うさぎさん
同じ問題について、過去に掲示板で議論がありました。
その時の古久根さんの解答を引用します。
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パラメタリゼーションには,
・積雲対流パラメタリゼーション
(積雲による鉛直方向の運動量・熱・水蒸気の輸送を考える),
・雲物理
(雲の発達・衰弱や相変化に伴う熱のやり取りなどを考える),
・放射
(雲は放射に影響を与えるなど),
・地表面
(地表面・土壌と大気との間の運動量・熱・水蒸気のやり取り),
・境界層
(大気境界層での乱流などによる運動量・熱・水蒸気のやり取り),
・雲
(格子間隔よりも小さな雲・部分雲を考慮)などがあります.
この中で積乱雲を考えたときに大切なパラメタリゼーションはどれでしょうか?
積乱雲では,鉛直シアの存在と,積乱雲内部の相変化がとても大切になってきます.
なので,パラメタリゼーションでは積雲対流パラメタリゼーションに加え,雲物理や境界層も取り入れる必要が出てきます.
一方,問題(c)の文では,地表面に関するパラメタリゼーションが大切だと述べていますが,地表面のパラメタリゼーションで勘違いしてはいけないのは,あくまで陸上が基本ということです.
具体的には,生えている植物,積雪状況,土壌水分量などを考えます.
海面も取り入れますが,主に海面水温です.
では,これらの効果は積乱雲発達や降水予想に重要な過程でしょうか?
積雲対流や雲物理や境界層に関するパラメタリゼーションと比べたら小さいと考えられます.
以上から,問題文としては誤りの文ということになります.
(c)の文の前に「最も重要な過程として」とあるから誤りになるわけです.
取り入れていないわけではありません.
実際には全球,MSMなどモデルによって取り入れるパラメタリゼーションや取り入れ方に違いがあります.
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この返信は4年、 11ヶ月前に北上大が編集しました。
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この返信は4年、 11ヶ月前に北上大が編集しました。