第45回気象予報士試験 実技2 問4(1)
丸囲み数字は、機種によっては文字化けするので[1][2]を使います。
[1]暖気移流判断の最も基本的な問題です。
アニメーションで示したように、上層に行くほど高度に連れて風向が時計回りに変化しているので「暖気移流」です。
鉛直方向の風向変化が、暖気移流か寒気移流かについては、語呂合わせ呪文「6時から9時まで進む暖気移流」を参照してください。
その根拠を30字にまとめる。
「高度上昇に連れて風向が時計回りに変化しているから。」(26字)
30字では長すぎるくらいです。
模範解答は
「風向が下層から上層に向かって時計回りに変化しているため。」(28字)
表現している内容は同じですから、OKでしょう。
[2]逆転層とは、「く」の字型に折れ曲がった部分で、その上端はグリーンのラインの部分です。
左側の目盛りを読んで「700」hPaが答えです。
問3(1)の解答で、前線は「温暖前線」と「寒冷前線」に限られています。
また、上記[1]で、暖気移流を確認しているので、解答は「温暖」前線です。
これは、何も悩む要素がありませんね。
[3]地上の前線との位置関係とは、どういうことでしょうか。
12時間後の状態曲線なので、下の地上天気図のどの地点であるかを問われているのです。
アの状態曲線で分かっていることが2つあます。
- 暖気移流の場である
- 上空3000m付近(700hPa)に温暖前線面がある
この条件を満たすのは、どの辺なのかを考えます。
発達中の低気圧の前面は暖気移流、後面は寒気移流の場になるので、低気圧の前面(進行方向)であろうと予測できます。
上空に温暖前線面(逆転層)がある模式図を描いてみました。
温暖前線の進行方向(前面)の地点であれば、温暖前線に対応する逆転層が上空にあることが確認できます。
以上の考察から、「地上の前線との位置関係」を簡潔に表現すれば「温暖前線の前面」となります。
第45回気象予報士試験 実技2 問4(2)
[1]上記(1)の逆で、上層に連れて反時計回りなので「寒気移流」です。
[2]上の図で見た通り、逆転層の最下層は、「920」hPaですね。
模式図で見ると、青い点の位置にいるはずです。
その成因を30字で、
「寒冷前線が通過後に、大気が沈降して断熱昇温したため。」(26字)
どう表現したら良いのか分からず、こんなふうに書いてみましたが・・・。
模範解答は
「寒冷前線が通過し、前線面より低い層に寒気が流入したため。」(28字)
ふーん、なるほど。
これは、北上大の解答ではダメですね。
第45回気象予報士試験 実技2 問4(3)
雲頂高度は、湿潤域の最上部とみなすので「500」hPaです。
第45回気象予報士試験 実技2 問4(4)
それぞれの雲頂高度は次の通りです。
- アは、全層が湿潤なので、400hPa以上
- イは、逆転層の下端と見て920hPaか、670hPaか?
- ウは、全問の通り500hPa
高い順に並べると
高← ア、ウ、イ →低
の順になります。
第45回気象予報士試験 実技2 問4(5)
図11では、Xの位置が松江で、Yの位置が潮岬だから、数値をそのまま読み取れば良いだけですね。
グラフから、潮岬が「-50」℃、松江が「-10」℃です。
第45回気象予報士試験 実技2 問4(6)
地上天気図に地名を記入してみました。
これまでの親切で丁寧な設問により、
特に、温暖前線と寒冷前線との関わりに注目すれば、
潮岬は「ア」、松江は「ウ」、名瀬は「イ」であることが明らかです。
模範解答
動画解説(13分50秒)
<<第45回実技2問3 >>第45回実技2問5