- このトピックは空です。
-
投稿者投稿
-
-
2020年5月23日 14:16 #14928
すどー
ゲストこんにちは、いつも参考に勉強させていただいております大学2回生のすどーと申します
高層天気図について勉強を(500hpa面天気図は発散、収束が起こりにくい非発散層である等)しているのですが、
どうも私にはよく分からない事があります。500hpa面で正の渦度があるだけで上昇流があるものなのでしょうか?
正の渦度があってもその下の750hpaや地上天気図で収束が確認出来なければ上昇流は無いものなのでしょうか?すみませんがご教授いただけますと幸いです。
-
2020年5月23日 19:55 #14930
天亀
ゲスト総観規模の現象では、渦度は収束によって大きくなり、発散によって小さくなります。500hPa面では収束や発散が起こりにくいとされており、渦度の変化も小さくなります。このため、擾乱やリッジ・トラフが移動する様子を、500hPa面の渦度を追いかけることによって見ることができるというわけです。
ご質問の件で言うと、500hPa面に正の渦度があるからといって必ずしも上昇流があるとは限りません。上昇流と渦度は、直接にはほぼ関係しないからです。ただ、正の渦度と低気圧は対応しているので、正の渦度があるところでは、上昇流があるところも多いのではないかと思います。
詳しい方がいらっしゃいましたら、追加して説明していただけるとありがたいです。
-
2020年5月24日 08:34 #14932
とうり
ゲスト天亀様が説明されていますので、繰り返しませんが、気象予報士試験実技試験を解いている感じでいえば、そのような理論はないように思われます(あるかもしれません)。しかし、理論上は、説明できそうな気がいたします。 そこで、すどー様も、すでに受かっておられる天亀様もよくわかっておられる(またここの読者も)ことを実技問題(52回気象予報士試験実技2問2)に沿ってみます。①中国大陸の東岸の低気圧のトラフ(低気圧との位置関係)を述べる、ここで正渦度の大きさと位置が重要、②トラフの位置の移動速度を計算、③低気圧の中心と850hPaの相当位置および700hPa面の湿数の場、その傾度で表現する、④新たな低気圧、トラフと下層の暖湿空気がどのような位置か、それらを調べる。書かれておられるように。
長くなりましたが(すいません)、このように上昇流の位置、相当温位の大きいところに回り込む(風向をみて、吹き込む、あるいは、北に突出するところ)ように、一連の流れで、解析することになります。類似の問題は毎年だされるので、実技問題を通じて、与えられた図を基に解析していくしかないのか、と思われます(ちょっと、すどー様の質問から離れました、すいません)。繰りかえしになりますが、与えられた情報で解答していくしかないのではないかなあ、と思います。 -
2020年5月26日 12:13 #14950
すどー
ゲスト天亀様
とうり様とても詳しい解説をありがとうございました!
返信が遅れてしまいすみません
おかげで私でも理解する事が出来た気がしますなるほど
正の渦度があると上昇流があるとは限らないが、
低気圧があるということは言えるしかし、低気圧があると上昇流がある可能性が高いということですね!
すると
低気圧があっても必ずしも上昇流があるとは限らないという事に気づかされますね…
私は低気圧=上昇流と考えていたため、おかげで考え直す事が出来ましたもう少し知りたいのですが、
これは例えば温帯低気圧の場合で考えてみると、
極側の寒気が降りて来ているから以外に何か理由は考えられますか?長文すみません。
-
2020年5月26日 21:54 #14951
天亀
ゲスト少し説明不足だったかもしれません。
「低気圧がある⇒正渦度がある」は正しいです。北半球では低気圧は反時計回りの渦巻きなので、正渦度そのものです。
しかし「正渦度がある⇒低気圧がある」は必ずしも正しくありません。低気圧がなくても、トラフでは部分的に反時計回りの回転をするため正渦度が解析されますし、強風軸の極側にも正渦度が現れます。気象学でいう渦度は鉛直渦度のことで、水平面において風が反時計回りに回転するとき正、時計回りに回転するとき負の値をもちます(水平面を考えているのに鉛直というのは、水平面の回転は鉛直に立った軸まわりの回転とみることができるからです)。渦度の計算においては、定義からいうと上昇流があるとかないとか関係なく、水平方向の風成分がどうなっているかだけが問題になっています。
低気圧は上昇流を伴うという認識については間違っていないと思います。ここまでのことを整理すると、
・正渦度は反時計回りの回転に伴って現れる(低気圧やトラフ、強風軸の極側)
・低気圧があれば正渦度が解析されるが、正渦度があるから低気圧が必ず存在するわけではない
・正渦度は本来上昇流とは関係ないが、低気圧があるところには正渦度があり、低気圧は上昇流を伴うため、正渦度があるところに上昇流があることは少なくないと考えられる。といったところでしょうか。おかしな説明がありましたら、ご指摘いただけると幸いです。
-
2020年5月30日 08:40 #14980
とうり
ゲストすどー様、天亀様の説明に従って、気象予報士試験問題にあたってみましょう。例題は47回気象予報士試験実技試験2問2です。ここでは、低気圧の急速な発達について、「渦度および温度移流」から記述します。一見、「正渦度」と「温度気流」を記述すればいいと思われがちですが、もちろん、出題者はそれをねらって、落とし穴へ。実は「正渦度移流」と「温度移流」。解析を略します。結果は、低気圧が「正渦度の極値を含む強い(これは必須)正渦度移流域にはいること」と「低気圧の前面の暖気移流、後面の寒気移流を伴う(これも必須)」ことを述べることになります。このあたりは、総観規模の上昇流に関連する問題です。
すどー様、また、温帯低気圧の場合ですが、これも実技問題(暖気核と等温線の関連、またその変化)にあたって行けば、いろいろな解析問題にいきあたる(最近、問題への解答が、単純ではなくなってきています)ので、おたがい、勉強いたしましょう。 -
2020年6月7日 07:02 #15038
荒海
ゲスト渦度移流を忘れていませんか?
上昇流の発生要因にはいろいろかありますが、その一つに正の渦度移流があります。
低気圧発達で西からトラフが近づく場合、渦度が大きくなる、つまり正の渦度移流があります。
低気圧で見る場合、渦度を見るのは間違い、正の渦度移流があるかを見ます。
また、500hPa天気図で、風向風速と渦度分布から渦度移流の程度を考え、低気圧発達や、上昇流強化を考えます。
渦度移流は、温度移流と同じく、温度を渦度に変えて求めます。移流の定義にもとづいているから、
先輩方、しっかりした理解の強化を期待します。
-
2020年6月7日 23:22 #15050
天亀
ゲスト荒海さん、ご指摘ありがとうございます。補足させていただきます。
荒海さんがおっしゃるように、500hPa面において正渦度移流がある場合、それより低い高度(700hPa面など)で上昇流が励起されます。例えば500hPaトラフの東側では、西側から正渦度を持った風が流れてくるので、この場合に当てはまります。逆に、500hPaトラフの位置では、西側から負渦度(あるいはトラフの位置の渦度よりも弱い正渦度)を持った風が流れてくるので、負渦度移流があることになり、上昇流は発生しません。これが、低気圧がトラフの東側にあるとき低気圧が発達し、低気圧とトラフが重なったとき発達が止まる理由にもなります。
もっとも、この理論に関してはすでにとうりさんがおっしゃってくださっています。47回試験の実技試験の、低気圧の発達要因を答える問題では、正渦度移流域に入ることを書かなくてはならない、という部分です。上昇流は正渦度ではなく、正渦度”移流”によって起こるということを、再度強調しておきます。念のためですが、500hPaに正渦度移流があるとき、500hPaに上昇流が起こるのではなく、その下で起こるのだということは間違えないようにしてください。
今更ではありますが、正渦度移流と上昇流の関係については、過去にもここで議論になっていたようですので、まだご存じなければぜひご覧になってください。
https://kishoyohoshi.com/forums/topic/%E4%BD%8E%E6%B0%97%E5%9C%A7%E3%81%AE%E7%99%BA%E9%81%94%E6%9D%A1%E4%BB%B6%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%AE%E6%AD%A3%E6%B8%A6%E5%BA%A6%E7%A7%BB%E6%B5%81
-
-
投稿者投稿
- フォーラム「めざてん掲示板1」には新規投稿および返信を追加できません。