第46回気象予報士試験 実技1 問1(1)
丸囲み数字は、機種によっては文字化けするので[1][2]を使います。
[1]「大型」
台風の大きさは、強風域半径が500kmで大型、800km以上で超大型です。
強風域(風速15m/s以上)は、ノットで表現すれば30KT以上の範囲に相当します。
また、半径500kmは270海里、800kmは432海里です。
海里の計算は、これほど正確に計算する必要はなく、kmを2で割って1割弱ほど割増する程度の概算で十分です。
つまり、500kmなら半分の250+αで、およそ270海里。
800kmなら半分の400+αで、およそ430海里とします。
天気図によると、30KT以上の強風域が、北側で375海里、南側で325海里です。
500kmより大きくて、800kmより小さいことがすぐに見当がつきます。
[2]「強い」台風
台風の強さの階級は、中心付近の最大風速で判断します。
中心気圧は関係ありません。
70KTは正確には0.514倍して36m/sですが、略式には2で割っておよそ35m/sと目安を付けます。
下の語呂合わせ呪文を覚えていれば楽勝ですね。
⇒ 台風はいいな強いので散々な目に
33と44の間なので、「強い」台風になります。
[3]「10」ノット
これは、「NNW 10KT」と解答が書いてあるので、書き写すだけですね。
NNWはNorth -North-Westつまり北北西のことです。
KTはknot(ノット)の単位です。
[4]「海上台風」警報
[TW]はTyphoon Warningで、海上台風警報の記号です。
最大風速64ノット以上の可能性があるときに発表されます。
[5]「70」ノット
中心付近の最大風速は、ここに答えが書いてありますね。
「MAX WINDS 70 KT NEAR CENTER」って、
[6]「375」海里
[7]「325」海里
風速30ノット以上の半径は、この図に書いてありますから、悩む要素はありません。
NMはNautical mileの略で、海里のことです。
[8]「海上強風」警報
「GW]はGale Warningの略で、海上強風警報の記号です。
問1(2)で出てきますが、34ノット以上の風です。
[9][15]ノット
潮岬がどこだか分からないと答えられませんが、紀伊半島の先端だと分かれば簡単です。
最低限でも、この5つの岬の名前は覚えておきましょう。
⇒ 試験直前豆テスト(岬)
風の旗竿の長い棒が10ノット、短い棒が5ノットなので、合わせて15ノットです。
[10]「停滞」前線
この半丸と三角形の凸凹マークは、停滞前線の記号ですね。
季節によっては梅雨前線を要求されることもありますが、10月ですから無難に「停滞」前線です。
[11]「1」時間内
鹿児島の地上天気記号はこうなっていました。
この天気記号の意味は、これです。
ですから、解答は「1」時間前になります。
第45回気象予報士試験 実技1 問1(2)
この問題文を見て、まず、戸惑いましたね。
矢羽根が幾つか描かれているけど、ア・イ・ウと関連する風情報ではありあませんよね。
なんか、ひらめきがないと、皆目検討がつかないわ。
実は、解答用紙に大きなヒントがあったのです。
あ、そうか。
観測数値を答えるのではなく、何らかの条件を探し出すんだな。
このヤマカンが閃かないで観測数値を探し続けた人は、かわいそうだが解答に結びつかなかったでしょうね。
風の範囲と言う観点で、図1を俯瞰してみると、ありましたよ。
ホラ!!
カーキ色で示したのが強風域
緯度線10度間が600海里を参考にして、大体の大きさの円を描いてみました。
何と言うことでしょう!
『ア』と『イ』がきれいに住み分けが出来ました。
『ア』の強風域の上限下限は、簡単ですね。
地点ア:[30]ノット以上 [50]ノット未満です。
『イ』の暴風域はちょっと困ります。
50ノット以上は分かりますが、上限はどうしましょう。
実は、暴風域の上限の決まりはないんです。
じゃぁ、無制限か! というわけには行きませんね。
そこで、この台風の最大風速の出番です。
そう、中心付近の最大風速は70ノットですから、これを上限にします。
すると、めでたく
地点イ:[50]ノット以上 [70]ノット以下が決まります。
さて『ウ』が、まだ決まっていませんね。
『ウ』の周囲をよく観察すると、波線で囲まれています。
<
これが、重要なヒントです。
Gale Warning 海上強風警報が、風の範囲を決めてくれます。
⇒ 風が強くてにやけた三枝が
[GW]は34ノット以上ですね、さらに48ノット以上なら[SW]になるので
地点ウ:[34]ノット以上 [48]ノット以下が決まりました。
第45回気象予報士試験 実技1 問1(3)
これは、簡単です。
難しい理論はおいといて、図1の停滞前線と、図2の等温線を重ねてみましょう。
停滞前線に対応している等温線は、ひと目で[18]℃だとわかりますね。
第46回気象予報士試験 実技1 問1(4)
図2を眺めると、50ノット以上の旗印が3箇所にあります。
最大値は、赤丸で示した南東80ノットですね。
あわてて、80ノットと答えてはいけませんよ。
分かった、分かった、って
80ノットって書いたあわてんぼさんがいるでしょう。
早合点はダメだよ!
ここではm/sに換算しなければなりません。
1ノットは0.514m/sだから、計算すると41m/sですが、5m/s刻みでとの指定なので
最大風速:[40]m/s、風向:[南東]が正解になります。
模範解答