第47回気象予報士試験 専門知識

丸囲み数字は一部の機種で文字化けになるので、ここでは[1][2]の表示をします。

目次

第47回気象予報士試験 専門知識
問1 問2 問3 問4 問5 問6 問7 問8 問9 問10 問11 問12 問13 問14 問15

問1

第47回気象予報士試験 専門知識問1

観測に関する問題は、気象庁の「気象観測の手引」を参考にすると良いでしょう。

(a)『正』
ふぶきについては、「気象観測の手引」では次のように記載されています。
この定義から判断すると「正」であると言えます。

「ふぶき」とは、高い地ふぶきとが同時に起こっている現象。
「高い地ふぶき」とは、 積もった雪が地上高く吹き上げられる現象。目の高さの水平視程は一般に非常に悪い。
吹き上げられた雪はときには全天を覆い,太陽さえも隠すほどになることがある。
これらの雪は絶えず風によって激しくかき回される。

(b)『誤』
煙霧は、乾いた微粒子により視程が10km未満となっている状態であり、水滴を含んでいません。
また、水滴を含んで視程1km以上は「もや」です。

(c)『正』
積雲や積乱雲に伴うものではないので、竜巻とは違います。
「気象観測の手引」では次のように記載されています。

「じん旋風」とは、 地面から吹き上げられたちり又は砂が,柱状になって時にはまき散らしながら旋回している現象。
柱の直径は小さく軸はだいたい鉛直で,その高さは変動する。
じん旋風は,地面が日射で強く加熱された熱上昇気流や地形性の風の収束によって発生する。

正解は[1]です。

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問2

第47回気象予報士試験 専門知識問2


(a)『誤』
降水時の方がよく観測できます。

(b)『正』
文章通りで正しい。
ラジオゾンデは1日2回。
ウインドプロファイラは10分毎。

(c)『誤』
全く逆で、降水時の方がよく観測できます。

正解は[4]です。

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問3

第47回気象予報士試験 専門知識問3

仰角と立体構造の関係が理解できれば簡単な問題ですが、3次元の構成は女性には苦手な人が多いかも。

(a)と(c)は分かりやすいでしょう。
[2][3]に絞られるのですが、結局(b)のブライトバンドに気が付かないと、正解になりません。

(a)『正』
問題文通りですね。

(b)『誤』
リング状の濃いブルーをブライトバンドとみなしました。
語呂合わせ呪文『雨と雪、境界輝くブライトバンド』を覚えてください。

(c)『誤』
9000mには雲がありませんから、エコー頂高度(雲頂高度)は、9000m以下です。

正解は[3]です。

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問4

第47回気象予報士試験 専門知識問4

この問題は(a)と(b)が分かれば、(c)(d)にかかわらず[5]に決まってしまいますね。

気象庁の数値予報モデルは、GSM、MSM、LFMの3種類があります。

  • GSMは全球モデル 格子間隔 20km
  • MDMはメソモデル 格子間隔 5km
  • LFMは局地モデル 格子間隔 2km

(a)『誤』
GSMの格子間隔は20kmと粗いけれども、地形図を描かせると下図のように北アルプスなどの脊梁山脈は表現できます。

この地形を元に日本海側の降水(雪)を予測することは出来ます。

画像出典:気象庁サイト

(b)『誤』
数値予報モデルが予測できる現象は、格子間隔の5~8倍程度です。
LFMの場合、10km~16kmの現象が該当しますが、個々の積乱雲は10kmよりも遥かに小さいので、LFMでの予測は困難です。

(c)『誤』
大きな気象現象は静力学モデルで計算できるので、GSMに採用されています。
小さな気象現象では、上昇流や下降流の影響が強いので、静力学方程式では計算できません。そのためMDMとLFMでは静力学方程式は使っていません。

(d)『誤』
MSMは1日先程度まで、LFMは数時間程度の予測に利用されています。

正解は[5]です。

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問5

第47回気象予報士試験 専門知識問5

(a)『正』
各格子点の値は、隣同士の格子点の値と連続する要素として予測計算に利用されます。
突発的に大きい(高い)とか小さい(低い)とかの特異的な情報があると、予測が狂います。

そういう意味で、格子点付近の空間を代表していると言えます。

(b)『誤』
瞬間的な降水強度ではなく、12時間積算降水量とか24時間積算降水量として表します。

これは、その時点の降水強度よりも、積算雨量のほうが水害など社会的な影響が大きいからです。

(c)『誤』
これは、ややひっかけ問題の傾向がありますね。
実際の地表面の標高の差に基いて』ではなく『モデル地形の地表面の標高の差に基いて』です。

モデル地形の標高と実際の標高は、しばしば異なることがあります。

正解は[3]です。

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問6

第47回気象予報士試験 専門知識問6

(a)『誤』
これは、言葉のアヤを狙った、嫌らしい問題です。
寒冷低気圧は、地上天気図では不明瞭になりやすいのですが、まったく解析されないわけではありません。

(b)『誤』
圏界面が垂れ下がった上には、暖気核が形成され周囲より気温が高いのです。

(c)『正』
気圧の谷が深くなったところに、発達した温帯低気圧が絡むと後面から寒気が入り込んで、寒気部分が切り離されます。

こうして、切離低気圧(寒冷低気圧)が、偏西風帯から取り残されます。

(d)『正』
夏季の寒冷低気圧の南には南海の湿った暖かい空気があります。
その暖湿気が低気圧性循環により低気圧の南東象限に引き寄せられて、上空の寒気との気温差が大きくなり、不安定な大気を形成することにより、積乱雲が発達することが多いのです。

正解は[4]です。

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問7

第47回気象予報士試験 専門知識問7


(a)『正』
低気圧の北側にあって上層(赤外画像)で明瞭な極側に凸の雲域があればバルジとみて間違いないでしょう。

(b)『誤』
バルジの曲率と寒冷前線の延長ラインから、低気圧中心は、雲域Bから北東側に外れた雲がない領域付近にあると推定できます。

赤外画像に、想定できる低気圧中心と寒冷前線位置を記入すると下図のようになります。

領域Bは小さな渦ではありますが、ドライスロットの領域にあるので低気圧の中心ではないと判断します。
赤外画像で暗いので下層にある渦かもしれません。

(c)『正』
この問題文は、下層雲判断の定義そのものといってもいいでしょう。
問題文通り、画像で白く赤外画像で暗いので、下層雲もしくは霧の可能性が高いです。

(d)『正』
上層雲の細長い雲域の寒気側に、直交するように小さなギザギザがあることからトランスバースラインと判断できます

正解は[2]です。

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問8

第47回気象予報士試験 専門知識問8


(a)『誤』
積乱雲から冷たい空気が出て溜まっているので、その部分の気圧は周辺より高いのです。
だからガストフロントの通過に伴って気圧が急降下はなく、上昇することがあります。
この局所的な高気圧を、メソハイとか雷雨性高気圧といいます。

(b)『正』
気象予報士、伊藤譲司さんの「おもしろ天気塾」にガストフロントの解説記事があり、そこから図を拝借して一部改修しました。

画像出典:http://tenkijuku.com/qa_gustfront.html 一部改修

ダウンバーストは、単純に空気の吹き下ろしが広がるだけの単純な現象なのでその広がりは大きくありません。
一方、ガストフロントは、冷気による小さな高気圧でミニ前線を作る気象現象ですから、単純な吹き下ろしと比べて規模が大きくなります。

(c)『誤』
同じく、伊藤譲司さんのおもしろ天気塾から写真をお借りしました。

画像出典:http://tenkijuku.com/qa_gustfront.html

ガストフロントの先端に形成されるアーク雲によって、ガストフロントの発生を静止気象衛星で確認することが出来ます。

正解は[5]です。

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問9

第47回気象予報士試験 専門知識問9

(a)『ア』
(a)で与えられた3要素をアの図に描写すると下図のようになります。
・黄海に高気圧
・関東地方の広い範囲で降水
・北緯30度付近に東西に伸びた前線

黄海付近は気圧の尾根(リッジ)になっており、高気圧と矛盾しません。
関東地方は、四国の低気圧の全面にあたり、降水がありそうです。
北緯30度付近は、等高度線と平行に停滞前線がありそうな気圧配置です。

(b)『ウ』
(b)で与えられた3要素をウの図に描写すると下図のようになります。
・華中に高気圧
・日本海には暴風を伴う発達中の低気圧
・日本海側の広い範囲で降水

渦中は、気圧の尾根にあたるので、高気圧と矛盾しません。
日本海から南南西に深いトラフああり、発達中の低気圧があります。
このこの低気圧に伴う降水は予想できます。

(c)『イ』

(c)で与えられた4要素をイの図に描写すると下図のようになります。
・九州に低気圧
・前線が先島諸島まで伸びている
・北陸から四国にかけて雨
・四国では局地的に猛烈な雨

九州はトラフになっており低気圧と矛盾しません。
関東地方は気圧の尾根になるので降水は少ないと予想できるので、(a)の「関東地方の広い範囲で降水」は該当しないと判断できます。
正渦度域が先島諸島に伸びているところから、寒冷前線との対応が想定できます。

正解は[2]です。

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問10

第47回気象予報士試験 専門知識問10

これは、台風の常識問題ですね。
何ら悩むことなく、この問題はゲットしましょう。
(c)が分からなくても、(a)(b)が分かれば[1]に決まります。

(a)『正』
海面水温が27℃以上で台風が発達すると言われています。

(b)『正』
温度傾度により前線が形成され、中心から離れた場所の風速が強くなるのは、珍しいことではありません。

(c)『誤』
温帯低気圧になってから中心気圧が下がることはあります。

正解は[1]です。

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問11

第47回気象予報士試験 専門知識問11


これは、時の流れを意識して、降水域と高気圧の関係をざっくりとしたイメージで捉えれば、自然に分かると思います。

日本の南に東西に伸びた幅広い降水帯が、高気圧の移動に伴って東の方から細くなり、やがて東端が切れる。
一方、朝鮮半島の北に小さい降水帯が現れ、東に移動する。

正解は[2]です。

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問12

第47回気象予報士試験 専門知識問12

(a)『正』

(b)『誤』
発生確度1と2は時間的な切迫度は関係ありません。

発生確度1は、見逃しは少ないけれども的中率は低い。
狼が出そうだとすぐに騒ぐオオカミ少年的傾向がありますが、狼に対してとても敏感です。

発生確度2は、的中率は高いが見逃し率が高い。
狼を見たとかかなり信頼性の高い情報ですが、みつけられないことも多いです。

(c)『誤』
20分後までに発生確度2が予想される地域で「竜巻注意情報」も発表されます。

正解は[3]です。

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問13

第47回気象予報士試験 専門知識問13


この問題は4分割表を理解してれば、簡単に解ける超サービス問題ですね。

復習として、予報制度の例題をごらんください。

気象庁のサイトには次のような表が示されています。

(a)『正』
降水の有無の的中率=(A+D)/N
予報区Aでは (2+85)/100=0.87
予報区Bでは (6+80)/100=0.86

(b)『正』
降水ありのスレットスコア=A/(A+B+C)
予報区Aでは 2/(2+12+1)=0.13
予報区Bでは 6/(6+8+6)=0.3

(c)『正』
降水ありの見逃し率=B/N
予報区Aでは 12/100=0.12
予報区Bでは 8/100=0.08

(d)『正』
降水ありの空振り率=C/N
予報区Aでは 1/100=0.01
予報区Bでは 6/100=0.06

正解は[5]です。

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問14

第47回気象予報士試験 専門知識問14

(a)『誤』
現在では「24時間雨量」は使わず「3時間雨量」を基準としている。

※2022年追記
この試験の後(2018年)に『表面雨量指数』『流域雨量指数』『土壌雨量指数』が大雨警報の基準に採用され、発表基準が改変されています。

気象庁のサイトで最新情報を確認してください。

(b)『誤』
国土交通大臣または都道府県知事と気象庁が共同で行う洪水予報を「指定河川洪水予報」といいます。
これとは別に、指定河川に対しても気象庁単独で、洪水警報、洪水注意報を発表することがあります。

(c)『正』
地盤の緩みにより土砂災害のリスクが高まったと判断した場合は、土砂災害の発表基準を引き下げます。
実際に、東日本大震災の後や熊本地方の地震災害の後に運用されました。

正解は[4]です。

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問15

第47回気象予報士試験 専門知識問15


(a)『誤』
長期予報の確率は、「高い」「平年並み」「低い」の3階級です。
「高い」が50%なら、「平年並み」と「低い」の合算が50%になります。

(b)『正』
「高い」「平年並み」「低い」の各階級の出現率が33%になるように10年毎に見直しています。

(c)『正』
毎日発表される降水確率と同じ考え方です。

正解は[3]です。

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