丸囲み数字は一部の機種で文字化けになるので、ここでは[1][2]の表示をします。
目次
第45回気象予報士試験 専門知識問1
(a)は「正」
文章通りで正しいですね。
気温や湿数は標高にかかわらず補正をしませんが、気圧だけは海面高度に補正した値を発表します。
下線部以外の部分は正しいので、教材として覚えておくと良いでしょう。
この問題については、下線部も正しいです。
(b)は「誤」
気圧以外の観測値は、妙な補正はしませんので下線部は「誤」です。
風速観測の高さは地上10mと定められていますが、都会でビルが多い地域では、自由にならずもっと高い位置で観察することもありますが、補正はしません。
(c)は「正」
これも補正はしていないので「正」です。
正解は [2]正誤正 です。
地上観測については、気象庁の「気象観測の手引」を見ておくことをおすすめします。
今回の問1の答えも全部記載されています。
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第45回気象予報士試験 専門知識問2
(a)は「正」
文章通りで正しいですね。
地球の半径から曲率を計算すると、水平に発射されたレーダー波は、地表を100km進むと上空1600m辺りを指すことになります。
ですから、100km先で高度1600mより低いところの雨や雪は観測できません。
(b)は「誤」
Xバンドレーダーとは、波長2.5〜3.75cmの電波を用いるレーダーの総称です。
気象用としては、国土交通省XバンドMPレーダネットワーク(XRAIN)を活用してます。
Cバンドレーダーは、Xバンドよりも波長が長く、波長3.7~7.5cmの電波を用い、気象庁の観測レーダーです。
実は波長が短い電波は、吸収による減衰が大きいのです。
ですから、XバンドMPレーダは非常に強い雨が降っていると減衰が大きく、その後方のエリアが観測できなくなるという弱点があります。
ここが、問題文と違うところですね。
(c)は「正」
文章通りです。
大気の屈折率のイタズラで降水がないところに発生するエコーで有名なのがエンゼルエコーです。
正解は [2]正誤正 です。
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第45回気象予報士試験 専門知識問3
(a)は「正」
気温の表示はありませんが、右側は下層から上層に向かって風向が時計回りに変化しているので「暖気移流」です。
左側は、逆に上層に向かって「反時計回り」なので「寒気移流」です。
単純に地表の風向を見ただけでも、右側は南寄りからの風なので暖気移流であり、左側は北寄りの風であるから寒気移流であると推定できます。
(b)は「正」
文章通りです。
(c)は「正」
「雪と雨、境界輝くブライトバンド」の語呂合わせで説明している現象です。
正解は [1]正正正 です。
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第45回気象予報士試験 専門知識問4
(a)は、「台風や集中豪雨」です。
下図に示すように「竜巻」は数百メートル規模なので、2~2000kmには含まれません。
ここで、選択肢は[2]と[4]に絞られます。
(b)は「5~8倍以上」と覚えておいてください。
選択肢は[2]と[4]で変わりません。
(c)は、[2]と[4]はどちらも「組織化された積乱雲」ですね。
(a)を正しく解答できれば、(b)と(c)で悩む必要はなくなります。
「孤立した積雲」はスケールが小さいので、(d)のパラメタリゼーションで扱う領域です。
(d)は「パラメタリゼーション」です。
現在の数値予報モデルでは、積雲を直接表現するだけの十分な分解能を持っていません。
数値予報モデルの中における便宜上の取り扱いを行い、熱や水蒸気の鉛直方向の再分配を行う仕組みを導入しています。
これを「積雲対流パラメタリゼーション」といいます。
一方の「ネスティング」とは、もともとは階層構造のことを表します。
全域を細かい精度で計算すると時間がかかるので、全体は粗いモデルで計算して、必要なところは細かい計算モデルに引き継ぐやり方で計算する手法のことを指しますが、この出題には関係ありません。
正解は [4] です。
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第45回気象予報士試験 専門知識問5
平生年版数値予報研修テキスト「数値予報の基礎知識と 最新の数値予報システム」
(a)は「誤」
観測データには様々な原因で誤差が含まれています。
客観解析によって初期値を決定する際に、観測値を単純に解析値と置き換えるのではなく、観測値と第一推定値との間に解析値を求めることになります。
ラジオゾンデのデータを特別視することはありません。
(b)は「誤」。
四次元変分法においては、時刻がずれているデータは時間変化を考慮して補正します。
衛星データでも取り扱いは同じです。
(c)は「誤」。
従来は初期値解析で直接利用できなかったデータは、予報変数である何らかの物理量に一旦変換することにより同化を行ってきました。
現在は、データ同化の高度化により、予報変数ではない物理量も直接初期値解析に利用きるようになってきたので、必ずしも物理量への変換処理は行われていません。
実際に、メソ解析の解析雨量では、降水量を同化データとして利用しています。
(d)は「正」。
四次元変分法が精度が良くなったという意味であり、正しい文章です。
正解は [5]誤誤誤正 です。
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第45回気象予報士試験 専門知識問6
(a)は「誤」
カルマンフィルターは自己学習によって毎回係数を変化させて経験値を高めていく手法なので、大雨のように発生頻度が少ない現象の予測には適していません。
(b)は「誤」
数値予報モデルの予報誤差は、ある偏りを持った系統誤差と、ランダム誤差に分けて考えることができます。
系統誤差は、ある一定の偏りを持っているの 統計的な補正をする事により軽減することができます。
陸海分布の違いは、系統的誤差なので修正できます。
一方、ランダム誤差は特定の傾向を持たないため統計的な処理を行っても軽減することができません。
(c)は「正」
系統的な誤差は修正出来ます。
正解は [4]誤誤正 です。
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第45回気象予報士試験 専門知識問7
(a)は「正」。
場所がオホーツク海であることから海氷(流氷)と判断出来ます。
(b)は「正」。
陸上で動きが殆ど無いことから、積雪と判断して良いと思います。
(c)は「正」。
通常、文章通りの判断をします。
(d)は「正」。
文章通りの判断をします。
上層雲は強風軸(ジェット気流)に近いので、移動が速いことが多いです。
正解は [1]正正正正です。
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第45回気象予報士試験 専門知識問8
正解は[2]Acです。
解説
ごめんなさい。
この問題は難度が高くて、わたしには解説できるほどの技量がありません。
参考サイトを示しますので、そちらをごらんください。
- 瀬戸予報士 専門知識 水蒸気画像と解析図 (考察編)
- 古久根予報士
【気象予報士試験42】早合点は禁物だよ!(^0^;)(削除されました)
- 古久根予報士
第45回気象予報士試験 学科一般・専門・実技1・実技2 復習の手引き
(現在は非公開です)
第45回気象予報士試験 専門知識問9
気象庁のサイトでは、次のような説明をしています。
ダウンバースト
積乱雲から吹き降ろす下降気流が地表に衝突して水平に吹き出す激しい空気の流れです。
吹き出しの広がりは数百メートルから十キロメートル程度で、被害地域は円形あるいは楕円形など面的に広がる特徴があります。
(a)は「正」。
上の気象庁の説明には書いてありませんが、ダウンバーストの際は気圧変化を伴うことが多いです。
(b)は「誤」。
問題文は「数十mから数百m」ですが
気象庁は「数百mから十km」と一桁以上大きいですね。
(c)は「正」。
問題文の表記通りです。
正解は [3]正誤正 です。
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第45回気象予報士試験 専門知識問10
(a)は「誤」。
こんなことは言えません。
中心気圧ではなく、気圧傾度が大きなファクターになります。
(b)は「正」。
風の回転方向は、語呂合わせ「台風の左に立てば左巻き」を見てください。
また、進行方向の右側は、台風自身の風速に加えて、進行速度の風速が加わるので、風速が強くなります。
(c)は「誤」。
台風は低気圧なので、遠心力が傾度風を弱める作用をします。
同じ気圧傾度なら中心に近いほうが遠心力が大きくなり風速は弱まります。
台風の中心近くの風が強いのは気圧傾度がとても大きいからです。
「傾度風はどちらが強い」を参照してください。
正解は [4]誤正誤 です。
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第45回気象予報士試験 専門知識問11
(a)は「正」。
週間天気予報とはこんな形で発表されています。
問題文によると、明日の降水確率(緑囲み)と明後日以降の降水確率(赤囲み)は算出方法が違うようです。
残念ながら、これを裏付ける根拠を探すことが出来ませんでした。
正解は「正」ですから、この問題文を教科書代わりにして、こういうものだと覚えてください。
参考資料pdf ⇒ 「気象庁週間アンサンブル予報 システムの現状と展望」
(b)は「正」。
アンサンブル予報の特性から考えて、問題文通りです。
(c)は「正」。
これも、アンサンブル予報の特性から考えて、問題文通りです。
信頼度は、ABCで表現しますが、
正解は [1]正正正 です。
参考資料pdf ⇒ 「気象庁が運用するアンサンブル 予報とその利用」
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第45回気象予報士試験 専門知識問12
(a)は「正」。
海上には雨量計がないので、どうしても誤差が大きくなります。
(b)は「正」。
ブライトバンド軽減処置を実施しています。
気象庁資料pdfより⇒「解析雨量・降水短時間予報・ 降水ナウキャストの改善」
ブライトバンドと判定した領域は、周囲のエコーを重み付き内挿してエコー強度を推定する。
ブライトバンド軽減結果を第 3.1.4 図に示す。
ブライトバンドを軽減する処理を平成 24 年 1 月から導入した。
(c)は「誤」。
シークラッターの影響を排除するための工夫はしていますが、完全には除去できないので、「解析されることはない」と言い切るのは間違いです。
・シークラッタ
グランドクラッタと同様の現象ですが、電波が海上で波しぶきに当たって降水のないところに強いエコーが現れることがあります。
波しぶきの立ちやすい強風時に多く発生します。
シークラッタもデータの品質管理において完全には取り除くことはできません。シークラッタの例 台風周辺の強風域で発生
正解は [2]正正誤 です。
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第45回気象予報士試験 専門知識問13
この問題は、「2✕2分割表」を作って計算します。
「2✕2分割表」の基本計算式は次のようになっています。
N=(A+B+C+D)とします。
- 降水有無の的中率=(A+D)/N
降水ありの予報の的中率=A/(A+C)
降水なしの予報の的中率=D/(B+D) - 見逃し率=B/N
- 空振り率=C/N
- 捕捉率=A/(A+B)
- 一致率=A/(A+C)
- 降水有無の的中率=(3+3)/10=60%
降水ありの予報の的中率=3/(3+2)=60%
降水なしの予報の的中率=3/(2+3)=60% - 見逃し率=2/10=20%
- 空振り率=2/10=20%
- 降水有無の的中率=(2+4)/10=60%
降水ありの予報の的中率=2/(2+3)=40%
降水なしの予報の的中率=4/(1+4)=80% - 見逃し率=1/10=10%
- 空振り率=3/10=30%
(a)は「誤」。
降水有無の的中率は予報区A=60% B=60%で同じです。
(b)は「誤」。
降水なしの予報の的中率は、予報区A=60% B=80%で、Bが高い。
(c)は「正」。
見逃し率は、予報区A=20% B=10%で、Aが高い。
(d)は「誤」。
空振り率は、予報区A=20% B=30%で、Bが高い。
正解は [5]誤誤正誤 です。
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第45回気象予報士試験 専門知識問14
(a)は「正」。
問題文通りです。
地面が水を吸収してくれる「緩衝作用」がないので、河川の増水が頻発します。
(b)は「正」。
これも正しいです。
(a)で述べた地面による「緩衝作用」が満杯になって、その作用がなくなった状態を示しているので、増水が多くなります。
(c)は「正」。
考えてみれば当たり前のことで、上流で降った雨が河川を通って下流に流れてくる時間帯に、雨雲が下流に移動すれば、上流からの河川水と雨雲からの雨のダブルパンチで、下流の河川は増水しやすくなります。
雨雲の移動が下流から上流であれば、このような現象は生じません。
(d)は「正」。
地下の水脈を通じて河川とあちこちがつながっていると考えられるので、このような現象が生じます。
気象庁の洪水に関する用語の中に「内水はん濫」という言葉があり、この現象を示しています。
河川の水位の上昇や流域内の多量の降雨などにより、河川外における住宅地などの排水が困難となり浸水すること。
正解は [1]正正正正 です。
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第45回気象予報士試験 専門知識問15
500hPa の高度図
日本の周囲を見ると(a)はm青色で平年より高度が低く、低温であることを示しています。
(b)の方が温かいと判断できます。
低温の夏は(a)です。
海面気圧の図
(b)では、北海道の北東部にオホーツク海高気圧がはっきりと確認できます。
ブロッキング高気圧と思われるので、動きが遅く、北寄りの寒気を日本に送り込んでくるので、冷夏になることが予想出来ます。
低温の夏は(b)です。
200hPaのジェット気流
(b)では、欧州から大陸を横断してくるジェット気流の流れが強く、これが本州に突き刺さるように流れて来ますから、大陸の寒気が日本に流れ込みます。
(a)では、ジェット気流が分断されて弱く、しかも日本付近では北側にずれていますから、寒気の影響は少ないと判断できます。
低温の夏は(b)です。
正解は [3]abbです。
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