第41回気象予報士試験 実技1 問2


第41回気象予報士試験 実技1 問2(1)


  丸囲み数字は機種によって文字化けするので、代わりに[1][2]の表示を使います。

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図8上、図9上、図10上の、5760m等高度線を赤で、東経120度線を青で示して、3枚を並べるとこんな感じになる。

北緯は、上から北緯39度、37度、31度で、南下することが分かり、トラフが深くなっている様子が伺える。

問題は、「5760mの等高度線が東経120線を横切る経度の変化とそれに対応する高度場の変化について、緯度値を示して30字程度で述べよ」ということだ。

「高度場」と問われたら『トラフやリッジ、カットオフやブロッキングハイなど』について書けばよい。

明らかにトラフが深くなっているので、それを書けば良いのだろう。

北上大の解答はこうなった。
「緯度値が39度、37度、31度と南下し、同時にトラフが深まる。」(31字)

模範解答は、こうだ。
「等高度線は北緯39°から北緯31°に南下し、トラフが深まる。」(30字)

まぁ、大体良いんじゃないかな。


第41回気象予報士試験 実技1 問2(2)


  丸囲み数字は機種によって文字化けするので、代わりに[1][2]の表示を使います。

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5880mの等高度線を青で、北緯35度の緯度線をオレンジ色で示した。

24時間後には東経133度、48時間後に135度、72時間後には139度付近まで東進していることが分かる。

問題は、「この位置の変化とそれに対応する高気圧の勢力の変化について、傾度値を示して35字程度で述べよ」である。

東経値は、上に示したように、133⇒135⇒139°と東進している。
高気圧の中心位置はほとんど変化なく、等高度線の範囲が小さくなっているので、勢力を弱めていると言える。

これを35字でまとめてこう解答した。
「等高度線は東経133度から東経139度に東進し、高気圧の勢力は弱まる。」(35字)

模範解答はこうだった。
 「等高度線は東経133°から東経139°に移動し、高気圧の勢力が弱まる。」(35字)

ほとんど同じだが、台風や低気圧の移動とは違うので、「東進」という用語は馴染まないかもしれない。
単に「移動」で良いのか。

また、北緯や東経の「度」は、感じではなく記号の「°」を使用しているので、解答には記号の「°」の方が良いようだ。


第41回気象予報士試験 実技1 問2(3)


  丸囲み数字は機種によって文字化けするので、代わりに[1][2]の表示を使います。

[1] 72時間での台風の進路予想を、15字で。

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上の図で見るとおり、北上しているから
「台風は北上する。」
(8字)では、字足らずだなぁ。
〔問2(1)で着目した高度の場から見たときの〕というのがキーワードだな、きっと。
それじゃ、「トラフの縁辺に沿って北上する。」(15字)ではどうだ。
模範解答は
「台風はトラフの東側を北上する。」
(15字)だった。
ふーん。そうなんだ。

[2]台風が次第に東よりに向きを変える予想となっている理由を二つ、それぞれ20字程度で。

一つは、「地衡風の強風軸が東に向いているから。」(18字)だが、もう一つは何だろう?
こんなときは、全問にヒントありと考える。
高気圧の勢力が弱まることを書かせているのだから、きっとこれだろう。
というわけで、「進路を妨げていた高気圧の勢力が弱まるから。」(21字)としてみた。

模範解答は 「日本の東の高気圧の勢力が弱まる。」(16字)
「上層で南西から北東に吹く強風帯に近づく。」(20字)
着眼点は同じだったが、表現が微妙に違う。
ここは、一つ3点の配点のようだが、何点もらえるか分からないなぁ。


第41回気象予報士試験 実技1 問2(4)


  丸囲み数字は機種によって文字化けするので、代わりに[1][2]の表示を使います。

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〔暴風圏の予想図〕
暴風圏の予想範囲を、右の図のように、想像した人はいないでしょうか?

実はこれは間違いです。
台風の位置を、予報円の最大範囲で捕らえていますよね。


でも、問題をよく読むと、
「台風が予報円の中心に沿って進んだ場合」
と書いてあります。
つまり、予報円は関係なくて、中心線だけを考えればよいのです。

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そうすると、範囲はこんな風になります。

ア:沖縄地方
イ:九州南部・奄美地方
ウ:九州北部地方(辛うじて長崎の諸島部分)

が、範囲に入ることが分かります。


〔大しけの範囲〕

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しけの波高の覚え方の呪文は、
「しけでコロコロ、大しけで泣く」でしたね。

しけが、波高5~6メートル
大しけが、波高7~9メートルです。
7メートルの波とは、6.0メートルを超える、つまり6.1メートル以上です。
波浪図では右図で色塗りをした6メートルのラインより内側が大しけになります。

この範囲に接触している地域は、下記4つですね。
ア:沖縄地方
イ:九州南部・奄美地方
ウ:九州北部地方
エ:四国地方


第41回気象予報士試験 実技1 問2(5)


  丸囲み数字は機種によって文字化けするので、代わりに[1][2]の表示を使います。

穴埋め問題です。
台風の温帯低気圧化の典型的なストーリーを語っているもので、[4]の等温線の数値以外は、図11を参照しなくても答えられます。

500hPaでは台風中心付近に([1]暖気核)が存在して台風の構造を保っているが,西側から([2]寒気)が進入し,次第に([3]温帯低気圧)としての性質を持ちつつある。850hPa では([4]15)℃の等温線付近で傾圧性が強まり,前線が形成され始めている。


第41回気象予報士試験 実技1 問2 模範解答


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