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2019年8月14日 12:00 #11951ええあゲスト
解いてスッキリ!気象予報士学科試験合格問題集の平成27年度第1回の専門の問題においてウインドプロファイラに関する問題について質問があります。一般的に前線と風向きの関係についてお聞きしたいです。
低気圧の前方で前線を挟んで南北にウインドプロファイラの観測点があるので上層の風は西よりのはずという解説があるのですが、前線を挟んで南北どちらの観測点においても西よりになるのでしょうか?北東風により前線帯に風が収束することはないのでしょうか? -
2019年8月14日 14:37 #11952北上大キーマスター
ええあさん、こんにちは。
最初にお願いがあります。
当サイトでは、試験番号は西暦表示ではなく通し番号を使っていますので、今後は通し番号で記載されるようにお願いします。
この問題は、第44回専門知識 問2になります。さて、一般論として話すと例外もありややこしくなるので、問2に限定して話をしましょう。
問題が見えない人のために、図を掲示しておきます。地上天気図の(a)(b)(c)に該当するウインドプロファイア観測チャート「ア」「イ」「ウ」「エ」を結び付けなさい、という問題です。
ウインドプロファイアの4つのチャートを眺めてみると、上層7kmの風は、「ア」だけが東風で、「イ」「ウ」「エ」は西よりの風ですね。
「ア」だけが逆なのですが、こんなことがあるでしょうか?
上層7kmというと400hPaくらいですね。
普段、渦度解析やトラフの判断に使う500hPaより上層で、ジェット気流の解析に使う300hPaより少し下です。ところで、500hPaの天気図で東風って、見たことがありますか?
大体、西風で、蛇行して北西風とか南西風とかに揺れますが、東の成分は殆どありません。500hPaより上の400hPa辺りの高さになると地衡風の影響が強く、台風とか寒冷渦とか強烈なじょう乱がなければ、偏西風の流れに支配されて、西寄りの風が吹くのが普通です。
また、地上の摩擦や熱の影響を受けにくいので、狭い範囲で風向が急変することもほとんどありません。
(a)(b)(c)の地上距離を推測すると、3~400km程度です。
400hPaの高さで、この狭い範囲で、東西の風がすれ違う現象は考えられません。
⇒だから、狭い範囲で1ヶ所だけ東風ってないよね。天気図において、中国東北区にある高気圧の進行方向は『南東』、九州の西にある低気圧の進行方向は『東南東』ですが、これは上層における風の方向を暗示しています。
いずれも西寄りの風であり、東風の成分は読み取れません。
⇒やっぱり、狭い範囲で1ヶ所だけ東風って考えられないよね。『解いてスッキリ!気象予報士学科試験合格問題集』
この本を読んでいないので、筆者の本当の主張は分かりませんが、以上が
『低気圧の前方で前線を挟んで南北にウインドプロファイラの観測点があるので上層の風は西よりのはず』
の根拠だと思いますよ。一言でいうと、『観測点間の距離が近いから上層の風向は大体同じになるはず』と言うこと。
以上のことから、(a)(b)(c)の観測において、「ア」の7km高度における東風は除外すべきです。
ええあさんの疑問にも答えておきましょう。
『北東風により前線帯に風が収束することはないのでしょうか?』
地表付近ではいろいろな現象が発生しますが、7km上層まで影響するとは考えにくいです。ちょうど台風10号が日本に近づいています。
下図は、本日(2019.08.14)の500hPaの風の様子です。
台風の北側が東風、南側が西風、この間の距離は300kmくらいです。
500hPaでさえ、台風の目を挟むような特殊な状況でなければ、地上で300kmの近距離で、東風と西風が存在することはありません。Attachments:
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2019年8月22日 14:51 #12030ええあゲスト
返信いただきありがとうございます。
お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
通し番号でとのことで、以後気をつけていきます。確かに500hPa天気図では東風はみたことがない気がしますね…
低気圧に反時計回りに風が吹き込む、という知識をもとに東風も吹くのでは?と思ったのですが、よく考えてみればこれは地上における摩擦が関わっていることであり、上層での風の動きとは関係があんまりなさそうですね。解決しました。ありがとうございました!
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