観測並びにその成果の収集及び発表
五 前各号の事項に関する統計の作成及び調査並びに統計及び調査の成果の発表
六 前各号の業務を行うに必要な研究
七 前各号の業務を行うに必要な附帯業務
5 この法律において「観測」とは、自然科学的方法による現象の観察及び測定をいう。
6 この法律において「予報」とは、観測の成果に基く現象の予想の発表をいう。
7 この法律において「警報」とは、重大な災害の起るおそれのある旨を警告して行う予報をいう。
8 この法律において「気象測器」とは、気象、地象及び水象の観測に用いる器具、器械及び装置をいう。

(b)は『正』

『気象観測の施設の設置を気象庁⻑官に届け出た者は,気象庁⻑官から観測の成果の報告を求められることがある』

気象業務法第6条

 (気象庁以外の者の行う気象観測)
 気象庁長官は、気象に関する観測網を確立するため必要があると認めるときは、前項前段の規定により届出をした者に対し、気象の観測の成果を報告することを求めることができる。

(c)は『誤』

『予報業務の許可を受けている者が気温の観測を⾏い,その観測データを外部に発表せずに予報業務に⽤いるときには,当該観測に⽤いる温度計は気象庁の検定を受けたものである必要はない必要がある

気象業務法第9条

 (観測に使用する気象測器)
第九条 第六条第一項若しくは第二項の規定により技術上の基準に従つてしなければならない気象の観測に用いる気象測器、第七条第一項の規定により船舶に備え付ける気象測器又は第十七条第一項の規定により許可を受けた者が同項の予報業務のための観測に用いる気象測器であつて、正確な観測の実施及び観測の方法の統一を確保するために一定の構造(材料の性質を含む。)及び性能を有する必要があるものとして別表の上欄に掲げるものは、第三十二条の三及び第三十二条の四の規定により気象庁長官の登録を受けた者が行う検定に合格したものでなければ、使用してはならない。ただし、特殊の種類又は構造の気象測器で国土交通省令で定めるものは、この限りでない。

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問14

第52回気象予報士試験 一般知識 問14

正解はです。

気象業務法第18条

 (許可の基準)
第十八条 気象庁長官は、前条第一項の規定による許可の申請書を受理したときは、次の基準によつて審査しなければならない。

一 当該予報業務を適確に遂行するに足りる観測その他の(b)(c)予報資料の収集及び予報資料の解析施設及び要員を有するものであること。
二 当該予報業務の目的及び範囲に係る(d)気象庁の警報事項を迅速に受けることができる施設及び要員を有するものであること。
三 地震動、火山現象及び津波の予報以外の予報の業務を行おうとする場合にあつては、当該予報業務を行う事業所につき、第十九条の二の要件を備えることとなつていること。
四 地震動、火山現象又は津波の予報の業務を行おうとする場合にあつては、当該予報業務のうち現象の予想の方法が国土交通省令で定める技術上の基準に適合するものであること。

(a)は『誤』

『当該予報事項を迅速に利⽤者に伝達できる施設

気象業務法第20条で利用者への伝達の努力を求めていますが、利用者への伝達施設は、許可条件には含まれていません。

 (警報事項の伝達)
第二十条 第十七条の規定により許可を受けた者は、当該予報業務の目的及び範囲に係る気象庁の警報事項を当該予報業務の利用者に迅速に伝達するように努めなければならない。

(b)は『正』

『当該予報業務に必要な観測資料やその他の予報資料の収集の施設

上の条文参照

(c)は『正』

『当該予報業務に必要な予報資料の解析の要員

上の条文参照

(d)は『正』

『当該予報業務の⽬的および範囲に係る気象庁の警報事項を迅速に受けることができる施設

上の条文参照

巻末に解説動画案内があります。

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問15

第52回気象予報士試験 一般知識 問15

正解はです。

①は『正』

『予報業務の許可を受けた者は,当該予報業務の⽬的及び範囲に係る気象庁の警報事項を,当該予報業務の利⽤者に迅速に伝達するように努めなければならない』

気象業務法第20条

 (警報事項の伝達)
第二十条 第十七条の規定により許可を受けた者は、当該予報業務の目的及び範囲に係る気象庁の警報事項を当該予報業務の利用者に迅速に伝達するように努めなければならない。

②は『正』

『海上保安庁の機関は,気象庁から通知された警報事項を,直ちに航海中及び⼊港中の船舶に周知させるように努めなければならない』

気象業務法第15条

 (予報及び警報)
 第一項の通知を受けた海上保安庁の機関は、直ちにその通知された事項を航海中及び入港中の船舶に周知させるように努めなければならない。

③は『正』

『国⼟交通省の機関は,気象庁から通知された警報事項を,直ちに航⾏中の航空機に周知させるように努めなければならない』

気象業務法第15条

(予報及び警報)
 第一項の通知を受けた国土交通省の機関は、直ちにその通知された事項を航行中の航空機に周知させるように努めなければならない。

④は『正』

『市町村⻑は,都道府県の機関から通知された警報事項を,直ちに公衆及び所在の官公署に周知させるように努めなければならない』

気象業務法第15条

(予報及び警報)
 前項の通知を受けた市町村長は、直ちにその通知された事項を公衆及び所在の官公署に周知させるように努めなければならない。

⑤は『誤』

『日本放送協会の機関は、気象庁から通知された警報事項を、直ちに放送するように務めなければならないしなければならない。』

気象業務法第15条

 (予報及び警報)
 第一項の通知を受けた日本放送協会の機関は、直ちにその通知された事項の放送をしなければならない

巻末

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