第41回気象予報士試験 実技1 問1


第41回気象予報士試験 実技1 問1(1)


  丸囲み数字は機種によって文字化けするので、代わりに[1][2]の表示を使います。
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天気図の台風の表の中に情報が集約されている。
中心付近の最大風速は、105KTと記載されているので、これをm/sに換算しなければならない
1海里は1,852mであると問題文で定義されている。

ノットは[海里/時]だから、1,852m/3,600秒=0.514m/sになる。
これは、わざわざ計算しなくても、『応援呪文』で覚えておくと良い。
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105KT×0.514=54.0m/s
二捨三入のルールで、5m/s単位にまとめると、答えは『55m/s』となる。

強風域は、風速15m/s以上の領域なので、30KT以上の領域に該当する。
50KT以上は、暴風域(25m/s)になる。
30KT以上の最大範囲と方角を答えればよいのだが、ここでまた、海里をkmに換算しなければならない。
300海里×1.852km=556kmだから、『560km』で、方角Eは『東側』である。
ちなみに、反対側、つまり『西側』270海里は、270海里×1.852km=『500km』である。


第41回気象予報士試験 実技1 問1(2)


台風の強さの階級は、「応援呪文」で覚えておこう。
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問1(1)で、最大風速が55m/sと分かっている。
猛烈ならこう(54m/s)しちゃいられないよりも、数値が大きいので、答えは『猛烈な』に該当する。

台風の大きさの階級は、強風域の半径で判定する。
強風域の半径が500km以上なら「大型」、800km以上なら「超大型」に分類される。
問1(1)で、強風域の最大半径が560kmと答えているので、答えは『大型』である。

海上警報は赤枠で囲んだ[TW]だが、これは『海上台風警報』である。


第41回気象予報士試験 実技1 問1(3)


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海上警報 上の図で、赤枠で囲んだFOG[W]『海上濃霧警報』である。
釧路の天気は、横線三本は『霧』の記号だ。
大気現象発生の要因

釧路付近で霧が発生する理由を考えなさいという問題だ。
ヒントは、気圧配置、釧路の地上観測値と海面水温である。
気圧配置は、上図によると北海道の東南東に高気圧があり、高気圧性循環の風が吹き、釧路付近では海上を吹走する南風が吹くことが分かる。
地上の観測値では、天気が霧で気温が22℃、南風である。

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上図の海面水温に5℃ごとに色分けをしてみた。
25℃以上の海域から、暖かい南風が相対的に気温が低い海域に流れている様子が読み取れる。
これらの条件をまとめると、移流霧の発生条件が整っているのだから、その様子を40字みまとめて解答すれば良い。
北上大の答えは、
「高気圧の循環風で暖かい海面を吹走して湿った空気が相対的に冷たい海域で飽和したため。」(41字)
模範解答は
「高気圧周辺を回る気塊が海面水温の低い領域に移動し、露点温度まで冷やされ凝結した。」(40字)
模範解答としては、あまりうまくないと思う。
凝結するのは、露点温度まで冷やされるのが当然なので、説明がダブっているし、これまでの解答例では必ず「相対的に冷たい」のように「相対的に」を書いていたはずだ。釧路の気温や周囲の水温22℃が、水温が低いとは言いきれないだろう。飽和して凝結するためには「相対的に」が必須だと思う。
それに、気象予報士試験の模範解答で「気塊」という用語は、はじめて見たような気がする。


第41回気象予報士試験 実技1 問1(4)


300hPaと500hPa の高層天気図にトラフ位置を描き込んで比較した。
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トラフの位置関係
一見して分かるように、300hPaと500hPaのトラフ位置は、ほとんど重なっている。
解答は、『ほぼ同じ位置にある』となる。

ジェット気流に対応する強風軸の描画
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上図の左側が300hPaの天気図であり、グリーンの色を付けたエリアが、東経120度~140度の出題範囲である。
強風軸を探すために、旗記号がついている風速位置に青丸をつけた。
結構バラついているが、この青丸が散らばっているあたりで強風軸を探すのだが、地衡風は基本的に等高度線に沿っているので、高度9480m線に沿った位置にラインを引いた。
実際の解答は、破線で記入しなければならないが、ここではピンクの実線を引いた。
このラインを、図5の水蒸気画像と重ねると、『明域と暗域の境界』に一致することが確認できる。

強風軸のライン引きは、かなり自由度がある。217707
どの辺にラインを引くかは、ヤマ勘みたいなものだ。正直に言いうと
水蒸気画像の明域と暗域の境界に重なるように、
恣意的に線を引いたんだ。
だって、そうしないと、次の答えとの整合性がなくなるんだもの。


第41回気象予報士試験 実技1 問1(5)


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上図左側の中央にある前線(黒半丸と黒三角が交互に向き合っている)は『停滞前線』である。

この前線位置を、850hPa天気図に重ねてみると、『15℃』の等温泉に対応してることが確認できる。


第41回気象予報士試験 実技1 問1 模範解答


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