第45回気象予報士試験 実技2 問5(1)
前1時間の気温降下量が最も大きいのは、図から見て「19」時であることは明らかですね。
その降下量は、25.1℃-23.2℃=「1.9」℃です。
第45回気象予報士試験 実技2 問5(2)
前問の解析から、20日19時頃(初期時刻から10時間後)に名瀬を通過した前線は、寒冷前線であることが分かっています。
上の図が12時間後ですから、その1~2時間前くらいに、名瀬を寒冷前線が通過したと推測できます。
南風から西北西に変化しているし、気温が大きく低下しているし、データから見ても「寒冷」前線が通過したことは、間違いありません。
通過時刻は、18時でしょうか19時でしょうか。
前線の定義を思い出してください。
寒気と暖気が接する地表面の南縁(暖気側)でしたね。
そうすると、寒冷前線通過時刻は、気温がすでに低下してしまった19時ではなく、下がり始めの「18」時になります。
理由を風向と気温に着目して30字で書きます。
「風向が南から西北西に急変し、気温が急低下し始めたから。」(27字)
模範解答は
「風向が南から西北西に急変し、気温の降下が始まったため。」(27字)
問題文の導入がかなり限定的なので、ほとんど同じ文章になりました。
第45回気象予報士試験 実技2 問5(3)
丸囲み数字は、機種によっては文字化けするので[1][2]を使います。
[1]温位の求め方はグラフから推定します。
状態曲線には、たくさんの情報が埋め込まれているので、情報を取り違えないように気をつけてください。
温位は、最も横に寝た目盛りになりますので、これを読み取ります。
- 925hPaの水平線を引きます。
- 名瀬の状態曲線を挟む2本の乾燥断熱線をピックアプします。
- その間を目分量で5等分して目盛りを付けます。
(試験会場では、実際に線を引かずに目見当で構いません) - 該当する点の値(赤の矢印)を読み取ります。
こうしてみると、298Kと299Kの中間ですね。
正解は「298」Kでしたが、299でも正解です。
わたしは、水平方向の目盛りで読み取りますが、右上に示したように、斜めに読む方法もあります。
[2]これは、混合比を読み取って、式に代入して計算するだけです。
混合比 q=15
温位 θ=298
θe=θ+2.8q
=298+2.8×15
=「340」K
[3] ショワルター安定指数の作図の様子をアニメで示します。
500hPaでは、名瀬の状態曲線と重なっているので、SSIは「0」℃です。
「ショワルター安定指数の説明」もご覧ください。
第45回気象予報士試験 実技2 問5(4)
ショワルター安定指数がゼロなので、大気は不安定で、強い対流活動による気象現象が起きやすいです。
災害御三家の語呂合わせ「積乱雲では落胆と」を思い出してください。
大気現象は
- 「落雷」
- 「短時間強雨」
- 「突風」
模範解答では「降雹」も正解でした。
根拠を30字でまとめる。
「SSIがゼロと小さく大気が不安定で、対流活動が活発になるため。」(31字)
模範解答は
「SSIが小さく大気の状態が不安定で積乱雲が発達しやすいため。」(30字)
積乱雲という用語が入っていないけど、多分大丈夫でしょう。
模範解答