目次
第54回気象予報士試験 専門知識 問1
正解は⑤です。
(a)は『誤』
雲量が8割なら、天気の判断は『晴』です。
9割以上で『曇』になります。
(b)は『誤』
『薄曇』は上層雲が主体です。
高積雲は中層雲なので、この場合の天気の判定は『曇』になります。
(c)は『誤』
遠くに降水が見えても、観測点で雨が降っていなければ『曇』です。
(d)は『誤』
全天に雲がなく、観測点で雪や雨、その他の気象現象がなければ『快晴』です。
雪が風で吹き上げられて視界が1km未満であれば『地ふぶき』になります。
雪が降っていなければ、雪にはなりません。
第54回気象予報士試験 専門知識 問2
正解は⑤です。
(a)は『誤』
アメダスの気温観測機でも強制通風を行っています。
(b)は『誤』
アメダスの降水観測も0.5mm単位です。
(c)は『誤』
アメダスでも瞬間風速の観測を行っています。
第54回気象予報士試験 専門知識 問3
正解は④です。
(a)は『誤』
高層観測の時刻は世界同時に実施されます。
日本では9時と21時です。
(b)は『正』
GPSゾンデは、位置情報を持っているのでこれを利用しています。
ラジオゾンデのうち風向・風速の測定にGPS信号を利用するものを特に「GPSゾンデ」と呼んでいます。
(c)は『誤』
高層観測は、すべての気象官署では行っていません。
全国16か所の気象官署や昭和基地(南極)で実施しています。
(d)は『誤』
気球の大きさは、地上では直径約1.6mあり、気球の上昇とともに膨張し、高度約30km付近では直径約7mになって破裂します。
中間圏まで到達することはありません。
第54回気象予報士試験 専門知識 問4
正解は③です。
(a)は『誤』
観測値は必ず品質管理とデータ同化の作業を経るので、そのまま解析値となるわけではありません。
もちろん、観測値そのままのデータが解析値として活きることは、ラジオゾンデに限らず普通にあります。
(b)は『正』
台風ボーガスという手法で処理されて、客観解析に利用されています。
(c)は『正』
観測データには、計測器の故障や通信異常などが隠れていることがあるので、基準の範囲から外れるデータは利用されません。
第54回気象予報士試験 専門知識 問5
正解は③です。
(a)は『正』
アンサンブル予報の基本的な考え方を書いている文章なので『正』です。
(b)は『誤』
系統的誤差を軽減できるのはガイダンスであり、アンサンブル予報にはその機能はありません。
(c)は『誤』
逆です。
アンサンブル予報のスプレッドが大きい(振れ幅が大きい)場合は、状況が不安定であり信頼性が低いのです。
(d)は『正』
例えば冬季の関東では降水が少ないので、毎日『降水なし』の予報を出せば、的中する日数が多いのでブライアスコアは良好(値が小さい)ですが、予報精度が良いわけではありません。
このように、『晴が続く』とか『毎日強風が吹く』とか、偏った気象現象が現れることを『気候学的出現率』といい、ブライアスコアの計算結果に影響を与えます。
第54回気象予報士試験 専門知識 問6
正解は③です。
(a)は『正』
降水域のズレのようなランダムな誤差はガイダンスで軽減することが困難です。
(b)は『誤』
解釈が難しい問題ですが、過去問の記録を調べると、モデル地形の誤差による風向の予測誤差を軽減することは出来るので『誤』と判断するようです。
(c)は『誤』
雷に限らず、確率予報は数量の多寡には関係ありません。
降水確率予報で、降水確率が90%だとしても、大雨が降るとは限らないのと同じことです。
第54回気象予報士試験 専門知識 問7
正解は②です。
(a)は『正』
文章通りで正しいです。
(b)は『正』
海上には観測拠点が少ないので、どうしても誤差が大きくなります。
(c)は『誤』
いえいえ、警報や注意報の基礎データとして活用してます。
(d)は『正』
文章通りで正しいです。
第54回気象予報士試験 専門知識 問8
正解は②です。
(a)は『正』
台風が温帯低気圧に変化しようとして途中段階です。
温帯低気圧に構造が変化したときには、中心から離れた場所で雨や風が強まることがあるので、引き続き警戒が必要です。
(b)は『正』
上陸すると、エネルギー源である水蒸気の供給が遮断され、山地や樹木との摩擦によって勢力が損なわれるためです。
(c)は『誤』
傾度風とは、下図のように台風本体の風の原理を表すもので、バランスが変化するとは、何を言っているのか分かりません。
(d)は『誤』
1日先までの台風の予報を3時間ごとに発表します。
1時間ごとではありません。
第54回気象予報士試験 専門知識 問9
正解は⑤です。
(a)は『正』
例えばこんな衛星画像で表されます。
(b)は『正』
前線を伴わない小さな低気圧として描かれることが多いです。
(c)は『正』
日本でもこのような事例がありました。
強風による山陰線余部鉄橋での列車転落事故(1986年12月)
北海道沖での約6千トンの旧ソ連船の海難事故(1981年2月)
(d)は『正』
台風の暖気核と同じように高温域が発生します。
第54回気象予報士試験 専門知識 問10
正解は①です。
(a)は『誤』
事例は少なけれど、2013年の台風18号のように台風から温帯低気圧化後に気圧が低下した例がありますから『誤』です。
(b)は『正』
文章通りで正しいです。
(c)は『正』
下図ようなイメージで、東側の雲域が寒気側に膨らみます。
(d)は『正』
第54回気象予報士試験 専門知識 問11
正解は⑤です。
(a)は『E』
周辺のギザギザの縞模様が、トランスバースラインの特徴です。
(b)は『B』
(a)がE、(c)がAを先に決めると、連なった雲域を有しているのはBです。
(c)は『A』
台風から温帯低気圧化を伺わせる渦構造を有しているのは、先に除外したEを除けばAだけです。
下図の黄色い輪の内部。
(d)は『D』
(a)がE、(b)がB、(c)がAに決まると、残るのはCとDです。
範囲が陸上と海上にまたがり、陸上に積乱雲があるのはDです。
第54回気象予報士試験 専門知識 問12
正解は④です。
(a)は『誤』
集中豪雨の水平スケールは、数10kmです。
10kmでは小さすぎます。
(b)は『正』
集中豪雨時に大気下層の 700~850hPa付近によく出現する下層ジェットがあります。
(c)は『誤』
絶対不安定な層は、直ちに対流活動を引き起こすので、長時間維持することはありません。
(d)は『誤』
集中豪雨は、バックビルディング現象のような線状降水帯(マルチセル)で引き起こされるケースがほとんどです。
第54回気象予報士試験 専門知識 問13
正解は②です。
(a)は『正』
文章通りで、警報や注意報の基準に用いられています。
(b)は『正』
表面雨量指数による危険度は、それぞれの地域の環境によって異なるので、数値の絶対値だけでは決められません。
(c)は『誤』
降った雨が溜まりやすいので、B地点のほうが大きい値になります。
第54回気象予報士試験 専門知識 問14
正解は①です。
(a)は『正』
モデルXのMEによる予測値は -0.5なので、予測値より低めでした。
(b)は『正』
RMSEは、モデルXが√(23/10)、モデルYが√(19/10)なので、モデルYのほうが予測精度良いことになります。
(c)は『正』
真夏日のみのRMSEは、モデルXが√(8/5)、モデルYが√(13)/5なので、モデルXのほうが予測精度良いことになります。
第54回気象予報士試験 専門知識 問15
正解は④です。
この図に対する基本的な認識を示します。
(a)は『誤』
オホーツク海高気圧が発生した夏は、北日本では気温が低くなる傾向があります。
(b)は『誤』
オホーツク海高気圧が発生した夏は、北・東日本の太平洋側は、日照時間が短くなる傾向があります。
(c)は『正』
太平洋高気圧が元気なので、沖縄・奄美では、日照時間が長く気温も高くなりやすいです。
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